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【大阪GP 12位】卵童話エルフ解説 【シャドウバースエボルヴ】

本記事は大阪GPで使用した卵童話エルフについての解説記事です。
全文無料です。

本記事の構成は以下のようになっています。

■大阪GPでの戦績

2023年2月4,5日に開催されたShadowverse EVOLVE Grand Prix 2022大阪での【卵童話エルフ】の戦績は以下です。

Day1
ウマ(ダスウオ)先◯
ウマ(ダスウオ)先◯
ウマ(ダスウオ)後◯ 
ドラゴン後◯
ウマ(ダスウオ)先◯
ドラゴン先◯
イージスビショップ後◯
ウマ(ダスウオ)先×
Day2
ドラゴン先◯
ウマ(ダスウオ)先×
ウマ(ダスウオ)後◯
白銀エルフ後◯
ウマ(ダスウオ)先×
ウマ(ダスウオ)先◯
白銀エルフ先◯
12-3で12位

対アーキタイプ別:
ウマ(ダスウオ) 6-3
ドラゴン 3-0
白銀エルフ 2-0
イージスビショップ 1-0

■デッキの構想

・【童話エルフ】というデッキについて+欠点


 このトピックに関しては概ね以下noteで書かれている通りです。
  (引用させていただきます)
 https://note.com/cleffa/n/n30b0cdc902e8

  1. 《森の音楽隊》や《不思議の探究者・アリス》の進化時効果を使用してEXエリアに《大魔法の妖精・リラ》《ビューティ&ビースト》を貯める。

  2. 《大魔法の妖精・リラ》で盤面処理、《ビューティ&ビースト》のオーラと条件付き疾走を活かしてライフを削る。

 これに既存のエルフギミックが少し混ざるような構成ですね。
 そんな【童話エルフ】の問題として、以下のような点が挙げられます。

  • EXに複数枚の《ビューティ&ビースト》が置けても、守護効果を持つフォロワー1枚で止まってしまう可能性がある。

  • 《大魔法の妖精・リラ》をプレイ+除去効果1回使用+《ビューティ&ビースト》をプレイをした場合に、《ビューティ&ビースト》の起動効果(ステータス上昇)が使用できない。

  • 相手のライフを削るタイミングが取りにくい(除去に専念しがち)。

 大変ですね。

・【童話エルフ】の改善検討


 上記の問題を解決するために方針を考えました。

  1.  相手の息切れまで除去し、リソース勝ちを狙う。

  2.  盤面を展開して処理圧をかけることでライフを削るタイミングを生む。

  3.  中盤までにライフを削るカードを多くプレイできるようにする。

 ただ、これらの方針もそれぞれに課題があります。

  1. 相手の息切れまで除去し、リソース勝ちを狙う。

    • ウマ娘環境には《7センチの先へ》、《ナリタブライアン》、各種疾走が存在するため現実的ではない。

  2. 盤面を展開して処理圧をかけることでライフを削るタイミングを生む。

    • 童話フォロワーの序盤の横展開が貧弱。

    • 《クリスタリアプリンセス・ティア》はコンボ前提である上、《森の音楽隊》や《不思議の探究者・アリス》でデッキの底に送られる非童話カードである。

    • 除去の多い環境であり、展開したフォロワーがそもそも場に残りにくい かつては一定の安心感があった縦置きでもそれは同じ。

  3. 中盤までにライフを削るカードを多くプレイできるようにする

    • 《ローズディアー》、《サイレンススズカ》、《〔徹底管理主義〕樫本理子》がライフを削るカードになるが、これらは非童話のカードであるため《クリスタリアプリンセス・ティア》同様手札に加えられる確率は低くなる。

    • 上記カードを引くためにドローソースを増やすと、《ビューティ&ビースト》を引きやすくなるという裏目の確率も上がってしまう。

まとめると以下のような状態になっていました。

  • 《ビューティ&ビースト》《大魔法の妖精・リラ》を引くだけでは勝ちに繋がらない。

  • デッキの問題を解決するためのカードが非童話カードであるため安定性に欠ける。

大変ですね。

その反面、以下2点の実現が出来る場合には、【童話エルフ】というアーキタイプの勝率が上がる可能性があることも見えてきました。

  1. 相手フォロワーの除去をしながら《ビューティ&ビースト》の疾走が可能となるパターンを増やす。

  2. 相手ライフを削る手段を安定して確保する。

・卵に手を出す


3弾発売後の環境変化として【卵ビショップ】の台頭がありました。
(【卵ビショップ】に関しては以下のnoteを引用させていただきます)

このアーキタイプは3弾発売初期の【ダスカウオッカウマ娘】に対して優位な一面を持っており、同じ童話カードを軸とするエルフにも【卵ビショップ】の強みをエッセンスとして追加できないかという案が出てきました。

ビショップクラスにおいて《ハンプティダンプティ》を使った戦術が機能しているのは何故か、整理してみます。

①盤面にリソースを残す手段が存在する
 各種ドローアミュレット。《不思議の探究者・アリス》《翼の王子》《三月ウサギのお茶会》

②ターンを跨がず即時的にライフを削る手段が存在する
 《ハンプティダンプティ》《卵の大爆発》《ブリキの兵隊》

③横展開の盤面を処理できる
 《ハンプティダンプティ》

エルフクラスにも踏襲できる部分があります。

①盤面にリソースを残す手段が存在する
 《不思議の探究者・アリス》《森の音楽隊》《収穫祭》《ローズディアー》等
②ターンを跨がず即時的にライフを削る手段が存在する
 《薔薇の一撃》《サイレンススズカ》《ビューティ&ビースト》《白銀の矢》《ハンプティダンプティ》等
③横展開の盤面を処理できる
 《ハンプティダンプティ》《大魔法の妖精・リラ》

既に台頭していた【卵ビショップ】との類似点+クラス独自の利点もあったことから《ハンプティダンプティ》採用型の【卵童話エルフ】を試行することにしました。

試行した結果としての強み、構築紹介は後段にて解説します。

■構築紹介

●デッキレシピ

      卵エルフ

 ●強み

  • 《ビューティ&ビースト》と《ハンプティダンプティ》と《大魔法の妖精・リラ》の3択を迫ることができる

《ビューティ&ビースト》を警戒して盤面を広げすぎると《ハンプティダンプティ》、中途半端だと《大魔法の妖精・リラ》が飛んでくるというリスクが発生します。逆に、除去を警戒して展開を抑えた場合は《ビューティ&ビースト》の着地を許すことになるため、結果として相手に3択を迫ることが出来ます。

  • 上記の状況を形成するカードが《不思議の探究者・アリス》、《森の音楽隊》の効果対象であるため、引き込みやすい。

  • 対処すべきパターンが従来の【童話エルフ】から増え、対面に慣れていないと間違った選択をしやすい。

  • 盤面に依存しないダメージソースが増えたことでライフを削りやすい。

  • ゲーム終盤における《ハンプティダンプティ》進化+《ビューティ&ビースト》疾走+起動効果による9点のダメージが相手の妨害の多くを無視して実現できる

  • 《ハンプティダンプティ》の進化時効果に伴うリソース減少を回復する手段が存在する。

●弱み

  • 《ハンプティダンプティ》《ビューティ&ビースト》を複数枚手札に引き込んだ場合に行動の選択肢が狭まる。

  • 疾走フォロワーに対応する手段が少なく、ライフを詰められる場面を多く作ってしまう。

 ●各カードの採用理由

   《シンコウウインディ》

  •  最序盤の1コストフォロワー要員として採用。

  •  デッキトップの操作能力が《森の音楽隊》《不思議の探究者・アリス》と好相性。

 《歌劇姫・フェリア》

  •  最序盤の動きを安定させる1コスト童話フォロワー。

  •  童話カウンターを乗せる起動効果は、中盤以降で《ビューティー&ビースト》のスタッツを上げる、《大魔法の妖精・リラ》の除去回数を増やすことが可能。また、《森の音楽隊》《不思議の探究者・アリス》進化時効果の対象である点も、高い評価を得る一因となっている。

《ベビーエルフ・メイ》

  • 序盤の相手フォロワーへの対処として採用。このカードの有無でライフの減りに大きく影響する。

  • 《ハンプティダンプティ》進化時の爆発を耐えうるDEF6のカードに対しての補助カード。

《自然の導き》

  • 《エンシェントエルフ》《マーベラスサンデー》に次ぐ、盤面バウンスを目的として採用。《ベビーエルフ・メイ》《森の音楽隊》《収穫祭》などのバウンスする/使いまわすことで極端に利益のあるカードをバウンスする。

  • 手札に特定のカードを多く引き込むことや手札の枚数を増やすことが目的のデッキではないことや、コンボ関連のギミックの枚数を最低限に抑えていることから、盤面バウンスの回数をそれほど多く要求しないため1枚。

  • 枚数を増やしたい場合は、《収穫祭》を不採用にすることも考えられる。実際に調整メンバーのひとりは、《収穫祭》の枠を2枚目の《自然の導き》に振り分けていた。

 《収穫祭》

  • 盤面に残せるリソースカード。基本的には《ハンプティダンプティ》の進化使用後に使うことでリソースの回復を狙う。

  • 起動効果のリーダー1点回復で対面のリーサルから逃げれる場合は積極的に使用する。1~3ターン目の動きが不十分な際も早めに使用することはありうる。

  • 枠がないことや盤面に干渉できるカードではないことから1枚。

《森の音楽隊》

  • このデッキが成立している要因であり、デッキ内屈指のパワーカード。

  • EXに置くことを優先したいカードは状況により変化するが、概ね以下の順番である。

  1. デッキの核となるカード:《ビューティー&ビースト》《ハンプティダンプティ》

  2. 《ハンプティダンプティ》進化後にリソースを回復できるカード《不思議の探究者・アリス》

  3. 盤面に干渉できるカード:《フラワープリンセス》《大魔法の妖精・リラ》

  4. その他:《歌劇姫・フェリア》

《エンシェントエルフ》

  • 自身の盤面をバウンスできることや守護を持っていることから採用。

  • リソースを増やす、ライフを守る、5打点として殴る、など役割は多岐に渡るため枚数を減らせない。

  • 進化時効果で追加の盤面バウンスができることを評価しているため、進化後は2枚採用

《フラワープリンセス》

  • 縦置きされた2コスト帯のフォロワーに対し、進化を使わずに除去ができるカード。

  • コンボを持つカードであるが、本質である除去効果はコンボに必ずしも依存しないため採用。

  • フェアリー生成能力により、隙間の1コストを埋められる。

 《マーベラスサンデー》

  • 回復は大切。リーサルターンをずらして終盤に持ち込みたい。

  • 序盤のパスはそのまま死につながる関係で低コストの数は一定数確保したいので3枚。

《大魔法の妖精・リラ》

  • 【童話エルフ】というアーキタイプの代表カードその1。

  • 使用方法は元来の【童話エルフ】と大筋は同じであるが、《ハンプティダンプティ》の進化による全体除去があるため、相手の2面展開などの少数枚展開に対して使用する。詳細な使用方法は基本的な戦い方で紹介する。

《ハンプティダンプティ》

  • このデッキの主役であり、【童話エルフ】の救世主。

  • 《大魔法の妖精・リラ》とは異なり、盤面を処理しつつ相手のライフを削ることができるため、童話エルフの欠点であった打点不足を解消している。《ビューティ&ビースト》の召喚+強化に計7コストかかるため、「3コストの全体除去」である意味も大きい

  • 【卵ビショップ】とは異なりこのカードを墓地から使いまわすことはないものの、長期戦になった場合に《ハンプティダンプティ》の進化後を全て使う場面が多くあったため、進化後も3枚採用。

 《不思議の探究者・アリス》

  • このデッキの起点の1つ。《森の音楽隊》同様、プレイできる場合は最優先でプレイしたい。

  • EXに置くカードの優先順位は《森の音楽隊》の項を参照。

  • このカードが《森の音楽隊》と自身の進化時効果でサーチできること、EXにリソースを貯めることがこのデッキの主目的の1つであることから、【卵ビショップ】に倣い進化後も3枚採用。

 《サイレンススズカ》

  • 貴重なダメージソースであり除去札にもなる。

  • 《大魔法の妖精・リラ》《ハンプティダンプティ》を警戒して1体展開をした時の返しとして優秀であるため、進化後は2枚採用。

  • 多少無理をしてでも中盤で5点詰めておくと、終盤のトップの受けが広がる。《大魔法の妖精・リラ》などの「安定択」を優先したくなる気持ちをぐっと抑え、その後の展開を検討する。

《ローズディアー》

  • 《薔薇の一撃》生成カード。爆発前に置けてると嬉しい。

  • 対《ナリタブライアン》《ダークドラグーン・フォルテ》用カード、《ハンプティダンプティ》 or 進化して4/4以上になるフォロワーと合わせて使用する。

《ビューティ&ビースト》

  • 【童話エルフ】というアーキタイプの代表カードその2。

  • 6コスト 5/7 (疾走) (オーラ)というスタッツを進化を行わずに達成できることは脅威的である。特にDEF 7のという値は《ハンプティダンプティ》進化時効果のダメージに耐える値であり、《ハンプティダンプティ》の有無にかかわず柔軟な展開が可能である。

 ●不採用カード

《クリスタリアプリンセス・ティア》

  • コンボ前提であり、ゲーム展開の途中で手札を0枚にする構築と相性が悪い。

  • 生成されるトークンが採用率の高い《エイシンフラッシュ》で消滅する。

《エイシンフラッシュ》《ローズガーデンキーパー》《クリスタリア・リリィ》

  • 非童話であること。

  • 序盤からテンポを取ってライフを削る方針ではあるが、プレイしたいターン(後手3ターン目or先手4ターン目)が《不思議の探究者・アリス》と重なっている点が大きなネック。除去自体は《大魔法の妖精・リラ》《ハンプティダンプティ》などがあり、他のターンではプレイしたくない。《不思議の探究者・アリス》を引いていないケースのカバー要因としてのメリットだけでは、他のカードを追い出すことはできないと判断した。

 《卵の大爆発》

  • 《森の音楽隊》でサーチできない。

  • ビショップクラスのようにデッキから直接サーチしたり、墓地から回収もできないため、効果的なタイミングで発動できる可能性が低い。

 ●採用できそうなカード

 《ベルエンジェル》

  • 苦手な疾走フォロワーに対してライフをキープできる。

  • 《ハンプティダンプティ》との相性がいい。

 《ラプンツェル》

  • 童話フォロワーであり、守護を持つ体力5のフォロワーである。

  • 先行かつ、相手が《エイシンフラッシュ》《ローズガーデンキーパー》を持っていない場合に強力な動きになる。

 《エンジェルスナイプ》

  • 《ベビーエルフ・メイ》に近い働きが期待できる。

 《〔徹底管理主義〕樫本理子》

  • 6ターン目に引けていた場合に効果的に使えるケースが多い。

 《アーチャー》

  • 盤面をとる必要性が高い対面が環境に増えれば検討に値する。

■基本的な使い方


以下、基本的なデッキの使い方になります。ここだけ読んでも使えます。

●基本的な方針

  • 先後選択は基本的には先手。ただし、後手でも勝率はそう大きくは変わらない。

  • 序盤はアグロ、中盤はボードコン、終盤はバーンデッキとして振る舞う。

  • 《ビューティ&ビースト》疾走や《ハンプティダンプティ》を重ねたり、組み合わせたりして〆

1~4ターン目:

 弱いアクションになってしまう場合も基本的には場にカードを出すことを優先し、カードの温存は避ける。
 先手の4ターン目(後手の場合は3ターン目)で《不思議の探究者・アリス》を進化させることを意識する。相手の場に1体フォロワーが居ても、その後の《大魔法の妖精・リラ》や《ハンプティダンプティ》に任せる。
    
5、6ターン目:
 《大魔法の妖精・リラ》や《ハンプティダンプティ》で盤面を空にする。相手の動きが緩ければ手札から《ビューティ&ビースト》を置いてアクトせずにターンを返すことも選択肢として考える。

7ターン目~:
      基本は場の処理を優先し、《ビューティ&ビースト》を起動効果込みでプレイしていく。《ハンプティダンプティ》は場に少しでもリソースがあり、相手の場にフォロワーがあるなら気軽に進化する。

●キープ基準


◆キープを肯定する要因(おおむねキープ貢献度が高い順)
《森の音楽隊》
 1枚でキープを検討するほぼ唯一のカード。
 流石に他が《ビューティ&ビースト》や2枚以上の《ハンプティダンプティ》などならこの限りではないが、可能な限りキープを検討する。

《エンシェントエルフ》
 何らかの1コストのカードがあればキープを検討する。
 他に2コストがなく、1コストのカードがフォロワーの場合、除去1枚で2ターン目の動きが消える可能性があることは考慮する。

《マーベラスサンデー》
 キープ貢献度は《エンシェントエルフ》ほどではないが、《森の音楽隊》《収穫祭》《シンコウウインディ》がいればキープする。
 《歌劇姫・フェリア》+このカードの場合(他は3コスト以上)、他に何かキープを肯定する要員がなければマリガンする。このカードだけで積極的にキープすることはない。

《不思議の探究者・アリス》
 音楽隊と同レベルの1枚キープ基準だが、1~3ターンのうち2ターン分が空白になるようならマリガンする。そう強くはなくても1~3ターンに使用できるカードが複数あるならキープする。
 《森の音楽隊》や《シンコウウインディ》など、次のターンのアクションを見つけられるカードがあるなら1枚でもキープだが、その場合初手に重い札が多いことになるのでリスクもある。

《シンコウウインディ》
 1ターン目のアクションとして優秀ではあるが、1枚でキープ基準にはならない。他に2コストがいればキープを考える。

《フラワープリンセス》
 《歌劇姫・フェリア》+このカードだけではキープしたくないが、他に1、2コスト帯のカードが引けていて、1~3ターン目を滑らかに回せるならキープを考える。

《自然の導き》
 《収穫祭》や《森の音楽隊》と合わせて序盤の動きとして悪くない。(《森の音楽隊》があるならキープする)
しかし、《不思議の探究者・アリス》がなく、他の低コスト帯もないなど1~4tで空白ターンが複数発生する場合はマリガンする。

※《大魔法の妖精・リラ》はキープを肯定するカードではありません。使いたいターンが基本5ターン目以降なので《ローズディアー》よりも重いカードと思ってください。

◆キープを否定する要因
《ハンプティダンプティ》
 複数枚あるとほぼ負ける。残り2枚が《森の音楽隊》+《エンシェントエルフ》でギリギリ許容されるくらいだと考える。

《ビューティ&ビースト》
 1枚なら面倒を見られるが、初手に1枚あるということは2枚目以降を引くリスクもあるし、《森の音楽隊》や《不思議の探究者・アリス》がヒットしにくいということでもある。可能ならマリガンする。

■プレイ指針の詳細+α

ここからはデッキの細かいプレイ指針です。
基本的に環境最大手の【ダスカウオッカウマ娘】(以降は【ウマ娘】と表記)を相手として想定しています。

●序盤

  • 1~3ターン目のうち計2ターン分をパスするようでは勝てない。なめらかに動くことをとにかく意識する。

  • 1ターン目に《森の音楽隊》とフォロワーの両方がある場合、原則はフォロワー >《森の音楽隊》の優先度になる。《フラワープリンセス》がある場合でも、除去効果を使えるタイミングが遅れるが、2点のライフダメージの方が大事になる。

  • 1コストアミュレットとフォロワーに加えて《エンシェントエルフ》がある時は2ターン目の《エンシェントエルフ》の価値は高いので、例外的に除去リスクのないアミュレットから入っても良い。

  • 対【ウマ娘】の後手で相手の盤面にフォロワーがいなければ、後手の2ターン目に《エンシェントエルフ》を進化して4/4の状態で妥協して出す手もある。3/3棒立ちで進化権を残す方が最大値は高いが、《おどれ・さわげ・フェスれ!》1枚で処理されるリスクがある。
    以上を考慮しても《森の音楽隊》や《収穫祭》を再利用しないと手札が回らない場合などはリスクを覚悟で進化せずに3/3残しも検討する。

  • ppを無駄にするくらいなら収穫祭を割るケースもある。基本は卵後に使いたいが、次のターンの動きに自信がないなら1ドローを狙う手もある。

  • 最序盤の《森の音楽隊》で《フラワープリンセス》と《大魔法の妖精・リラ》が捲れた時は《フラワープリンセス》を優先。カードパワーは《大魔法の妖精・リラ》の方が高く、他に次のターンの動きが保証されていたら《大魔法の妖精・リラ》でいいが、それが十分でないなら手堅く《フラワープリンセス》を選択する。

  • 【ウマ娘】ミラーでは序盤の2/2や3/3は無理に殴らず縦置きを維持するというプレイングがあったが、このデッキでは殴り返しの可能性があっても原則ライフを詰めに行く方針をとる。最終的にリソースを直接ライフダメージに変換するように戦う方針や、こちらの除去が大ぶりなことが理由。

※いわゆる「上踏み」を必ずしも恐れないとも言い換えられます。その背景にはやはり《ハンプティダンプティ》の存在があり、「1枚分のリソースを後生大事に抱えていても無意味になりがちである」「ライフを詰めておくことに大きな意味がある」デッキだからです。時には目先の1点も重視してみてください。

●中盤

  • よほど圧のある盤面を相手に作られているのでなければ《不思議の探究者・アリス》進化を優先する。盤面に影響を与えられないカードだが、デッキの中心であるため石に齧り付いてでも後手3ターン目や先手4ターン目で進化を狙う。そのために1-2コストのカードを多数採用しており、5ターン目に《大魔法の妖精・リラ》で盤面を取り返せるようにしている。

  • 特に【ウマ娘】相手では、進化後の《不思議の探究者・アリス》は積極的に相手フォロワーに当たりにいってok。縦置きしても生き残らない環境であるため。

  • 《大魔法の妖精・リラ》は2体以上のフォロワーを破壊できる時に使いたい。しかし、ライフレースになる終盤使いどころがなくなるケースもあるので、《ハンプティダンプティ》の溜まり具合や相手の《ナリタブライアン》処理に苦労しそうな場合には早めに使う。

  • 6ターン目の「ダスカウオッカウオッカ」を《ベビーエルフ・メイ》+《ハンプティダンプティ》で取れることは頭に置いておく。このことを想定して《ベビーエルフ・メイ》は1コストのカードでありつつも中盤に手札に持っておくケースがある。

  • ライフを5点削る恩恵はあまりにも大きいので、可能な限り後手5ターン目や先手6ターン目のスズカ進化は狙っていく。《大魔法の妖精・リラ》の2面処理とどちらがいいかは自分のライフ状況と共に常に考える。

  • 相手の展開が緩ければ、6ターン目に《ビューティ&ビースト》をプレイすることも検討する。相手の除去を【オーラ】で防げるのは強力。【ドラゴン】相手のみ《変化する魔術師》のリスクがある。

  •  《ローズディアー》で《薔薇の一撃》を1枚でも貯められているとありがたいが、【ウマ娘】相手は終盤に《ローズディアー》+進化フォロワーで《ナリタブライアン》を処理する展開があるので無理して使い切ることはしない。

  • ライフレースのためには多少リスクを取ることも必要になる。
    例えば、《ハンプティダンプティ》が複数残っている場合、《大魔法の妖精・リラ》で盤面を処理できる場合も早めに《ハンプティダンプティ》進化をするケースもある。リソースよりもライフを狙うパターンも考える。

  • 終盤に持ち込むことが重要なデッキなので、終盤に引き込むことを意識する。
    (ライフを詰めるデッキではあるが、無理に中盤で押し切る必要はない)

●終盤

  •    【ウマ娘】相手の場合一番警戒するのは《ナリタブライアン》。こちらが得意とする《大魔法の妖精・リラ》や《ハンプティダンプティ》での一掃がしづらくなるので、6、7ターン目から8ターン目に《ナリタブライアン》が出た場合どうするかを考えながら進める。具体的には《ローズディアー》の温存や、盤面に最低限の打点を残しての《ビューティ&ビースト》突進など。

  • 10ターン目に《ハンプティダンプティ》進化+《ビューティ&ビースト》疾走は理想的な動きだが、9ターン目に同じ組み合わせで発生する8点でも十分なケースはある。検討を忘れない。

  • 《ハンプティダンプティ》進化後など余ったppで《フェアリー》や《歌劇姫・フェリア》などを適当に出すべきかは一考の余地がある。
    特に【ウマ娘】相手では《ナリタブライアン》の処理や、ライフを詰めたりと置くべきケースは多いが、相手の《ダイワスカーレット》《ウオッカ》が、3枚スペル使用から疾走しやすくなるケースもある。後者の疾走パターンで負ける/走られなければ《ハンプティダンプティ》や《ビューティ&ビースト》で勝てる場面ではppの無駄を覚悟で出さないケースもある。ただし相手の手札が少ない場合、走られたら負けるケースでも無理して並べることを選択肢に入れる。

  • 【エルフ】の基本テクニックとして《ローズディアー》や《サイレンススズカ》をバウンスして再利用するパターンは選択肢として考えておく。

●おまけ

重箱の隅をつつくような話で恐縮ですが、定期的に発生する「先手2ターン目《スペシャルウィーク》に対する後手2ターン目の《エンシェントエルフ》はどう配置すべきか問題」に関する考察も置いておきます。少しでもご参考になれば幸いです。

◆前提
後手1ターン目 何か(《森の音楽隊》やフォロワー)を設置
先手2ターン目 《スペシャルウィーク》
後手2ターン目 《エンシェントエルフ》召喚。何かをバウンスして3/3

以下、選択肢
※相手が《おどれ・さわげ・フェスれ!》を持っている場合、どの選択肢を選んでいても解決されるため、ここでは無視します。

1)epを使って進化4/4でアクト

メリット

  • ライフを温存できる。

  • 先手3ターン目《スペシャルウィーク》でアタック+《見習い魔女と長い夜》や、《スペシャルウィーク》進化+《あなたにささげる》などで相打ちする択に誘導することで、相手に先3の強い動き(《イクノディクタス》など)をさせない。

デメリット

  • 盤面が更地、ライフ20-20で後手3ターン目を迎えるため、ライフで押せない。

  • 相手も実は理想的な先手3ターン目の動きが少ないデッキなので、《イクノディクタス》がない場合、本来は浮いていたターンで効果的なアクションを許してしまっている。

2)epを使って進化4/4でアクトしない
メリット

  • 殴り合って16-18となり、ライフレースで先行できる。

  • 殴った後も4/4守護が残るため、相手は4/4の処理に《スペシャルウィーク》+αを使用することになれば結局ライフをただで先行したようなもの。

デメリット

  • 相手が先手3ターン目に《イクノディクタス》を縦置きし、それに対してこちらが《不思議の探求者・アリス》進化。《エンシェントエルフ》が攻撃するといった展開になった場合、相手に《エイシンフラッシュ》をだされると盤面が2-0になり、ライフレースも逆転される。後手4ターン目にこの展開を返すのは難しいため、盤面がやや不利になってしまう。

3)進化せず3/3でアクトしない
メリット

  • 次ターン5/5ができる。この対面での5/5守護は強く、《マルゼンスキー》以外で効率的に処理できない(《エイシンフラッシュ》でも横をバウンスしながら倒すことはできない)

  • バウンス回数が1回増えている。《森の音楽隊》や《ベビーエルフ・メイ》がいる場合はこの差が大きい。

  • 1のパターン同様、相手は除去に回った場合に理想の先手3ターン目の動きがとれない。

デメリット

  • 進化権の関係で次ターンに《不思議の探求者・アリス》を引いても両立できない。

  • 先手3ターン目《アグネスタキオン》+《見習い魔女と長い夜》や《スペシャルウィーク》出走+《見習い魔女と長い夜》など、他の2択では発生しない裏目が大きい。

◆結論
正解はないが、選択によってその後の展開はけっこう変わる。自分と相手の手札状況(《不思議の探求者・アリス》がいるかいないか、《スペシャルウィーク》で何が捲れたか)にもよるが、意志を持って選択すべき。

●+α(【ウマ娘】以外の対面での意識)

対【ドラゴン】

◆前提

  • 相性として有利とも不利とも付かない印象。制限カードである《神龍》が進化する場合に大きく不利が付く。

  • 【ドラゴン】クラス自体は序盤のアグロ的な展開に弱いため、盤面を取るよりはライフを優先する意識で序盤は動くべき。また、守護フォロワーは少ないため《ビューティ&ビースト》の疾走が他のアーキタイプよりも通りやすい。

◆キープ基準

  • 基本的に対【ウマ娘】などとあまり変えないが、1コスト+《エンシェントエルフ》が引けているならかなりキープを考えたい。【ウマ娘】とは違い、序盤の4/4,5/5を取る手段が少ないため。

◆回し方

  • 対【ウマ娘】と違い、面で展開するデッキではないため《大魔法の妖精・リラ》は7ターン目以降に使える状態になっていれば良い。(7ターン目以降は《オグリキャップ》や《インペリアルドラグーン》等の体力の高いフォロワーが出てくるので、対処カードとして必要になる)

  • 《ダークドラグーンフォルテ》等の疾走フォロワーを防ぐ手段は無い。その分《マーベラスサンデー》や《収穫祭》等のライフ回復手段は積極的に使用する。また、相手を走りづらくするために、こちらが積極的に盤面で押すことも意識する。

  • 《ビューティ&ビースト》は出来るだけ体力9以上にしてプレイしたい。《ヘルフレイムドラゴン》2枚で処理されると勿体ないので、3枚要求を目指して運用する。2枚目の《ビューティ&ビースト》が手元にある場合はこの限りではなく、早めに場に送り出しても構わない。

  • 全体除去を受けてもいいので、とにかく場にフォロワーを並べる。《ダークエンジェル・オリヴィエ》等のカードが強く使えるターンを渡さないようにしたい。

【より相性を改善したいなら?】

  • 《ラプンツェル》を採用し、《ヘルフレイムドラゴン》1枚で処理できない守護として運用する。

対【ヒーローロイヤル】

◆前提

  • 原型である【童話エルフ】時代の相性は明確に不利という印象。

  • (それだけで急に相性が改善するほど甘いものではないが)新たに加わった「卵」の部分を活かして戦うべき。

◆キープ基準

  • 基本的にはここはいじらず、大筋は対【ウマ娘】などとあまり変えない

  • 《ベビーエルフ・メイ》の優先度を上げる。《マーベラスサンデー》や《自然の導き》、《エンシェントエルフ》と供に引けている場合には特に肯定的に捉える。

  • 卵を活かすとは「初手から卵を抱える」ことではない。

◆回し方

  • 【ヒーローロイヤル】は面押しデッキだが、それでも先手4ターン目や後手3ターン目の《不思議の探究者・アリス》進化が出来るときは進化する。

  • 中終盤の《レオニダス》は原則ケアしない。もちろん盤面やライフに余裕があって押している展開なら《ビューティ&ビースト》単体縦置きを狙うが、そうでないときに無理に「殴らずエンド」はしない。「相手の残っている手札がすべて疾走だったら…」のような裏目を考えすぎても仕方ない。

  • 《鉄壁のガードナー》+《レオニダスの遺志》で体力6点ラインの守護が置かれるケースがある。腐りがちな終盤でもメイの価値が生まれることがあるので、余裕があれば温存する。

【より相性を改善したいなら?】

  • 《収穫祭》→《自然の導き》に変更。

対【卵ビショップ】

◆前提

  • 原型である童話エルフ時代から「わかりやすく不利ではなく、かといって有利でもない。あんまりやりたくない対面だと互いに考えている」という印象。

  • 《ビューティ&ビースト》が体力7であることを活かしたゲームプランを取りたい。

◆キープ基準

  • 大幅な変更はしないが、手札に《ビューティ&ビースト》が居てもそこまで悲観しなくても良い(積極的にキープしたいわけではない)。

  • 《収穫祭》や《ベビーエルフ・メイ》の優先度は下げる。

◆回し方

  • 固定パーツはあるが、除去の枚数や種類にかなり個人差があるので、可能な限り型を見定める。《エンジェルスナイプ》《烈火の魔弾》《鉄槌の僧侶》《ジャンヌダルク》《破邪の光》すべてを採用することはできないので前後のターンからある程度は採用カードを想像する。

  • 序盤からライフを詰める力はこちら側の方が高いので積極的に横並べする。互いに卵を抱えるマッチアップなので、どうせすべてのリソースを効果的に使い切ることは現実的ではなく、1対多交換も恐れない。

  • 《大魔法の妖精・リラ》の価値は相対的には低いので《森の音楽隊》や《不思議の探究者・アリス》で見えたときの優先度は低め。

  • 《マーベラスサンデー》のライフ回復効果の価値は高いが、他にとれる選択肢があるときに盲信的に選ぶほどではない。アグレッシブな選択肢と常に比較する。

【より相性を改善したいなら?】

  • 特になし。

上記以外は【ウマ娘】対面と変わらない指針でプレイしています。

■デッキ変遷

 ここからはデッキ内容の変遷です
 1/10時点
 

 version1
 https://decklog.bushiroad.com/view/1ZA7A
 初期型。当初は《ハンプティダンプティ》進化時効果で手札を失った後、デッキトップから引いた疾走を相手に叩きつけることだけを目標としていた。


version2
 https://decklog.bushiroad.com/view/6YBCC 
 まず真っ先に《古き森の白狼》が抜けた。これはほぼ無意識の変更だった。一方、《エイシンフラッシュ》はそれぞれ強力なカードだが、まずは思考実験的に、《ハンプティダンプティ》に特化する(=3枚採用する》ことが可能かを試す意味で意識的に外した。


version3
    https://decklog.bushiroad.com/view/3T49W
《はやい!うまい!はやい!》の枚数を大きく減らし、序盤の展開を支える《フラワープリンセス》《マーベラスサンデー》を採用した。

 1/11時点


 version4
    https://decklog.bushiroad.com/view/178SU
 2コストフォロワーの枚数を増やすため、《はやい!うまい!はやい!》《自然の導き》を採用外に、当初盤面に残せるリソースとして重要視されていた《収穫祭》の枚数を減らした。

   1/13時点


 version5
   https://decklog.bushiroad.com/view/30QGQ
調整メンバーのひとりが店舗大会に出場。【卵ビショップ】と異なり、《卵の大爆発》を十全に活かせないことを痛感した。序盤の動きを重視し、《ローズディアー》も減量。

  1/16時点


  version6
  https://decklog.bushiroad.com/view/6L4FA
《〔徹底管理主義〕樫本理子》はデッキにフィットしていたが、6ターン目に使いたいカードは多く、泣く泣く不採用に。2ターン目以降いつでも使いやすい《自然の導き》をin

  1/29時点


 ほぼ最終版
  https://decklog.bushiroad.com/view/5ERQ2
アグロデッキを想定し、《ベビーエルフメイ》を3枚に。《自然の導き》の2枚目をとるか、《収穫祭》を1枚とるかは好みが分かれた。

以上になります。使っていて楽しいデッキなのでおすすめです。
デッキ作成担当の大根さん、主に調整してくれたsoraさんには多大なる感謝を。
最後にversion1が出た時のやり取りを載せて締めとさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
  

当noteに使用しているカード画像は、Shadowverse EVOLVE公式サイト(https://shadowverse-evolve.com/)より、ガイドラインに従って転載しております。該当画像の再利用(転載・配布等)は禁止しております。© Cygames, Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.


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