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ピアプロリンク申請と運用のこと【ピアプロリンクなにもわからん方にも】

改めて色々とピアプロリンクが話題になっているので、嬉しくなって記事を書いています。
ピアプロリンク大好きマンです。(毎度ピアプロリンクを申請してイベントやグッズを製作しているファンです)ピアプロリンクはいいぞ!

プロセカから同人誌を作る人など知らない方にも向けて、ピアプロリンクってそもそも何?怖くないよ、簡単にQRコード取れるよというところから説明していきます。

ピアプロリンクは申請と受理

規約を読んでもわかりにくいのですが、ピアプロリンクは規約の範囲での「申請と受理」であってなんでもOKな公式の許可ではありません。
登録は概要のため、受理したが後から詳細がわかったら規約外だった、ということがあるからです。
同人イベントのサークル登録みたいもので、概要を把握して、実際に問題があればチェックできるように&連絡できるようにしておいてね。という雰囲気が近いです。

なお受理された後であっても、実態が違うなど問題があれば登録した連絡先にピアプロさんから連絡が来ます。
(連絡があり、問題に対処できないと規約上取り消しもあります。変更点があれば登録を修正しましょう)

元々、これはOKですか?あれは違反では!みたいな問い合わせが相次いでクリプトンさんが対処仕切れなくなったので、うちがOKなのはこの範囲!と示したことから発祥した申請と受理システムです。

なおpiaproピアプロリンク利用規約PCLキャラクター利用のガイドラインなどは基本『創作を応援する』ために作られ、運用されています。
(これらは色んなインタビュー記事や、クリプトンブログで設置意図や目的が語られています)

ピアプロリンクを取得しない(出来ない)同人活動とは

現実として、ボカロ同人(規約文ではピアプロキャラクターズ二次創作物)でピアプロリンクを申請受理されているものは、一部です。
(ちなみに無償配布、無償の非営利イベントはピアプロリンク申請がいりません)

なのでプロセカでバチャシン含む同人も、ピアプロリンクがないと絶対創れないというわけではありません。
でも取れるなら取った方がいいので、出来れば取得チャレンジしてみてくださいませヽ(´▽`)/)

規約範囲内であれば確実にOK。
そうでなければいわゆる一般的な同人活動と同じ、
リスクを負って、いわゆるグレーゾーンで同人誌やグッズを作っていることになります。

もちろん公式画像を使って有償頒布を行ったり、企業が営利目的で海賊版を作ったりなどは出来ません。公式と誤解されるような頒布もしないでくださいね。このあたりも通常同人と同じです。

ピアプロリンク規約は、著作権法上はダメな範囲にクリプトンが用意したセーフゾーンです。これはプロセカのガイドラインなどにも受け継がれています。

ピアプロリンクは規約上、二次創作を有償頒布するなら取得してねというもの。
例えばページ数が確実でなくとも、その時点での内容や予定頒布価格、数でも申請出来ますので、申請できる時は是非してみてくださいね。QRコードついてるの、楽しいですよ!
(受理後でも頒布価格や部数に変更があれば、その都度登録情報を修正できます)

できれば、受理されないもの(禁止事項)は申請しないであげて欲しい

いわゆる、公式に許可を求めるな問題です。
規約上受理できないものを申請されても、ピアプロ担当者は申請却下しかできません
代表的なものは18禁同人誌です。規約のないジャンルが「こっそりやってね」であるように、ボカロ同人も規約上受理できないものは基本「こっそりやってね」ということです。

ただ、これは実際何度も申請してみるとわかりますが、現在は殆ど却下時に「この点が問題で受理できないよ。受理するならここを改善してね」と再申請できるように担当者が伝えてくれます。そのためどこがダメだったのかを知ることが出来ます。

また委託通販や工場からの直送式通販も受理できない規約になっています。
私もこの点は実態と合っていないので改善されないかなーとは思っていますが、海賊版対策のため(特に工場式は他人の画像を登録して発送のように、Amazon海賊版業者的なことが出来てしまう)、今は仕方ないかなとも思います。

なお私が多数申請と問い合わせをしてきた体感では、本当にダメな時は、こういうのはちょっとやめてください…とちゃんと言ってくれます
絶対に受理出来ない場合も、規約のここに抵触するので受理出来ませんと伝えてくれます。
基本的には、受理出来るように一緒に考えてくれます。
(ご担当者の方、何度も問い合わせにご返答いただき本当にありがとうございます)
なので不備があって落とされた場合、指摘点を改善すれば大体受理されます。

ピアプロリンク利用規約の改正

私が関連ツイートで「改正」とのみ言っているので誤解を招いたかもしれませんが、ピアプロリンク規約はいずれも時代やユーザーニーズに合わせて寛容になる形での規約改正をしてきています。
新たに取り締まったり、厳しくしているわけではありません。クリプトンさんはクリエイターを応援したいメタクリエイター企業です。
(マジカルミライはルールが増えていますが、あれは現地での快適なライブと安全のためなので創作応援のピアプロ規約とはまた別。共催で東京MXさんがいるのでマジミラは複雑です)

対面頒布のみだったのが、通販(自宅通販)を解禁したり、データ頒布DL頒布がOKになったり。YouTubeの利益化OKになったり
また追記されているのは、わかりにくい部分、問い合わせが多くて回答できる部分を書いてくれているものです。

現状規約で既にダメなことはダメと書いてあって、その上で黙認して運用している状態なので、特に規約を改正や追加しなくても運用出来るのです。
実際、目に余るような場合にはクリプトンさんから連絡があったりするようです。
(私が目にしている限り、ここを改善してくださいねと指摘されて改善、その後ピアプロリンクを取得して実際の頒布に至ったこともある)

クリプトンさんは基本的に優しいのと、創作者をなるべく大事にしてくれています。ありがとうございます!
その分、もし公式からダメだといわれることがあれば、どうかそれは尊重してくださいね

規約と運用の実態

ピアプロリンク規約には大量のNG事項があります。代表的なものは18禁二次創作、委託(虎とかメロン)、工場直送式通販、キャライメージ棄損などです。

なおSEGAさんのDIVAや可愛いミクダヨーさんも、正確にはピアプロリンクは申請受理出来ません。
(全ての権利者の許可がある状態で申請しないといけないので、実際にSEGAの許可を取るのは不可能=申請自体が本来出来ないため)

ただ実際には初音ミク黎明期から世間には成人向け同人誌があふれ、DIVA二次創作やコスプレは人気で、委託通販があり、現在では工場直送式の通販をやっているサークルが無数にあります。
なんならDIVA含まれてもうっかり申請受理されることもあります(クリプトンとしては、許可を得てから申請している筈なので)

二次創作物の有償頒布(利益の有無でなく、お金をとって頒布する全て)は、ルール上はピアプロリンクが必要ですが、申請している人の方が少ないくらいです。

たとえばボーマス(ボカロ系同人即売会)だけでも、ピアプロリンク規約外の創作は沢山ありますが、現状クリプトンさんはあまりそれらを取り締まっていません。
わかりやすいところでいえば、エロ同人誌を委託通販しているイラストレーターさんも公式絵師として仕事を貰ったりしていますし、クリエイターズマーケットでCDと共に売られるグッズでもピアプロリンク未取得のものがあります。

これらの運用は、創作をなるべく応援したいという企業姿勢によるものです。
(運用なので、いつでも変わる可能性はあります。10年以上「初音ミクIPを守る」「その範囲で創作を応援する」スタンスは変わっていませんが)

いつでも取り締まりできるが、普段はあまり取り締まりしないという意味では、道路交通法などに肌感覚が近いかもしれません。
(多くの車は多少の速度違反があるが、全員は捕まえないみたいな)

通常企業は『コンテンツを守るため』に規約やガイドラインを設定します。企業利益と自社IPを守るのは当然だからです。
クリプトンさんは『コンテンツを守る』『クリエイターの創作を応援する』『音楽文化を促進する』目的としています。(メタクリエイターとして創作の裾野を拡げたい企業。この辺りは是非伊藤社長のインタビューやスタッフ講演をお聞きください。ピアプロTVもあります)

このスタンスが寛容さや今の運用に繋がっていますので、その分ファンや創作者側も感謝と寛容さを忘れずにいられたらと思います。

規約でいう「営利」とは何か

これはすごく難しい問題で、突き詰める(明確に線引きされる)と密告合戦となり、本当に誰にも良いことがありません。クリエイターが死んで創作が減るだけです。どうか公式に凸して「幾ら以上なら営利なんですか!」みたいなのを訊かないでください。
クリプトンさんも企業としてはおそらく答えられないので……。
「これはダメなのにこれはいいのはおかしい!」なども同じです、返答出来ないことを聞かずに『これを解禁してください』と要望を出す方がいいですし、どうしても不味そうなことがあれば『このような状況です』と伝え、あとは権利者判断に任せましょう。

元々は「同人誌の原価程度で利益がない状態=非営利」だった頃の規約です。規約には矛盾や不備、時代に合ってないことは沢山あります。
まだグッズ(立体物)は一般的でなく、CDと同人誌主体だった頃に制定しているので、元はプレス費用や印刷費程度が原価でした。

ただ現時点では
・DL頒布OK(印刷費がないDLの原価とは?)

・個人事業主含めて、YouTube利益化や、fanboxなどの支援系OK
(生計なので営利ともいえてしまう。厳密には支援系は社長ツイートでの見解による肯定

・手工業で技術が必要なものが、原材料費でなく労力を加味したお値段でピアプロリンク受理され続けている
(個人的にはあみぐるみ類の値付けは安すぎるくらいだと思っています)

※2022.05.08時点

つまり運用として、原材料費とイコールではなく、労力も含めてある程度であれば「非営利の同人」とされている感じです
クリエイター利益をなるべく還元したいというのもあるのでしょう。(これは伊藤社長が繰り返し講演などでいう、クリエイターはちゃんと報われて欲しい的な企業スタンスです)

今は明確な線引きがなく、何が営利で何が非営利かは権利者が判断している状況です。
イベント交通費やサークル参加費は経費に含めていいのか、スタッフへの差し入れは?次回の印刷費に回す自転車操業は?機材購入費は?複数本を創って赤字と黒字がありトータル原価な場合は?など曖昧な点は無数にあります。(税法上の区分は出来ますが、権利者の見解がその区分を採用しているとは限らない)
1円も利益を出してはいけないと突き詰めると、本当にあらゆるクリエイターに良いことがないので、権利者判断にまかせ、あまり掘り下げない方が良いと思っています。
そもそも、大半の同人活動やイベント主催は赤字で運営しています。

なお思想や行動は自由な文化なので、突き詰めて全てグレーゾーンはなくすべき、明確に線引きされるべき、アウトなものは全駆逐すべきというスタンスであっても、問題はないと思います。
グレーゾーンを無くしてあらゆる規約が厳密に運用されるセカイ、おそらく創作が激減しますが(そしてクリプトンはそれを望んでいませんが)、それでもクリーンがいいというのも自由で、それがボーカロイドです。
ただ違う意見であっても出来るだけ、誰かに攻撃的になったり、叩き潰すのを目的にするのはやめておきましょう。
改善を求めるのは強い言葉でなくても出来ますし、より良い未来のためファン同士で議論して考えていくのは良いことです。ただ、ピアプロリンクはクリエイターや創作を潰す為にあるものではありません。
クリプトンさんがNGを出す時も『その件』『その形式』がダメであり、規約にそう形でのリトライは何度でも許してくれます。

(個人的には、私はDIVAの同人やコスプレがみたいですし、毒舌ミクさんやえっちなミクさんが無くなって欲しくはないです)

ピアプロリンクは楽しい

もっといえば、piaproは楽しいです。公式コラボなんかもpiaproでやっているので、良かったらユーザー登録してみてくださいね。最近は音楽とイラストだけでなく、テキスト募集もありました。
もちろんpiaproにエロは載せられないので、そちらはpixvになどの使い分けは必要ですし、ピアプロリンク規約はちょっとだけ面倒くさいです。

そう。ピアプロリンク規約を正直に守ると、かなり手間がかかります。(出来ないことや作れないものも増えます)
規約は元々創作を応援して、海賊版を否定し、キャライメージ、IPなどを守るためのものなので、クリプトンさんは目的に沿って運用しているのでしょう。

私はピアプロリンクが趣味なので出来るだけ守りますし、なるべくピアプロリンク申請しますし、大変ですが自家通販しますが、実態として全ての人類にそれを強制するのは無理です。
規約を読んでいる人も少ないです。
ピアプロリンクを誠実に守るためにはかなりの労力を必要としますし、労力が必要=気軽な創作ではなくなります。

私はクリプトン(会社の方)箱推しでもあるので、過去公式ブログ、10年以上堆積するネット記事、各種インタビュー、伊藤社長やwatさんのインタビューや各種講演、就活生向けの社内文化紹介その他Domingo諸々を読みつつ、ピアプロの理解について、長年問い合わせなどを繰り返したりしてきましたが、普通はそこまでしないし、しなくて良いのです。
(文献掘りたいオタクの所業は、こういったまとめ記事やボーカロイドと私に活かされています)
(クリプトンさん社内部活とか楽しそう。ピアプロTVお勧めです)

ユーザーとして出来ることは

まず第一に、ピアプロリンク規約キャラクター利用のガイドラインPCLを一度読んでみてくださいませ。
『なんもわからんことがわかった』でも良いのです。こういうのがあると知っていると、あれ?と思った時にきちんと読んでルール再確認が出来ます。
(ルール確認不足で誰かを責めたりもしなくて済みます)

それからできれば権利者を信じてあげてください
大量にピアプロリンク申請や問い合わせしているとわかりますが、クリプトンさんは親切だし、丁寧な企業です。担当者はなるべく、許容できる創作は許容していこうとしてくれます。
クリエイターに意地悪がしたくてこういった規約を作っていません。

安心して創作できる範囲を指定したいのと、見逃せない時に取り締まれるようにこれらの規約があります。

ピアプロリンク規約自体、そもそもが色んな矛盾をはらんでいます。(過去制定して、現在に合わせた運用をしているので)
クラファンと共同制作・有償頒布の差は何?とか(クラファンは現時点で基本ダメですが、これは規約にあるわけでなく問い合わせると見解として返ってくるので変更があり得るかもしれません)
18禁やゲスミクさんはアウトだから全て駆逐されるべきとか、営利は多少なりでも利益があれば営利だとか。
これらを突き詰めてグレーゾーンをなくし厳密な運用をすると、DL頒布はゼロ円になるし、数千部単位の大手が原価に合わせて値付けして、通常サークルの値付けが引っ張られるのは中々大変です。

ただ、創作のあり方を議論していくのは健全なので、どうあればよりよい創作界隈かを考えつつ、曖昧なものはある程度曖昧なまま残し、あとは権利者の判断に委ねるのが良いのかなと思います。

とにもかくにも、ピアプロリンクはいいぞ!楽しいぞ。
機会があれば申請してみてくださいねヽ(´▽`)/


↓関連記事(ピアプロリンク規約の成り立ちや、二次創作とは?みたいな内容。ピアプロリンク取得するための詳細も書いてあります。長文です)

※これらはすべて2022.05.08時点での話です。
※自分でクリプトンさんに問い合わせた内容などを元に執筆していますが、解釈や運用は変わる可能性があります。(委託通販などもニーズを伝えつづければ、いつか解禁されるかもしれない)


紅茶代、最近ハマりだしたコーヒー代、あとはカカオティ代になります。 大体お茶です。誘惑に負けるとお茶菓子になります。