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ふらっと沖縄②〈瀬底島〉

空港に着いて、真っ先にビーチサンダルに履き替えた。夏旅ではいつも履いている、なじんだ古い愛用品。冷房のきいた車内、足先に当たる冷たい風が心地いい季節。今夏がもう一回戻ってきた。

高速を降り、名護からさらに北上すると、瀬底大橋が見えてくる。海岸線沿い、助手席側にはずっと見たかったきれいな海が陽を照り返してきらきら光っている。これが見たくてここまで来た。嬉しい。ほんとうに嬉しい。


瀬底島、島というわりには、だいぶすぐそこな感じ。橋をちょっと渡って到着。民家も多そうで、観光地というより、丘の上の普通の集落といった印象。

砂浜まで歩いて下る。海が見えてわくわくするくだり坂。

道中でも、ここでも、ブーゲンビリアがたくさん咲いている。


瀬底ビーチ。
空も海も青い。砂に足をとられる感覚、久しぶり。波が高めで、波音も大きい。すっきりした潮の匂い。強い海風で、耳元がぼうぼうと鳴る。五感を全開にして、全身で味わう。観光客もちらほら。浜できれいな貝を見つけて、ポーチにしまった。

あまりに暑く、〈氷ぜんざい〉ののぼりに惹かれて、日陰のお茶屋さんで休憩。かき氷を待つあいだ、拾った巻貝をながめていたら

やどかり入り。慌てて砂浜に返却。形状的にとても動きにくそうだけど、いいのか…。「おしゃれは我慢」の精神、やどかり界にも。

氷ぜんざい、この暑さと風景とコンディションに、いちばんしっくりくる甘味だった。ふっくらあっさりと炊きあげられている自家製のあんこ、豆の甘味が伝わってくるくらい甘さ控えめ。けずりたての氷とのバランスが絶妙で、冷たくて、ほんのり甘く、乾いた喉が喜ぶ。写真を撮るのも忘れて、すいすいと完食してしまった。

店のおっちゃんはかき氷を出し終えると、たばこを吸いながら向かいの店に消えて行った。帰りしな挨拶にいったら、タクシーの運ちゃんとくつろいでいた。いい感じにこちらの力も抜ける、ゆるさ漂うビーチ。

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