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非トレンドの市民権

トレンドファッション。そのシーズンの流行とされる、ディテールや素材、カラー。百貨店・駅ビル・ファストファッション、価格帯にばらつきはあるものの、街中はトレンドアイテムを身につけた女性たちであふれる。

流行を追って服を着替えていくのは、とても素敵だと思う。クローゼットの新陳代謝がよくなって、わくわくする。纏う服で気分は簡単に変えられるし、新しい発見もあるかもしれない。服に合わせて、メイクやネイル、ヘアスタイルやアクセサリーをどうするか、組み合わせを考えるのも楽しいだろう。

ひとつ気になるのは、雑誌やSNSでも同じだけれど、
「流行っていないもしくは終わったもの=ダサい」
という煽られ方だ。
本当にそうだろうか、といつももやっとする。

普段からトレンドを気にせず好きなファッションを纏っていて、たまたま流行が重なってしまい、ブームが去っても変わらず着ているひとはダサいだろうか。

トレンドだし、ちょっと着てみようかなと思ったラインの服が意外と自分に合っていることを発見し、それ以来気に入ってリピートするようになる。それはダサいことだろうか。

早すぎる流行に置いて行かれまいと焦り、これはまだいけるのかダサいのか不安になり、服はあるのに着るものがない、と悩んでいる女性は、実は多いんじゃないのかな、と思う。
周りと比べることに慣れてしまい、いつのまにか、自分が着たいものより、浮かない服しか選べないようになったら、きっと楽しくないし、もったいないな、とも感じる。

トレンドファッションは「興味なんてなかったのに、勢いよく煽られて、こちらがその気になった途端捨てられる恋」みたいな切なさが残る。ちょっと違うけど似ていると言い切る。

トレンドは必要だけれど、そちらにさほど興味のないひとにも、やさしさというか、余地を残しておいてほしい気がする。
変に煽られても揺らがない、独自ファッションを既に確立できていればまた別だけれど、大多数、そういうひとばかりではないように思うのだ。


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