芸能事務所顛末に思うこと
もちろん性加害問題で大きく揺れ動く某有名芸能事務所の話である。
あえて名称は書かない。私はこのnoteの記事を長く残しておきたいので、事業を引き継いだ姪っ子が消すと決めて、周囲もこの名前を残さないと判断した意思を尊重したい。
その名前を見聞きするだけでおぞましい気持ちになる少年たち、元少年たち、そしてその家族たちにとって、名称が消えたくらいでその記憶を忘れられるものではないと思うが、少なくとも日々マスメディアに露出するそのカタカナが消えてくれれば、幾らかは生きやすくなるのではないか、生きやすくなってほしいと願う。
この顛末のなかで、テレビ局や企業各社は所属タレントの起用や続投についてどうするか判断を迫られている。
P&Gは早々に自社製品の広告に起用しているタレントの続投を発表した。事務所との契約を打ち切り、タレント個人と個人契約を結び直すとのこと。
ひらかたパークも「超ひらパー兄さん」を岡田准一のままで行くと選んだ。
私はこの決定に賛成する。
性加害はけっして許されるものではないし、性加害を見て見ぬふりをしてきた経営陣や、でかい看板に忖度してきたマスメディアの社会的責任は大きいが、所属タレント個人が事務所の看板のせいで仕事を剥奪されるのは筋が違うと思うからだ。
責任を負うべきは社会だ。タレント個人ではない。
タレント個人が仕事の中で得てきた個人的信頼を無碍にするのか、大切にするのか、企業もマスコミもそこを問われている。
私は〈個人との信頼〉を選ぶ決定を出した企業はエライ、と思うし、
事務所の経営陣が名前を消すと決めたのも、被害者たちへの配慮はもちろんだが、直接の被害者ではない所属タレントたちが事務所の名称のせいで二次被害の不利益を被らないようにするためのはずだ。
もちろん企業側がタレントの起用を止める判断も当然ありだと思うし、止めたいなら止めればいい。
ただし、止めるなら止めるで、判断理由の発表には細心の注意が必要だ。
企業としての信念や経営理念がそこに出る。
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