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小説家の魅力的なキャラの作り方、教えます

小説はキャラがすべてを決める、と言ってもけっして言い過ぎではありません。
誰がなにを考えて、どう行動したのか……。
その積み重なりが、物語の流れを決定づけるからです。

本当に心に残るクリエイティブな作品を思い返してください。
そこには魅力的なキャラが必ずいるはずです。

私の知るとある編集さんは、「キャラさえしっかり立てれる作家さんだったら、多少文章力が低くても安心して仕事が任せられる」と言っていました。

ところが、世の中にはこのキャラを上手に表現することに苦手意識を持っている方が多くいます。

・キャラが不自然になってしまう
・ぜんぜん動きがつかず、人形みたい
・勝手に動き出すという感覚が理解できない
・自分で読んでもキャラが平凡で、少しも面白みがない

これらの問題を解決する方法をご紹介します。

1.キャラが不自然になる原因と対策

よく受ける相談に、書いていてキャラが生き生きとしてくれない。
なんだか不自然になってしまう。というものがとても多いです。
いや、本当に多いです。相談の80%ぐらいがこのパターンです。

この原因は大きく分けて、3つに分類できます。

1-1 ひとつは描写力が足りてないケース。
これはもう練習あるのみですよね。
描写力については、いつか別の場所で答えたいと思います。

1-2 もうひとつは、作者都合でキャラを動かしている場合。

キャラクタが一人としての人格や性格を持っていれば、よっぽどの理由がなければやらないことを、イベント上強制させてしまうケースがみられます。

清廉潔白な人物が、なぜかお金を盗んだり、嘘をついてしまったり。
ここまであからさまなことは滅多にありませんが、理由をハッキリ提示せず、キャラを動かしていると違和感が大きくなります。
例の場合だと、誰かを人質にとられていて、已む無く、だったら納得できると思います。

1-3 最後のひとつは、作ったキャラの掘り下げが少ないことですね。
「ほとんど設定を考えていない」のが問題になる場合については、もーちょっと書く前に練り上げましょう。
あんまり考えずに書ける人もたしかにいる。
けど、あなたは「まだ書けない」人なんだから、真似しちゃダメ。

で、たまにいるのが、しっかりキャラクター表を作ったんだけど、ダメでしたってパターン。
一生懸命、びっしりと表を埋めてるんですが、活かせてないんですね。
これはあくまで情報を羅列して、キャラを作った気になってる場合が多いです。

身長、体重、スリーサイズ、年齢、技術etc...

生身の人間を、誰でも良いから考えてみてほしいのです。
そんなプロフィールだけじゃ人の魅力は伝わらないですよね?

人間味を出すために私が最低限これだけは考えてるよってのを紹介しておきますね。

・大好きなもの
・とても熱意を持っているもの
・譲れないもの(この一歩を踏み越えると、何が何でも反発し守ろうとするもの)

こういう信念とか、考え方のパターンとかはしっかり練っておくと、キャラの考えが分かって描写しやすくなります。
こいつはこういう性格だから、こう動くはずだ、と頭でイメージしやすくなるんですね。

2.キャラが自動で動くようになるには

不自然なキャラの動きに続いて、更にもう一歩上の段階に進んだ、この問題について紹介しましょう。

作家さんの中には、「キャラが勝手に動き出す」だとか、「思ってもいない方向にキャラクターが動いて、プロットと違う展開になる」といった話を聞くことがあります。
私などはプロットを考える時点で、キャラの動きを精一杯予想して、このキャラだったらこういう動きをするはずだ、と考えるので、大きく道を外れることはありませんが、プロットをカッチリと固めない作家さんだと、ままあることのようです。

このキャラが自動に動く状態、うまく使うことが出来れば躍動感があり、生き生きとした描写を書くことが出来るようになります。
これができるには、自分の扱っているキャラを深く知っている必要があります。
テキトーにできる人は、非言語化していない領域で理解しているパターンですね。

これを意識的にするには、「キャラクターとの対話」が必要になります。

キャラとの会話とは、本当に「あなた」と「キャラ」が話すことです。
イメージしにくければ、仮想AIと話すイメージでも良いかもしれません。

あなたがいろいろ質問し、キャラがそれに答えていきます。
質問に答えるキャラは、知らず知らずのうちに表面化していなかった理由も答えてくれます。

キャラクター表を作ると、
好きな色:赤
嫌いな色:青
といった記号になりがちですが、対話を行うと、

「どんな色が好き?」
「赤色かな」
「どうして?」
「アクティブっていうか、燃えるみたいっていうか」
「じゃあ嫌いな色は?」
「青は冷たい感じがしてあんまり好きじゃないな」

これでキャラの感覚が分かってきましたよね。
これはごく一部です。好きな食べものとか、嫌いな食べものを訊くことで、もしかしたら過去に食事にまつわる良かったことや嫌だったエピソードが分かるかもしれません。

NLPなどの技術を取りいれ、より深化させたい場合は、
・椅子を二つ用意してみる
・画面に人影を用意して、相手が話しているようにイメージしてみる

といった方法が使えます。
小説家じゃなくイラストを描ける人なら、実際に描いてしまうのも手です。

慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、一度習得してしまうと非常に有効な手法です。
慣れると、脳内プロットに対して「コイツはこう動くと思う」とかが分かるようになります。
これは、「こうイベントを動かしたいから、キャラをこう動かす」と作者のイベント都合でキャラを意図的に動かすのとは、まるで別物だと分かると思います。

3.魅力的なキャラのたった一つの条件

魅力的なキャラといっても、その性格は様々です。
可愛らしいなどのプラスの魅力もあれば、ものすごく強いキャラも魅力的です。

一つ忘れがちなのが、「すごく嫌なキャラ」も実は魅力があるということです。
『ハリーポッター』に出てくるスネイプ先生は、ハリーに意地悪ばかりする、出てくるたびにイラッとさせてくれる嫌なキャラですが、最後には評価が逆転してしまいます。

これらの一見するとてんでバラバラに思えるキャラの特徴のなかでも、共通しているのが「濃い」ということです。
キャラが薄いと印象に残りません。
すぐに忘れてしまうようなキャラは絶対に魅力的ではないのです。

さて、これで一つの解が出ました。
魅力的なキャラを作り際には、思っているよりも120%濃いキャラで出しましょう。

ちょっと強いキャラより、ものすごく強いキャラを出しましょう。
お金にちょっとだけケチなキャラよりも、1円が惜しいから賽銭箱に人生で一度もお金を入れたことがない! というようなキャラを出してみましょう。

「ちょっと強いキャラ」を出したいときは、魔法が一切効かないとか、別のベクトルで振り切れるように作るのも手です。

個人的に出るキャラすべてが非常に魅力的な作品に、古いですが『ダイの大冒険』があります。
敵も味方も全員が魅力的で、ちょっとしたサブキャラもすごく上手に作られています。

4.良いキャラが思いつけない時は

そうは言っても、魅力的なキャラを考えるのは難しい……。
そんな方もいるかもしれません。

そんな時には、リアルでも作品でも良いので、自分の魅力的だと思う人をモデルに出しましょう。
特に重要なのは、その人の本質的な魅力を真似することです。

「なんでこのキャラが好きなの?」という問いに、
「この人はこういうところが良いんだよなあ」と自然と答えられるところを真似しましょう。

けっして、表面だけを真似するのは良くありません。
特にセリフだけを丸パクリするのは興醒めです。

「今のはメラゾーマではない。メラだ」
「その幻想をぶち殺す」

とか、キャラ特有の名言は止めておきましょう。
あなたが作る作品は、あなたが考えた描写で埋め尽くされるべきです。

以上。


ここまでが魅力的なキャラを考えるうえで重要な項目でした。
どの手法も本当に使えます。

ぜひ参考にして、使ってみてください。
知識や技術は知るだけでは30%ぐらいでしかありません。
これを使い、自分の血肉として初めて役立てることができます。

時間はかかるかもしれませんが、どんなに美しい宝石も、原石から磨く必要があります。
鉄は叩く必要があります。

このnoteがあなたの役に立てることを祈っています。

最後に、他の創作に悩んでいる方にも読んでいただきたいので、Twitterで呟いていただいたり、スキをしていただけると嬉しいです。

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血肉にするとか、磨くとか良いから、今すぐ使えて! 効果のある方法をとにかく教えてほしい!
そのためならお金も出すよ! って人だけ読んでください。

ぶっちゃけ、上の内容をしっかり守ってたら、そのうちできるようになってます。

知ってか知らずか、この方法を使って書籍化している人はたくさんいます。
知ったらなんだ、そういうことか、というような知識ですが、間違いなく強力です。(宣伝)

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