本に金を払うのは気持ちがいい~解体屋ゲンを添えて~

タイトルのままである。私は本、おおよそ漫画に金を払うのが好きだ。
本をレジに持って行き財布から金を使う瞬間ほど、金が滑らかに財布から滑り出て行くこともない。最高の気分だ。
ツタヤのお姉さんがポイントで端数を相殺できますよと優しく伝えてくれるが、なんとかやりくりしてしまう。(これはツタヤ側からすると面倒なのだろうか?)

私は物心ついた頃から物欲が瀕死の女である。幼稚園の頃に庭で佇みながら己の浅はかな物欲を恥じた記憶が鮮やかに焼き付いており、
半端に欲しいものを買って手に入れて後悔するのは精神的に不健全な浪費である」という姿勢がすっかり身についてしまった。

これを物欲湧かない、物欲稚内と呼ぶ(フォロワーのイタル先生より)


そんな中、本である。本を手に入れ、中身の「情報」を得るに至るということは、間違いなく金を払わなければたどり着けない立場だ。
買って初めてクソかオモロか判断できる。
世の中には読んでみないとクソかオモロか判断できないのにお金を払えないなどとのたまい本を正札で手に入れることを倦厭する輩もいるが全くと言ってお話にならない。
この世の全てはクソor神であり、それは本に限らない。飯を食っておきながら美味くないので…と金を払わないのはただのバーサーカーである。

確かに本の価格というのは高く、中身がオモロでなくクソヤバ地底地獄オブザイヤー〜文体が地雷〜だった時のリスクはある。
単にお前の審美眼の問題、カードの声を聞けない決闘者乙!お前の記憶をひとつ奪うぞという話でもあるが。そもそも本は最後まで真摯に読んでも当たり外れがあるギャンブル要素満載のものであるということは小学校〜高校に至るまで図書館に詰め込まれた本から学び得ることができる真実である。駄々をこねるんじゃない。

やはり金を払って読む本は最高だ。絶版などで作者に金が振り込まれるルートが断絶された本は口惜しい。最新刊の電子化はそこそこ活発化しているが、私は何と言っても絶版本、コミックス化されなかった本をドンドコドンドコ電子化していただきたい。 古本屋で購入したとしても電子版お布施購入の流れができれば自分の信仰心が救済できる。


やはり今の一番のおすすめは何と言っても解体屋ゲンである。

週刊漫画TIMESにて2003年より継続して連載されている泣く子も黙る長寿漫画だが、コミックス化されていない。この長きにわたる悲しき現実に、電子書籍が革命を起こした。石井さだよし先生・星野茂樹先生はインターネットでの作品公開やその意義・価値についてすごくスマートなスタンスをお持ちなのではないか?インターネットで公開され話題となった以下の話を読んでみればたちまち解体屋ゲンの魅力に取りつかれることだろう。

「工事現場プリパラに取り憑かれるガチムチな男たち」という驚異の概念を生み出したワクワークガールズ回である。

どうだろうか?あまりにも面白い。普通なら「稼働を続けてもらおうぜ!」となりかねないストーリーを、「現実を受け入れ前に踏み出す力に変える」構成は見事としか言えない。ゲンの世界は人情に溢れ、そして現実的(リアリストたちの物語)である。

そしてゲンは漫画としての画面が非常に完成されている。ナゾのアゴの返しなど、クセのある作画と言えるがまったく気にならない満足度をもって我々の前に現れる。多用されるスピード線に私はもうメロメロだ。

なんでもないシーンでも集中線の大盤振る舞い

ゲンを読んだものは皆たちまちその魅力に取りつかれ、私のようにkindleでゲンを全巻揃えラインの返信用にせっせとスクショを溜めるオタクに成り果てること請け合い。(個人差がある)実際私の周囲で買ったオタクからは「今まで読んでいなかったことを後悔」の声が続出している。

電子書籍のいいところはセールの自在さ、購入したぞ!という伝達の早さだ。ゲンは定期的にセールや無料キャンペーンを行い、新規に読者を獲得する間口を広げている。数話読んでみれば面白さがわかる作品であるからできるリスキーな駆け引きだが、有効的だ。今日びショッキングな文面やアオリで購読意欲をあおるバナーよりは金を動かして読んでみようかな~という気になれるのではないか。

ゲンに限らずkindleで買ったよという話をしていたらエゴサーチをかけた原作者からRTされることは今の世の中珍しくない。書いた人、買った人の連結が速やかであるため、読者も「正札で買う正義を、原作者が見ているぞ」という意識で購入意欲を駆り立てられる。

やはり本は最高だし、皆本を買い次第買った報告、読んだ報告、感想を狂ったようにつぶやくべきだ。(大胆な願望は乙女の特権)


まあ私は本以外の物欲が死んでいるので本の話になってしまったが、なんにせよ「金を使った記憶まるでなし」と心から言える浪費の選択肢が自分の中に一つでもあるのは幸福と言えよう。私は本が好きだ。服、化粧品、飯、ゲーム、すべてが神orクソの狭間で揺れる幸福な消費になりえる。

そしてみんな解体屋ゲンを買い、でもVコードの予算が…!ゲンさァ~ン!曳き家だーーっ!と叫ぼう。ちなみにゲンさんは工事現場の誘導人形収集マニアなんだよ。かわいいね♪

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ありがとう……
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肘樹

感想・ダイマ

ここはオタクが産み落とした惑星エヒメのソドムの市
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