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公式と解釈違い〜逆転裁判4と向き合う〜

当記事は2007年発売のDS用ゲーム「逆転裁判4」のストーリーに触れているのでプレイする予定の方は注意して頂きたい(は?10年前?)

なおほぼ気が狂ったオタクが泣き喚いているだけなので時間を無駄にしたくない方は読まないほうが良い。


以下は、私の喪け込み寺(意味が分かるまいがweb拍手の事である)に届いた拍手だ。読んでいただきたい。

逆裁4をプレイしているものです。123時代成歩堂龍一が証拠品捏造隠蔽に関して強い反対意識を持っていたのにも関わらず、4では今はもう弁護士じゃないからと言ってそれをしていることが本当に謎です。成歩堂龍一というキャラクターを何故そう動かしたのか?脚本家に聞きたいぐらいこのキャラクター操作が心に引っかかっています。そして他の人(とくに私のように123の成歩堂龍一を好きになった人間)はどう思いプレイしたのか、どう解釈したのか知りたいです。肘樹さんは逆転裁判4に関してどういう解釈でいらっしゃいますか?教えて頂けると幸いです。

なんということだ。発売から10年(いやマジ?)経とうというあの作品が今なおプレイヤーの心を千々に乱し続けているとは。私は胸が痛くなった。

「俺たちは逆転裁判4とどう向き合うか」問題である。結論から言えば「解釈違い」だ。

逆転裁判4は成歩堂龍一を主人公とするシリーズ1~3が完結後、満を持して発売された記念すべきタイトルである。雑誌で次々とキャラクター、新システムが明らかになっていく中、成歩堂の変貌はファンの度肝を抜いた。

誰…………?(しまむらパーカー)(謎のクソデカびっくりバッチ茜ちゃんからパクってる)(ニット帽…?パーマン…?毛は貫通しないのか…?)(こいつ凝りもせずにまたなんか首から下げてるぞ…)(ヒゲ剃れ……)(さーてと、世界救っちゃいますか顔) 当時出入りしていた逆裁ホムペは大波乱に飲みこまれたものの、問題は発売してからであった。

上記の拍手コメで指摘されている通り成歩堂はあのプレイヤーの血を熱血展開で煮えたぎらせた「3」のわずか後、わけわからん事件のわけわからん愉快なオッサンのせいで捏造証拠を法廷に引き出すこととなり、弁護士資格を剥奪され、謎の愉快な娘を引き取り、愉快なピアニストとなり、もう弁護士ではないからと捏造の証拠品を新人弁護士に与え、わけわからん裁判員裁判システムの案内人になる。もう自分で言っていてもわけがわからん。わけがわからん。

成歩堂龍一ってなんなんだ。確かに彼は1~3の時点で「クソバカ浮かれポンチバカ彼ピッピ」から「弁護人を信じる熱い魂と冷静なツッコミを持つ俺たちの主人公」へのデカすぎる振れ幅を見せつけた男だが、一応「人を信じる」下地自体は繋がっていたように思える。しかしそこからまた4への変化ともなるともはややまとなでしこ7変化というか多重人格者である。

逆転裁判4はシナリオ、新システムなどさまざまな事情が悪い方向にコンボを叩き込んでしまいこれほど評価が割れる作品となってしまったと個人的には思うが、こと成歩堂に関しては完全に制作の都合のワリを食ってしまったとしか思えない。

まあ逆転裁判4のシナリオの問題点や矛盾については賢いレビュアー諸兄姉が広いインターネット界で何度も語っているから私が口を挟むまでもないのだが、私が辛いのは「キャラクターの一貫性」を保たず、こちらに丸投げされたということだ。

もちろん、この世の全ての登場人物、キャラクターが生きている存在として描かれているからには「変化」する可能性があるわけである。それは構わない。
だからこそ成歩堂がなんかしまむらパーカー子持ちおじさんになっちゃったよと言われたとき私はとにかく「どうして?早く訳が知りたい」と逆転裁判4に変化の理由を求めて胸を高まらせていたわけだ。

しかしプレイしてみれば成歩堂の今に至るまでの理由といえば「わけのわからん暴力シルクハットと愉快なドリメガ兄貴のしょうもない見栄欲望私利私欲のとばっちり」だったわけで、失望した。
これが初出のキャラクターならやさぐれるのもやむなしではないかと思うが、我々は1〜3の成歩堂、そして成歩堂の仲間をよく知っているわけで理解より先に違和感が来てしまった。

そもそもキャラクター性とは、我々が「作品」として表現された彼らを表面から掴み取り理解するしかないものである。何が許せなくて、何が大事で、こんなときならこうする、こういうところがあるなどは結局我々の勝手な解釈にすぎない。
正義感のキャラクターが、実は前作に描写されていないところで万引き常習犯でしたと言われれば反発するが「描写してないだけでそうだったんですよ、ベロベロ」と言われれば無理な理屈だが通るのだ。

だが許さん!!!!!!!!そんな理屈は俺は許さん!!!!!!!!!!!許す奴がいてもいい、が俺は許さん!!!!!!!!!!

私の知ってる成歩堂は…ピンチの時ほどふてぶてしく笑い…真実の為に奔走し…仲間に助けられ…そういう…男であって…ハメられて弁護士を辞めることになったとしたら…職にはあぶれるかもしれないが、自分を陥れた捏造の証拠にすがりはしないだろう……。いや、「シカク、剥奪されちゃったんだ。」と真宵ちゃんに言えば、「シカク、ハクダツ?(ピーン…)ええええええッ!!(ズパーン!ズパパーーン!)」となって、はみちゃんは腕まくりをし、泣き喚き…そういう…「文脈」を共有するのが作品なのではないか。まあこれも完全に私の勝手な解釈に違いないが。余談だが私ははみちゃんがナルホドくんにムスメが出来たと知るやいなや里から走ってきてビンタするのが見たかった。「フシダラなッ!!」

確かにキャラクターは生きている。変化することもある。しかし同時にキャラクターは「表現物」である。表現物が商売である以上、あまりに受け取り手と解釈の大混乱が起きすぎるのは「意表を突く」とも言えなくはないが、多くの場合衝突事故に近い。キャラクターがどんな心情で、何を考えているのか、沿全てが正確に伝わる必要はない。が、あまりに裏切り裏切られるというのは表現という場での互い(ここでは作者、製作側と受け取り手)の信頼関係の崩壊に他ならないとは私は思う。

俺たちは見せられたものから全てを掴むしかないのに見せられたものも信じられないんじゃ、あまりに悲しいではないか。ただでさえ次元が違うというのに……。

というわけで発売当時の私は逆転裁判4を怒りと困惑とハミガキのみぬくへのやり切れない憤りを持って終わった。あとバカには4話の時系列が難しピッピすぎた。それ以降は逆転検事1,2と逆転レイトンをやったきりである。それ以降逆転裁判4について深く思考するのはやめた。心がフタをしたわけである。拍手コメをいただいてあらためてこんなクソ長文を打っているわけだが、10年経ってもオタクの泣き喚くヒステリーは全く落ち着いていなかったのだった。怖すぎる。一生ヒスオタクやってるのか?私は。

ダルホドくんについては、もう何だか……その…ワタクシ。悪い夢を。見ていたようですな。ということで一応私の中で始末を付けました。時は戻らない。

5,6、大逆転裁判についてはやるつもり…やるつもりだが…。私は…………………ドットゲームが大好きなあまり、ドットからCGに進化した作品を受け入れるのにあまりに時間がかかってしまうのである…………………。

だからいずれは…4の後の世界も見てみたい。ここまで激おこスティックファイナリアリティプンプンドリーム(←コピペしました)している私だが、逆転裁判4のキャラクター自体はかなり好きなのだ。

というわけで発売当時(2007年)友達とリレー形式で描いた逆転裁判4の二次創作を貼っておこう。

まるで意味が分からん。

表現とは…製作側と受け取り手の…信頼が………などという御託を並べて恐縮だが、私自身はこのようなスクランブル多重巻き込み事故並みの意味の分からん漫画を描いている女である。もう何を言っても許してほしい。

こんな記事を読んで、逆転裁判4の3話で死ぬほどギター大炎上ムービーを見せられた時並に時間を無為にしてしまった人、すまん。

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