声が変な皮膚科医の先生の話

学歴なんて関係ないぜ!僕もそう思ってた時期がありました。

 

いや、今も理性的にはそう思っています。

 

ところが、、、

僕と妻は肌が弱くアトピーのような体質です。それが掛け合わさったので、やはり娘も息子も肌が弱いのです。

 

というわけで頻繁に家の近くの皮膚科に通っています。

 

そこの皮膚科の若い男の先生なんですが、とても変な声を出します。頭のてっぺんから抜けていくような変な声なのです。

 

面倒見の良い先生で、子供達と仲良くしてくれますし、何より子供の肌の調子がすこぶる良くなりました。昔はステロイドは悪だ!みたいな風潮がありましたが、今は炎症を抑えるためにたっぷり塗るが主流のようです。先生は最近の皮膚治療について丁寧に説明してくれて、皮膚科医としての能力もとても高いのだと思います。

 

ただ声が変なのです。。。

 

そこの皮膚科はとても混んでいて、朝は開院前から並ばないといけないし、待合室はごった返しています。それでも先生は一人一人を丁寧に診察してくれて、診察の最後には、「他に気になる事はないですか?」と聞いてくれます。忙しい時にこれを言える先生はなかなかいません。とても良い先生です。

 

ただ声が変なのです。。。

 

僕も、そしておそらく妻もそうなのですが、声が変というだけで何となく先生は変わり者で、友達も少ないような根暗な先生なんじゃないかと思っていました。

 

毎月のように皮膚科に通っていると、たんだん病院の雰囲気が分かってきて、その先生は土曜日だけアルバイトで来ていることが分かりました。

この間の診察中に、先生は平日はどこで働いてるんですか?と妻が質問してみたのです。先生は答えました。

 

「普段は東大で働いています。」


。。。。。


何!?。。。もしやこの先生は東大医学部卒なのか!?

 

僕は決して学歴で人を判断するような人間ではないですし、ましてや声質でその人の性格を決めつけることは決してありません。

 

ただ、この答えを聞いた時に体の奥底からふつふつと湧き上がるものがあったのです。

 

先生へのリスペクト心です。この先生は皮膚科界の新進気鋭の存在なのではないかと。そう思えてきたのです。

 

横にいる妻の顔を見ると、明らかに目が輝いているのです。立派な先生を羨望の眼差しで見つめる、そういう顔をしていたのです。

 

やれやれ、学歴とは本当に恐ろしいものです。

 

オセロのコマを裏返すかのように先生への見方が変わってしまいました。

 

頭では分かっているのです。学歴で先生を判断してはいけないと。

 

でも体が勝手に反応してしまったのです。

 

何はともあれ、これからも声が変な先生の所に通おうと思っています。


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