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幻になってしまった鰻丼

私は埼玉県の浦和 (現さいたま市) 出身で、そこは古くから鰻屋さんがシノギを削っているような土地柄。
もちろんお値段の張るものなので、滅多に口に入ることはなかったのですが (涙) 、美味しそうな鰻屋さんは近所に沢山ありましたね。

結婚して東京暮らしになってからも、余裕があれば有名店へ足を運び、愛知県に引っ越してからは浜名湖や三河一色町と、あちこちで鰻を食べてきました。

そうです、簡単に言えば金も無いのに鰻が好きなポンコツじじぃなのです。


そんな私が、心底シビれた鰻丼のお話を・・・。


その店は、今やすっかり有名になってしまった、藤井聡太さんの地元 瀬戸にあります。
初めて行ったのは、20年くらい前だったかなぁ。

瀬戸や周辺の山々を自転車で走り回った際に、仲間たちと一緒に食べたのが最初。
自分が知らない隠れた名店でのランチも、サイクリングの楽しみのひとつでしたね。

その鰻屋の店構えは「THE昭和」、タイムスリップ感が半端ない!! 笑
小さなテーブルが3つに、これまた小さなカウンター。
店の前には七輪が並び、炭を起こしていきます。

完全なるオープンキッチン。 (良く言えば)
目の前で、ご主人がひとりで捌いて焼いてます。
開いて串打ちして焼く、たったそれだけです。 笑
そう思わせるほど、いとも簡単にやっている様に見えるのが、職人の技というものですかね。
(素人が串を刺しても、全然入っていかないそうです)

「汁はインスタントだからね、そこまで手がまわらないんだよ」って、笑いながら○谷園のお吸い物を出してくれました。

鰻丼、来ました!!
第一印象は、結構焦げてるなぁ〜。 汗
蒸していない蒲焼きは初めてでした。
鰻の蒲焼きとは、柔らかくて口の中でフワッとほぐれるモノ だと思ってた私には、衝撃的な味。
(もちろん蒸した蒲焼きも、それはそれで美味しいのだが)

とにかく肉厚だし外はパリッとしてて、その身は程良い噛みごたえ。
うわっ、ヘビじゃん!? (褒めてます 笑) みたいな・・・。
まさに、さっきまで生きていた「鰻」という動物を、喰らっている感覚。

その味は、唯一無二のモノでしたね。
最初のひとくちで打ちのめされ、虜になってしまいました。
しばらくして嫁さん連れでまた行って、嫁さんも大ファンになったようです。

当時は、並が1700円で上が2400円だった記憶が・・・。
並といっても丸々1匹、上が1.5匹。
そのボリュームに、ご飯が足らないくらいです。
その後、鰻の稚魚問題等あって、どんどん値段が上がっていきました。


そして、昔は飛び込みで食べれた鰻丼も、朝に予約をした上で、11時に来てとか12時に来てとかのシステムに変わっていきます。
それは、お客さんが行列で待つのを避ける為の、ご主人の配慮なんですけど・・・。

近場の方は問題ないですが、遠方からですと帰るわけにもいかず、喫茶店で待ってたり名物瀬戸焼そばを食べて時間をつぶしたり。
食事に行ってるのに、別のモノ食べて時間つぶすってね。 笑
しかしまぁ、瀬戸焼そばも美味しいんですよ。


やがてTVや雑誌、SNSの影響で、爆発的な人気店となってしまいます。
朝の予約を勝ち取る為に、店の前に夜通し並んで騒いだり・・・。

結局、ご主人が夜中の3時に予約受付に来て、解散させたりと本末転倒な状況になり、とうとう身体を壊してしまって、しばらくは店を閉めていたようです。

そして復帰後は苦肉の策として、常連客のみを対象とした、いわば会員制の店へとシフトチェンジしたのだとか・・・。
ん〜残念だけど、仕方ないのかなぁ。
人気が出るのも、良し悪しですわ。

私は7〜8回、食べましたけど
最後に、もう一度食べたかった!!


YouTubeから動画をお借りしました。
値段を見ると、結構古い映像ですね。
今は、並でも4000円オーバーらしい。

捌いてる映像とかありますので、苦手な方はご注意を・・・。


もう食べられないと思うと、この映像も虚しいですねぇ。 涙


では、では、また次回。 ありがとうございました!!