見出し画像

【論文】長野県から考える海洋プラスチックゴミ問題解決に向けた多世代型環境教育とは

お久しぶりです。北村優斗です。

この度、約2か月に渡って執筆してきた自身初の研究論文が完成したのでnoteにも投稿しようと思います。僕のこれまでの活動の軌跡と思いを詰め込んだので1万字を超える大作となっていますが、

この記事に出会ってくださった全ての方に海洋プラスチックゴミ問題を知る一助となれば幸いです。

江の島 拾ってる

1.はじめに

現代に生きる私たちの日常に欠かせないプラスチック。利便性と耐久力、汎用性を兼ね備え、安価に生産できる20世紀最大の発明品と言っても過言ではない。しかし、近年、世界中でそんな才色兼備の発明品による海洋汚染が急速に問題視され始めている。プラスチック製のレジ袋が分解されるまでに1000年以上かかるとの研究(※1)も発表されるなど、一度海に流出すると多大な影響を与えることが分かっているが、既に世界の海にはプラスチックゴミが1億5000万トン以上存在し、さらに年間800万トン以上(※2,※3)が新たに海に流入していると言われており、その脅威は美しい海の景観や生態系を破壊するだけでなく、私たち人間の健康にまで及ぶ。世界経済フォーラム(※3)によると、2050年にはプラスチック生産量は約4倍となり、それに応じた海洋へのプラスチック流出の拡大により、「海洋プラスチックゴミの量が海にいる魚を上回る」という衝撃的な予測を発表している。

2.要旨

私は、海に流出するプラスチックゴミのうち、約80%が内陸部からのものであるという研究(※4)や、ゴミ拾い活動、各地での講演などの啓発活動を通して、長野県には上流県として大きな責任がある一方で、海と接していないこともあり、問題意識が浸透していないことを見出した。本論文は、多岐にわたる分野でのイノベーションに加え、グローバルかつローカルという両次元での解決が急がれる海洋プラスチックゴミ問題に対して、海の有無に関わらず、未来を担う次世代、現在の社会を担っている現役世代に対して新たな形での環境教育を行う必要性と重要性を論じたものである。


3.海洋プラスチックゴミ問題とは 

そもそも海洋プラスチックゴミ問題とは、私たちが使っているプラスチック製品が不法投棄されたり、適切に処分されないことで海に流出し、景観を破壊したり、微小なプラスチックとなって生態系に様々な影響を及ぼすという問題である。本章ではその発生原因から影響までを綴る。

3-1.発生原因

冒頭でも述べたように、現在確認されている海洋プラスチックゴミのうち、8割以上が陸上で発生し、海に流入したものと言われている。

ポイ捨て町 

排水溝から下水道へ

川に下水道から

海に川から

中でも、プラスチック生産量のうち、世界では約36%、日本では約61%を占める、使い捨て用が中心の「容器包装用プラスチック」は世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると考えられている。(※5)

<世界と国内でのプラスチックの生産量と用途別の生産割合>

プラスチック 生産

また、2015年に学術誌「Scientific reports 」に発表された研究によると、アメリカのカリフォルニアとハワイの間にある太平洋ゴミベルトと呼ばれる世界でもっとも多くのゴミが漂う海域には、1.8兆個、重量にして7万9000トンものゴミが存在すると推定されることが判明した。調査されたゴミのうち、46%を化学繊維の漁網が占めており、その他にもロープ、養殖カキの間隔を空ける管、ウナギを捕るわな、かご、箱といった漁具が含まれることや10~20%は東日本大震災の際に日本を襲った津波によるものだと推定されている。これらの研究から、地域によっては漁業用具などの海上から発生するゴミの流出や水害による流出も深刻化していることが分かる。

3-2.主な発生地域

世界経済フォーラム(※3)によると、現在、海へ流入している海洋プラスチックゴミは、アジア諸国からの発生によるものが、全体の82%を占めるとされており、2010年の陸上から海洋に流出したプラスチックごみの発生量を人口密度や経済状態等から国別に推計した結果、1~4位が東・東南アジアであることが判明した。(※2)この集計で日本は30位ではあるが、日本はプラスチックの生産量で世界第3位(※6)、1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位(※5)と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にある。


<陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量>(2010)
1位 中国 353万トン / 年
2位 インドネシア 129万トン / 年
3位 フィリピン 75万トン / 年
4位 ベトナム 73万トン / 年
5位 スリランカ 64万トン / 年
・・・20位 アメリカ 11万トン / 年
・・・30位 日本 6万トン / 年

3-3.懸念される、または顕現している影響

①海洋生態系への影響
内陸部で捨てられたプラスチックゴミは用水路や川を通って海へ流出し、海中や海上を漂流する。それらが紫外線や障害物の影響で劣化し、マイクロプラスチックという5mm以下の微細な粒子となって海洋生物の体内に蓄積する。また、海洋生物が誤食してしまい、体内が傷ついたり、腸閉塞を起こして死んでしまうこともある。

画像26


2018年の東京経済大学の研究(※9)では、マイクロプラスチックがサンゴに取り込まれ、サンゴと共生関係にある褐虫藻が減り、その共生関係が崩れてしまうことが報告されている。さらには、プラスチックごみが海岸を覆うと、本来海岸沿いに生育できる藻の居場所が減ってしまい、藻を食べる小さな海洋生物が減り、さらにそれを食べる小魚、小魚を食べる大きな魚が減少する。これらのメカニズムにより、将来的に海洋生態系に大きな影響を与えると考えられている。


②人体への影響                           マイクロプラスチックの表面には凹凸が多く、表面積が大きいため、海水中にすでに存在している有機塩素系殺虫剤、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)などの残留性有機汚染物質(POPs)、カドミウム、亜鉛、ニッケル、鉛などの重金属も吸収吸着する。そのような物質を体内に含んだ海洋生物を人間が摂取することで食物連鎖で生物濃縮が起き、生態系の上位ほど高濃度の化学物質蓄積が起こるため、発がん性、突然変異、免疫毒性など多くの懸念がされている。
2018年に行われたオーストリアの連邦環境局とウィーン医科大学の調査(※10)では、7人のヨーロッパ人と1人の日本人の糞便の中にマイクロプラスチックが含まれていることが判明した。この調査では被験者数が少なく、被験者の住む地域も世界の一部であり、検出されたプラスチックがどのような健康的影響を及ぼすかという段階までは判明していないため、さらなる調査が求められるが、既にその影響は私たちの未知の領域で顕現しているのかもしれない。

ゴミを食べる海の生き物が

私たちが食べちゃうその生き物を


③海洋産業への影響
漁業・養殖業の損失は年間3.6億ドルになると推定されている。(※8)生態系への影響により、漁業や養殖業で本来得られるはずの漁獲量が減ったり、漁獲用の網などにゴミが絡まってしまうことで海洋生物がかからない、網が使えなくなるといった損失もある。


④観光業への影響
2018年に発表されたOECDによる報告書(※7)によると、観光業は世界で年間6.2億ドルもの損害が予想されている。ゴミによる海の景観の悪化は、きれいな海を求めてやってくる海水浴やダイビングなどを楽しむ人たちにとっては魅力の減少やイメージの低下につながり、大きな損害を生む。また、漁網・ロープ・釣り糸の絡みつき・突起物の踏み抜き等による人身事故の懸念も生まれる。

画像22

4.現在行われている取り組み


4-1.日本の行政による取り組み
日本政府は、2019年に「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を策定した。G20議長国として、各国が連携して効果的に対策が促進されるよう取り組むと同時に、「新たな汚染を生み出さない世界」の実現を目指す、としている。本項では行政が行っている主な対策やその展望を綴る。


①一般廃棄物の回収・処理の徹底
正常に回収された一般廃棄物の海洋流出を防ぐため、国民の日々のごみ出し・分別回収への協力に基づく、廃棄物処理制度・リサイクル制度による回収の徹底を図っている。また、最新技術を活用した国内回収処理体制の増強や発泡スチロール製魚箱等のリサイクル施設等の整備には2018年度は補正予算として60億円、2019年度は予算31億円を計上した。


②不法投棄による海洋流出の防止
行政による代表的な防止策の例として、農林水産省は清涼飲料団体による、ペットボトル100%有効利用を目指し、自販機横に専用リサイクルボックスを設置する取組を支援しており、海上保安庁は「未来に残そう青い海」をスローガンに、若年層を含む一般市民を対象に海洋環境保全教室を開催し、プラスチックごみ等が海洋環境に与える影響等について啓発を実施している。また、廃棄物処理法、海洋汚染等防止法、ポイ捨て禁止条例等の違反の監視・取締りの徹底や毎年の「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」(5/30~6/5)を中心とした国、自治体等による集中的な監視を行っている。
これらの取り組みが始まってから年月が浅いということもあるが、海なし県での行政による啓発活動は未普及であり、今後、民間団体と提携した包括的な対策の普及が求められる。

画像21


③海洋に流出したごみの回収
海岸漂着物処理推進法に基づき、平成 30 年度は補正予算 31 億円、令和元年度には予算 4 億円が計上された「海岸漂着物等地域対策推進事業」で都道府県・市町村等による 海洋ごみの回収・処理を推進している。
また、国土交通省は船舶航行の安全を確保し、海域環境の保全を図るため、海洋環境整備船を配備して東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明・八代海の閉鎖性海域において、海面に漂流する海洋プラスチックごみを含めた浮遊ごみ等を回収している。 回収後のごみの処理に関しても、市町村の処理施設の活用や再生利用を推進をしている。

画像29


④リサイクル・脱プラスチックの推進
環境省は2019年、「プラスチック資源循環戦略」を策定し、3Rの取組や適正な廃棄物処理を前提に、犯罪行為であるポイ捨て・不法投棄撲滅や、それに対する清掃活動を推進し、海洋ごみの実態把握及び海岸漂着物等の適切な回収を推進し、プラスチックの海洋流出、海洋汚染を防止する、としている。また、基本原則として、


①使い捨ての容器包装・製品をはじめ、回避可能なプラスチックの使用を合理化し、無駄に使われる資源を徹底的に減らすことで、より持続可能性を高める。
②プラスチック製容器包装・製品の原料を再生材や再生可能資源に適切に切り替える。
③できる限り長期間、プラスチック製品を使用する。
④使用後は、効果的・効率的なリサイクルシステムを通じて、持続可能な形で、 徹底的に分別回収し、循環利用(リサイクルによる再生利用、それが技術的経済的 な観点等から難しい場合には熱回収によるエネルギー利用を含め)を図る。


とし、プラスチックの資源循環を総合的に推進することを目指している。
その他にも、令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化が実施されるなど、リサイクル・脱プラスチック推進のため、国民のライフスタイルや消費生活という根本的次元からのパラダイムシフトを目指している。


⑤プラスチックの代替素材イノベーション
海洋生分解性プラスチックセルロース素材など、海洋に流出しても影響の少ない素材の開発を促進し、海洋に流出しやすい用途を中心に使用を促進していくなど、海洋プラスチックごみ対策のためのイノベーションを推進している。生分解性プラスチックに関しては2017年に学術誌「Global Challenges」に掲載された研究(※11)で、5社の生分解性プラスチックのうち、完全に分解したのはわずか1社で、その分解にも約270日を要することが分かり、メーカーによって分解速度にかなりの差があることに加え、海洋プラスチックの対策として生分解性プラスチックはまだ改善の余地があることが露見した。今後は行政が推進する分解速度が速く、生態系に影響を与えない海洋生分解性プラスチックの開発が急がれる。


⑥途上国での対策促進に向けた支援
日本が今まで培ってきた知見・経験・技術・ノウハウを活かし、途上国等における海洋プラスチックごみの効果的な流出防止に貢献するため、特に廃棄物管理、海洋ごみの回収、イノベーションに関する能力強化を支援していくとともに、各国の実情や発展段階に応じオーダーメイドで、海外展開している。 また、2018 年の ASEAN+3首脳会議にて提唱された「ASEAN+3 海洋プラスチックごみ協力アクション・イニシアティブ」に基づき、ASEAN諸国 への支援を実施している。具体的な支援内容としては、廃棄物法制、分別・収集システムを含む廃棄物管理・3R推進のための能力構築や制度構築、海洋ごみに関する国別行動計画の策定、リサイクル施設や廃棄物発電施設を含む廃棄物処理施設などの質の高い環境インフラの導入や関連する人材育成のため、ODAや国際機関経由の支援を含め、二国間や多国間の協力による様々な支援を行っている。

画像18


また、行政だけでなく日本財団の「海と日本プロジェクト」のような包括的な海ゴミ対策支援プロジェクトやネスレアミューズ日本の「KITCAT」の外袋が紙製に変更され、2023年までに賞品の包装材料を100%リサイクル、リユース可能にすると宣言するなど民間団体や企業も取り組みを進めている。

画像17

画像16


4-2.長野県の取り組み
私の住む長野県は5年連続で一人一日当たりのごみ排出量が日本一少ない県である。
その要因として、プラスチックと賢く付き合う「信州プラスチックスマート運動」、一人当たりのごみ排出量800g以下を目指す「チャレンジ800”ごみ減量推進事業」、宴会における料理の食べ残しがないように宴会が始まった最初の30分と最後の10分間は自分の席について料理を楽しむことを呼びかける「残さず食べよう!30・10(さんまる・いちまる)運動」など、独自の対策や家庭ごみの分別の徹底がが功を奏していると考えられる。

画像30

5.長野県の現状


そんな国内で最もごみを出さない長野県だが、意外にも街中では不法投棄が多く見られる。約1年間に渡って県内各地での現状を調査した。


調査方法:街中に不法投棄されたゴミを撮影・回収
調査期間:2019年7月22日~2020年7月24日


調査結果

①排水溝

排水溝に溜まったごみ(長野市)

画像2

画像3

飲み屋街や中心部など人が多く集まる付近の排水溝にはこのように大量のたばこが捨てられていることが多い。雨などが降るとそのまま用水路や川に流出してしまう恐れがあるので、回収しなければならないが、排水溝内の衛生環境はかなり悪化しているため、厳重な注意が必要である。

②用水路

用水路に溜まるゴミ(長野市)

画像4

画像5

画像6

この用水路では常習的に不法投棄されたごみが溜まっている。付近の交番に2度出向き、パトロールを要請したが、未だ投棄者は判明していない。

用水路で拾ったゴミ(上:長野市、下:須坂市)

画像7

画像8

③川

川や河川敷のゴミ(上:犀川河川敷、中:裾花川河川敷、下:駒沢川)

画像9

画像10

画像11

ゴミの種類としては酒・たばこ類や飲食物のトレーなどが多く、場所としては橋の下や人通りの少ない河川敷などに多く見られた。人間心理的にも川や用水路にゴミを捨てたとしても、すぐに流れていくため、罪悪感が薄く、捨てられやすい傾向にあるのかもしれない。

④湖

湖に捨てられたゴミ(諏訪湖)

画像12

画像13

県内最大の湖である諏訪湖にも大量のゴミが見られた。特に発泡スチロールやペットボトル、お菓子のパッケージが多く、湖畔でパーティやバーベキューをした際に発生したものだと思われる。中にはマイクロプラスチック予備軍となっている劣化したものも見られた。

⑤空き地・駐車場

空地・駐車場のゴミ(上:長野市 下:佐久市)

画像14

画像15

パチンコ店などの娯楽施設の駐車場や線路沿いに不法投棄がよく見られた。佐久市では目の前に不法投棄禁止の看板があるにも関わらず、捨てられていたので、佐久警察署にその場所を報告した。

6.結論


約1年にわたる調査から、人は排水溝、用水路、空地など、人目につかないところに不法投棄をし、それが当たり前の行為となって日常化し、ゴミが溜まっていってしまう、ということが分かった。特に、用水路や川、湖への不法投棄はプラスチックが海洋流出する直接的な原因となってしまうため、ゴミが多く捨てられている地点にはゴミ箱や啓発ポスターを設置するなど、早急な対策が求められる。


しかし、どれだけそのようなハード面の対策を講じ、行政や民間団体が海洋に流出したゴミを回収し、リサイクルや脱プラスチックを推進し、代替素材を開発したとしても、不法投棄をする人が減らなければ、抜本的な問題の解決は困難である。


だからこそ、より多くの人に環境教育を通じて「不法投棄をしないのが当たり前」というマインドを形成しながら、ハード面での対策を進めていくことが必要なのである。

一般に環境教育は、学生向けのプログラムであるが、これからの時代には全世代に向けたプログラムとして伝播させていくことが重要である。従来、海洋プラスチックゴミ問題をテーマに扱うものは、海のある地域では実際に海にフィールドワークとして出向いて学習したり、水族館と連携した目に見える形での教育が行われているが、海のない地域では非常にその機会が少なく、それが住民の問題意識の低さにつながっていると考えられる。

では、海のない地域ではどのような環境教育が適切なのだろうか?


私が実践の中で学んだ例として、2020年7月24日に長野市立鍋屋田小学校の校庭で開催した「清走中」というイベントがある。当イベントはフジテレビのゲームバラエティ番組である「逃走中」とゴミ拾いを掛け合わせたものだが、フジテレビの逃走中制作チームの許可、長野県、長野市からの後援を頂いて開催したこともあり、県内各地より、小学生から社会人まで100名を超える参加者が集まった。イベントの内容としては、始めに4、5人でチームを組み、市街地でゴミ拾いを行い、その間に「ポイ捨てされたタバコの写真を○時○分までにLINEで送信せよ」「エリア内のオブジェと一緒にチーム全員で写真を撮影せよ」というようなミッションを参加者に通達し、解決を促す。そして、ゴミ拾い終了後に再び校庭にて「逃走中」の趣旨に合わせて「ハンター」が登場し、鬼ごっこをする、というものだ。拾ったゴミの量と質、解決したミッションの数、鬼ごっこでチーム内で逃げ残った人数の合算で優勝チームが決まるのだが、これがかなりの盛況だった。

画像37

画像38

ハンターも登場

画像40

画像40

動画はこちら

参加者からは

「楽しかった!」
「街に捨てられているゴミの多さに驚いた!」

との声が多く寄せられた。これらの経験から、それ以前の私が行っていた写真などを用いて一方的に海洋プラスチックゴミ問題を伝える講演形式の教育形態よりも、学校と民間団体が積極的に連携し、「清走中」のように”ワクワクする”要素を取り入れ、双方向での問題発見を促すアクティブラーニング的環境教育を行っていくことが効果的であると考える。また、保護者もその授業に一緒に参加するなど、学校を核にして環境教育の輪を広げることができれば「不法投棄しないのが当たり前」というマインドが社会に広まっていくのではないかと考える。


つまり、この問題の解決には

既に海洋に流出したゴミを回収したり、プラスチックの代替素材を開発する

というハード面のインフラの整備と、

不法投棄をしないのが当たり前というマインド形成を環境教育で進めていく

というソフト面のインフラ整備、

この双方を同時に行っていくことが何より重要で必要なのである。

7.各地での調査の様子

裾花川ウォーキングロード(2019年8月12日)

裾花川ゴミ拾いチャレンジ

裾花川ゴミ拾いチャレンジ2

新潟県 谷浜海岸(2019年12月29日)

谷浜 ゴミ拾い

画像45

画像45

神奈川県 江の島海岸(2020年1月2日)

江の島 呆然としてる

諏訪湖(2020年2月1日)

画像51

上田市 千曲川河川敷(2020年2月8日)

画像52

画像50

犀川河川敷(2020年3月9日)

画像53

画像54

須坂駅~信州中野駅(2020年3月12日)

画像49

画像48

佐久平駅(2020年3月14日)

画像47

南千歳周辺(2020年3月26日)

画像55

湯谷小学校周辺(2020年3月31日)

画像56

長野駅~茶臼山恐竜公園(2020年5月30日)

画像57

画像58

長野駅周辺(2020年7月1日)

画像59

画像60

豊野信濃駅周辺(2020年7月25日)

画像61

裾花川ウォーキングロード(2020年9月12日)

画像62

裾花川 ゴミ拾い

画像64

8.各地での講演の様子

UP!SHIOJIRI  プレゼンター(2020年2月1日 塩尻市)

画像31

長野県上田高等学校SGH報告会 ゲストスピーカー(2020年2月8日)

画像32

信州高大生応援フェス  プレゼンター(2020年2月9日)

画像33

高校発見DAY2020 プレゼンター(2020年7月24日)

画像36

長野市立鍋屋田小学校 CAREER FESTIVAL 講師 (2020年9月16日)

画像35

World Cleanup Day 2020  プレゼンター(2020年9月19日)

画像34

9.注釈


※1 UNEP (2018). SINGLE-USE PLASTICS:
A Roadmap for Sustainability

※2 Jambeck, Jenna R., et al. "Plastic waste inputs from land into the ocean." Science 347.6223 (2015): 768-771.

※3 Neufeld, L., et al. "The new plastics economy: rethinking the future of plastics." World Economic Forum. 2016.

※4 McKinsey & Company and Ocean Conservancy (2015)
※5 UNEP (2018)

※6 熱可塑性プラスチック及びポリウレタンの素材生産量。PlasticsEurope (2017)

※7 OECD ENVIRONMENT POLICY PAPER NO. 12 Improving Plastics Management:Trends, policy responses, and the role of international cooperation and trade(2018)

※8 APEC Marine Resources Conservation Working Group(2009)

※9 東京経済大学2018年「Microplastics disturb the anthozoan-algae symbiotic」relationship

※10 B Liebmann, S Köppel, P Königshofer, T Bucsics, Environment Agency Austria(2018) Assessment of microplastic concentrations in human stool final results of a prospective study

※11 A. R. Bagheri, C. Laforsch, A. Greiner, S. Agarwal, Global Challenges
Fate of So‐Called Biodegradable Polymers in Seawater and Freshwater

10.参考文献


1.WWF (World Wide Fund for Nature)ジャパン 海洋プラスチック問題について
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
2.NTTグループ 三沢 行弘 第4回 海洋プラスチックごみの問題と、解決に向けて私たちができること
https://www.ntt.co.jp/kankyo/column/earth/no4.html
3.環境省 海洋プラスチック問題について
https://www.env.go.jp/council/03recycle/%E3%80%90%E8%B3%87%E6%96%99%EF%BC%93%E3%80%91%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf
4.NATIONAL GEOGRAPHIC 太平洋ゴミベルト、46%が漁網、規模は最大16倍に
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/032600132/?P=1
5.一般社団法人JEAN 経済的な影響 海ゴミの問題点
http://www.jean.jp/m-litter/matter03.html
6.プラなし生活 有害な化学物質を高濃度に吸着するマイクロプラスチック
https://lessplasticlife.com/marineplastic/impact/adsorbed_chemical_pollutants/
7.朝日新聞デジタル 海洋プラごみ対策に170億円 環境省が来年度予算案
https://www.asahi.com/articles/ASMDB5PY1MDBUTFK01G.html
8.環境省 プラスチック資源循環戦略
https://www.env.go.jp/press/files/jp/111747.pdf
9.日本財団ジャーナル
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2020/44897

10. 海洋プラスチックごみ対策アクションプラン
https://www.env.go.jp/press/files/jp/111752.pdf

11.日本財団 海と日本プロジェクト
https://uminohi.jp/




最後に

ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。

本論文を読みやすくするために一部加筆修正を加えましたが、今回の執筆で多くの発見・気付きがあり、3年間の集大成として良いまとめができたと思います。

高校での活動は残るは受験勉強のみとなりましたが、人生の主人公としてワクワクを体現し、

”つまらない”を”ワクワク”に

変えることができるよう邁進し、奔走し続けます!

これからも応援よろしくお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?