減塩

とある透析患者の食事事情:塩

【ご注意】
この投稿はあくまで個人的な見解です。
個人の体質や合併症、透析環境、投薬状況によって大きく異なりますので、ご了承ください。

なぜ減塩?

IgA腎症とわかってから、腎不全保存期の頃は減塩・低タンパク・低カリウムとなかなか食事のやりくりは大変でした。
まぁ、一番大変なのは低タンパクなんですが、それは保存期と透析導入期の頃までで、現在はむしろモリモリとってます。

ただ今でも気をつけているのは減塩

腎不全になる前の血圧を覚えていないのでなんともいえませんが、診断された当初の血圧は180/100といった数値もありましたが、今では120〜140/80〜90程度に落ち着いてます。寝起きだと110〜120/70〜80といったところでしょうか。

腎臓内科.comの森先生もおっしゃってますが、腎不全の患者さんは血圧の高い方が多く、またその影響で心疾患、脳梗塞も発症率も高いと。
https://xn--v6q559gj6ehpa.com/archives/969

その血圧を上げる原因として塩分があるのですが、これは塩分だけの問題でもないので、あくまで一要因として考えたほうがいいと思います。

ただ無駄にリスクを上げる必要はないので、腎不全患者さん(非腎不全で高血圧など生活習慣病の方も)は減塩するにこしたことはありません。

減塩は難しい?

正直なところ難しくはないです。ただ自分を律する心の強さが必要なだけで、負けてしまうとラーメンやうどん、蕎麦、カレー、ファーストフード盛り盛りになってしまいます。

薄い味付けも慣れるとそんなに苦ではありませんし、香辛料やお酢、胡麻油、ラー油、無塩のバター、お出汁などを使えば十分満足のいく味付けができます。このあたりはご家族の理解なども必要なので、難しく感じるのかもしれません。

ただ、1日6g程度を目安といっても、厳密に守れるかというとなかなか難しいと思います。なので大雑把に6g、1食2gと考えて一日の献立を組み立てればいいと思います。

例えば朝はコーヒーとパン(無塩)、ジャムもしくは無塩のバター。
昼はできれば手持ち弁当が望ましいのですが、難しければ外食でも塩分のわかりやすいチェーン店がおすすめです。

大手のチェーン店の場合、ほとんどの食事は成分表をホームページ上に掲載していますのでチェックしておくといいでしょう。

ちなみに、吉野家の牛丼並盛りなら2.7g程度らしいですね。ちょっと多めですが、朝ごはんが塩分0なら許容範囲内だと思います。
https://www.yoshinoya.com/wp-content/themes/original/pdf/leaf.pdf

こういった感じでチェーン店のメニューを利用して管理する方法は、保存期の頃に管理栄養士さんにも褒められました。もちろん外食は避けるほうがいいにこしたことはないのですが、たまの気分転換程度ならいいと思います。

ただラーメンなどはどうやっても塩分が高いので、かなり気をつけないといけません。
リンク先のInstagramは我が家の自家製ラーメンですが、これなら手間はかかりますが、なんとか1食あたり3g程度に抑えられると思います。
https://www.instagram.com/p/BeHa7z5nf66/

減塩のポイント

料理の際に味付けの肝となる部分(塩、醤油、出汁)などは特に気を使いますが、基本的に近隣のスーパーや百貨店などで手軽に手に入ることを重視しています。やはり手軽に買えるものじゃないと減塩生活は長続きしませんからね。なので我が家では特別に減塩〇〇といったものは使いません。

◯醤油
醤油は正金醤油さんのものを長年利用しています。塩分は一般的な醤油と差はありませんが、味がしっかりしているので例えば大さじ1使うところだと大さじ1/2にしても大丈夫です。
スプレータイプの醤油差しも豆腐やお刺身を食べる際によく使います。普通の醤油差しだと思わずドバっとかかってしまいがちですが、スプレータイプなら均一に薄くかけられるので、大変重宝しますね。

◯お味噌
自家製なのでかなり減塩にしています。味噌汁などを作る際にはしっかり出汁を取ることで味噌の量は少なくても十分風味豊かなものにしあがります。

◯料理酒
料理酒は酒税法の関係で塩が入っているものが多く販売されています。なので、少し高くなりますが必ず無塩で、できれば純米酒のものを買うようにしてください。

◯ポン酢
自家製のものを使うことが多いですが、既成品であれば谷町ポン酢を使っています。無添加で濃厚なので少量でも十分満足のいく味です。

◯ケチャップ
以前有機で無塩のものを使ったこともありましたが、近所で手に入りにくいので、最近はHEINZのケチャップにしています。容量も大きく、安い、しかも通常のケチャップの半分程度の塩分です。

◯マヨネーズ
味の素のピュアセレクトマヨネーズを使っています。味がしっかりしているので、少量でもしっかりとした味付けになります。

◯お出汁
基本的には手作りの出汁を使っていますが、手間をかけたくないときや料理の風味付けには理研の素材力だしシリーズをよく利用します。特に鰹だし、鶏だしは常備しており、これらを使うだけで塩分を減らしても十分風味豊かな味わいになりますね。

◯カレー粉
ハウスの味付けカレーパウダーを使っています。無塩なので安心して使えますね。少しふりかけるだけでも十分カレー風味を堪能できます。

基本的には原材料がシンプルで、味のしっかりしたものを使うといったあたりが肝でしょうか。原材料欄は使われている割合が多いものから記載されています。
原材料欄の「/」以降は添加物なので、添加物が含まれているかどうかは一目できます。添加物は排出されにくい無機リンが含まれている場合がありますので、よく確認してください。化学調味料・食塩無添加と書いてあるものは、ほぼ安心していいと思います。

そして塩分を減らすためには、出汁や香辛料(胡椒やガーリックパウダー、カレー粉など)、胡麻油やラー油などを効果的に使うことが大事です。
単純に減塩しただけでは味が薄く美味しくないものになりますが、出汁や香辛料などをうまく使うことで減塩料理でも十分満足感を得られます。

最後に

腎不全患者さんに限らず、一般の方でも普段から減塩への取り組みや調味料の使い方などは気にしておいたほうがいいと思います。生活習慣病もある日突然発症するわけではなく普段からの蓄積です。

ここで紹介しているような日頃の料理でよく使う調味料なんかを少し工夫するだけでもかなり変わってくると思うんですね。

いい調味料を使えば少しの量でも十分満足が得られますし、何より身体に優しい。

しっかり食べて、しっかり透析、しっかり運動をこれからも守っていきたいと思います。

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中の人はIgA腎症から2017/01より人工透析になりました。11月からオーバーナイト透析になります。このnoteでは少し緩めの減塩生活(透析食)について掲載したいと思います。