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【イベントレポート】Takeoff Tokyoに参加しました!

こんにちは、HAKOBUNEインターンの有村です!
6/8~9の2日間にかけて開催された「Takeoff Tokyo」のレポートをお届けします。
フィンランド発祥のスタートアップカンファレンス「Slush」を東京で開催したアンティ・ソンニネン氏が手掛けた本イベントの背後には、日本のスタートアップエコシステムをもっとグローバル化したいという強い思いがあります。
そのため、ピッチコンテストやパネルディスカッションは全て英語で行われ、海外からの参加者も多数いました。
今回はそのピッチコンテストの中でも、特に面白いと思ったスタートアップを紹介していきます。

TOTEMO

TOTEMOはNFTマーケットプレイスで、主にストリートアートを取り扱っています。ストリートアートは移動が難しいのに加え、アートであると同時に落書きでもあるため、マネタイズが難しいです。

TOTEMOはこの問題に対し、NFT化することによってストリートアートを収集・交換可能にしました。またNFT化されたストリートアートは、ただの静止画ではなく、「アートスタイルに合わせて動く画像」となっています。これがまたなんとも面白く、元のストリートアートよりも愛着が沸きました。
またNFTロイヤリティによって、アートが売買される度に、アーティストに手数料が還元され続けるため、アーティストフレンドリーなマーケットプレイスでもあります。

ファウンダーのMarty Roberts氏は、既に16年日本に住んでおり、日本に来る前はアメリカで臨床心理学者をしていました。ストリートアーティストがリスクを背負い素晴らしい作品を作っているにも関わらず、お金がもらえず、作品も最終的には壊されてしまうことに問題意識を感じ、TOTEMOを立ち上げています。

最近はやたらにNFT関連のサービスが増えていますが、その中でもTOTEMOはNFTの活用によって実際の課題解決に取り組んでいるため、個人的にも惹かれました。

Woodstock

Woodstockは1000円から米国株が買えるソーシャル投資アプリを提供しています。Z世代をメインターゲットにしているこのアプリは、誰がどの株を買っているのかチェックできたり、投資したことをシェアできる機能があるため、より手軽に利用でき、投資を始める際の障壁を取り崩しています。
また私個人としては、UIが非常に見やすいところが好きで、他の大手投資アプリと比べてもよりストレスなく操作できる部分に惹かれました。

共同創設者のBrian Yun氏はモルガン・スタンレー証券、バークレイズ証券などの大手金融機関での長い経験があり、またMin Ju氏は金融・ブロックチェーン業界にてエンジニアとして長く働いています。

日本は特に、学校で投資や資産運用について学ぶ機会が少ないため、若年層の金融知識の欠如が問題視されていましたが、Woodstockはコミュニティで交流と実践を通して学ぶことができるため、金融教育サービスとしても注目したいです。

Qlay

Qlayは消費財メーカー向けに、社内・社外データベースから商品アイデアなどを生成するAIツールを開発しています。

消費財の商品を発案する際、企業は膨大な量の社内データ(POSデータ)や社外データ(SNS)を読み込み、それを基にアイデア出しをする必要があります。
しかし、そうした大量の情報を自力で取り込み、さらに適切なアイデアを出すことはもちろん時間がかかります。その上、そうして苦労して出したアイデアも、必ず案が通るわけでもありません。
Qlayはこの課題に対し、Generative AIを活用し、膨大なデータを基にしたアイデアの幅出しとデータ武装を瞬時に実施することで解決しようとしています。

共同創設者の中田 智文氏はハーバード大学卒業後、マッキンゼーにて消費財業界の課題解決を経験しており、山下 徳正氏はMIT卒業後、金融や不動産業界にてエンジニアとして働いています。

この二人のチームにより、ビジネスモデルの改善とサービス開発がとても早く回せるイメージを受けました。
まだプロトタイプの開発途中ですが、素早いPDCAに期待し、動向を追っていきたいと思います。

GIG-A

そして最後に、今回のTakeoff Tokyoピッチコンテストの勝者、GIG-Aを紹介します!
GIG-Aは銀行口座の開設から日々のバンキングを、多言語、かつモバイルのみで完結させるプラットフォームを提供しています。またUIもシンプルで使いやすく、直感的に操作ができます。

GIA-A設立の背景には、特に日本での外国人労働者が、言語の壁により口座開設に困難を感じたり、既存の銀行の審査では通らなかったりすることがあるという課題を解決したいという強い思いがあります。
既に日本の銀行とも提携しており、これから外国人材の受け入れが多くなる日本においてはニーズがあると言えます。
現在は口座開設、送金などのバンキングを提供していますが、これからはデビットカード、さらにはクレジットカードの提供を目指しているそうです。

ファウンダーは、元エストニア経済通信省局次長で、海外での金融DXに精通しているRaul Allikivi氏であり、私も実際にお話しさせていただきましたが、熱意がありとても話しやすい方でした。
私の周りにも、海外からの留学生の友達がいますが、彼らも日本にきた際の口座開設や海外への送金に困っていたため、GIG-Aにはとても期待しています!

Takeoff Tokyo - 全体を通して

今回が初めてとなるTakeoff Tokyoでしたが、参加していたスタートアップは領域・ステージ共に様々で、ピッチコンテストはあたかも異種格闘技のようでした。
Generative AIやBlockchain周りのスタートアップばかりになると思いましたが、社会課題をベースに、熱い思いを持った各領域のスタートアップを見ることができました。
また様々なバックグラウンドを持った起業家や投資家が一堂に会するため、他のスタートアップイベントではリーチできないような方とも知り合うことができます。

個人的にも、久しぶりに英語でのピッチをたくさん聞き、非常に刺激をもらいました。日本と海外のピッチの特徴の違いに関しても、これからリサーチしたいと思います!
日本のスタートアップがグローバルにスケールすることは、自分自身のビジョンとも重なる部分があるため、次回開催時も必ず参加したいと思います。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました!
またHAKOBUNEでも、将来の時代を象徴する"変化"を生み出す、様々なスタートアップに投資しています。

日本から世界へ、Takeoffしたいスタートアップにも積極的に投資していきますので、起業家、またはアイデア段階にいる方々ともぜひお話をしたいと考えています。
お気軽にご連絡ください!

HAKOBUNEのウェブサイト:https://www.hkbn.vc
記者のTwitter:https://twitter.com/shinichi815