見出し画像

香高堂 地中海北縁の旅と生活 第2章②

第2章<2016年真夏の南仏マルセイユ観光記>
2-2《アパートメント探しをしながら街中散策》

 初めての南仏マルセイユ、朝は風が吹いて涼しいが、9時頃から一気に暑くなる。帽子と靴の取り合わせが実にカッコ良い、街を歩く南仏美女を見かけた。市内では暑いせいか、透けスケルックばかりが目立ち、下着を見せることに老若の意識、抵抗はないようだ。男性はティシャツにショートパンツ、サンダルがほとんどで革靴はほとんど見ない。
 景色はアドリア海沿岸と変わらないが、人々の生活と自然が一体化していているように思える。今回割と長期滞在になるため、ロフト風のアパートメントホテルを借りたが、何故かバーカウンターが付いている。南仏の港街マルセイユの路地裏でカウンターバーを始めました…なんて書いたら誰が信用するだろうか。
 
 サラエボではトロリーやバスにほとんど乗っていないが、マルセイユの地下鉄を初体験した。フランス第2の都会も地下鉄路線は二つ、綺麗なトロリー電車も走っている。だが、バスが主要交通機関で、段々とフレンチコネクションの世界に近づいているような気配がするが、スリに注意をする以外は比較的安全のようだ。
 道路脇には大きなゴミ箱が設置されている。サラエボと違い分別され、瓶と燃えるものを毎朝回収しているようだが、生ゴミは1日放って置いたら匂いがすごいことになるだろう。人間の生活はゴミで分かると言うが、まさにその通り。ただ散歩好きのフランス人、犬のウンチはまだ始末出来無いようだ。
 
 大きなスーパーのカルフールに入る。さすが南仏プロヴァンス、店内にはロゼワインが立ち並ぶ。大きなペットボトルのワインが1ユーロくらいで飲め、夏はロゼワイン、ロゼのスパークリングが美味い。現金のやり取りはほとんどなく、機械を通して行う。
 またある日、マルセイユ近郊にある家具のスーパーのイケヤに入ったが、とにかく広い、何でもあるが、途中で出ることが出来無いようだ。1時間近くふらりとしたが、ふうう、疲れた、これを「イケヤツアー」と言うようだ。
 
 この夏休みの滞在中のほとんどの時間は、秋から住まうアパートメント探しに費やされた。何故か50年ぐらい経った物件ばかりで、新しい建物を紹介してくれない。今回家探しでお世話になったのは日本旅行作家協会の事務局のシャペ・麻美さんのお父さんのアラン・シャペさん。自身のヴァカンス出発前の1日を我々のために費やし、不動産屋などとの交渉をしてくれた。
 
 麻美さんは、マルセイユ出身のフランス人のニコラと結婚して日本にいるが、手助けしたいと言ってくれて義父に連絡してくれた。本当にありがたいことで、人の縁はどこに繋がっているのか分からない。紹介してくれた旅行作家協会の中村さん、八重野さんには深く感謝する。東京、サラエボ、マルセイユ、我々は人間の繋がりで活かされていると深く感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?