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CES ASIA2019取材。上海で5Gを体験してきた

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◆◆◆山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.88◆◆◆
【1】CES ASIA 2019取材、スマホや翻訳機などをチェック
【2】上海で5G体験、中国聯通とOPPOでライブデモ
【3】上海はいつものお宿で快適、外灘をトンネルでくぐる

【1】CES ASIA 2019取材、スマホや翻訳機などをチェック

今回は6月11日から13日まで上海で開催されたCES ASIA 2019のお話。6月は月末にMWC上海もあり、上海でIT系のイベントが2回もあります。とはいえどちらも方向性は違うので毎年両方取材するようにしています。香港からなら旅費もそれほどかかりませんしね(とはいえ今回は行きは東京から)。

CES ASIA 2019はラスベガスのCESの中国版という位置づけなので、出展企業は中国が大半。CESの縮小版という位置づけでもありますが、内容はだいぶ偏ったイメージです。スタートアップゾーンもありますが企業数は50程度と少なめ。5G関連の展示は期待できないですが、コネクテッドなソリューションとしてLPWAの活用やスマートホーム関連が目立っていました。あとはVR系やAI関連など。AIは翻訳機だったり顔認識カメラだったりと実際の応用例が目立ちました。

スマートフォンはファーウェイが出展したのみで、あとはKONKAブースにパナソニックの端末があったり、Hisenseがいつもの両画面スマホ「A6」を出した程度。でもリテール/ECのSuningにはOPPO Reno、RedMi K20、Honor 20、Meizu 16Xsと最新製品が並んでいました。例年ならJD.comも最新スマートフォンなどを並べるのですが、今年はロボット関連の子会社の出展のみ。ということでスマートフォンはいまいちパッとしない状況でした。なお記事はアスキーに3機種の紹介を書いています。

フロントカメラ以外も強化された「HUAWEI nova 4」シリーズをCES ASIAで見た

AI関連で目立った翻訳機はかなりの数が出ていて、精度も高くなっています。翻訳機メーカーではなく音声認識エンジンを手掛けるiFLYTEKの翻訳機は価格が若干高めですが、リアルタイムに会話をかなりの精度で訳してくれます。

ブース内で担当者とお客さんが話している会話に、翻訳機を向けたところみごとに訳してくれます。日本語訳もかなり正確。自分が会話するためじゃなく、ブースで何を話しているかを知るために買うのはありかなと思いました。なお日本語から他言語への翻訳は、カタカナや固有名詞が弱い感じ。中国語圏で何を言っているかを正確に知る、という用途がいいかも。

iFLYTEKは録音機も出していて、シチュエーションごとにモードを切り替えて録音可能なようです(細かい説明わかってないので、やはり翻訳機があったほうがいいかも)。質感も高く高級音楽プレーヤーっぽいルックス。なお録音しながらテキスト化してくれるようで、こちらの製品も気になります。

本家CES同様、自動車メーカーの展示が2ホールと増えていましたが、EV&自動運転のBytonの出展がないのが残念。もう予約は受け付けているのかな、かなり完成度の高い自動車を製造しているので最新モデルを体験したかった。各社自動運転関連の展示もありましたが、個人の車よりもシャトル展開に力を入れている感じ。車そのものの自動運転技術より、スマートシティーの中での都市内移動をどうするかという大きな視点を自動車会社も踏み込まなくてはなりません。10年後は無理でも20年後の自動車は、個人での所有は趣味レベル、となっているでしょう。

自動車ゾーンではSAIC(上汽集団)が中国移動の5G回線を使った遠隔運転のデモも行っていました。5Gの展示は無いと思っていたのでこれは収穫。実際に会場から上海市内のテストコース内の車を運転していましたが、デモ上は遅延も全くなくスムースな動きを見せていました。

中国の展示会なので怪しい製品にも期待していましたが、出展料がおそらく高いようで、その手の製品は数を減らしていました。そういえば日本企業がトランプたたきの展示をしていて、「何やってんだ?」と通りかかっただけだったのですが、後で大騒ぎになったことを知って写真を撮っておけばよかった。やはり展示会は「すべてを記録する」つもりで回らないとだめです。

個人的なヒットはレコードプレーヤーを出展していたMusic Public Kingdom。中国でもレコードは復権しているのでしょうか。8cmレコードというのか、ミニサイズのレコードプレーヤーもあり、カジュアルなデザインは1つ買って部屋に置いておこうと思うデザイン。これは記事化しようと思います。

派手な展示はありませんでしたが、それなりに楽しめたCES ASIA 2019。まあ面白い展示は月末のMWC上海でたくさん見ることができるでしょう。

【2】上海で5G体験、中国聯通とOPPOでライブデモ

中国の5Gはテストが各地で進んでいます。中国聯通は「5Gn」のブランドですでに店舗で5Gデモも行っています。深センや広州の聯通の店では実際に5G端末が展示されているという話ですが、上海の聯通の店も当然同じデモを行っているでしょう。

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