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COMPUTEX TAIPEI 2019の見どころ:5G編

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◆◆◆山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.86◆◆◆
■中華電信とエリクソンが1Gbpsの5Gをデモ
■5G端末はルーターやCPEを多数発見
■クアルコム+レノボの5GノートPCはもう少し見たかった

■中華電信とエリクソンが1Gbpsの5Gをデモ

5月末のCOMPUTEX TAIPEI 2019、スマートフォンの見どころは前回書きましたが、こちらは5G関連のネタ。5Gの期待をせずに訪問したのですが、中華電信がライブデモを行っていました。新しくできた南港展示館のホール2の1階の端という、わかりにくい場所だったので見つけにくいところ。しれっと「5G」の看板を出していただけではなく、28GHzと3.5GHzのアンテナも出してスマートフォンを使ったデモが行われていたのです。

基地局・アンテナはエリクソン製で、デモは5G NR n78(3.5GHz、帯域幅100MHz)で、NSAのためLTE側はB3(1.8GHz、帯域幅20MHz x2)をアンカーバンドとして利用。この2波のデュアルコネクティビティーで1Gbpsを実測していました。なお端末はシャオミのMi MiX 3 5Gだったのが珍しいところか。基地局のすぐ横とはいえ、数回のテストで安定して1Gbps以上を計測していたのでデモとしては上出来といえました。

なお28GHzのほうは対応端末は展示は無く、台北市内でのテスト状況を説明してもらいましたが、帯域幅400MHzで1.3Gbps程度を出していたとのこと(写真で見せてもらいました)。こちらのテストはクアルコムの試験用スマートフォンを利用したとのこと。もう少し速度が出ると思いましたが、自動車で移動中のフィールドテストのため十分合格点でしょう。

中華電信ブースの人に話を聞くと、5Gのサービス展開はB2B向けはスマートシティーやインダストリー4.0が想定されていて、特に工場の多い台湾だけに5Gで工場の効率化を進めることができれば、中国へのさらなる工場移転も不要になるかもしれません。またブロードバンドサービスとTVの展開も想定しているとのこと。スマートフォン向けがVRや高画質ライブ配信などやや目新しさが無いのが気になりますが、5Gが始まる2020年には何かしら新しいアプリケーションが出てきているかもしれません。

ちなみに台湾5キャリアのシェアは、2017年第4四半期時点で
中華電信:35.36%
台湾大哥大:24.46%
遠傳電信:24.18%
亜太電信+台湾之星電信:16%
と、引き続き中華電信がややリード。中華電信のみが1000万超えで、この構図はここ数年変わっていません。一時サービスしていたPHSは100万契約がやっと(それも大多数が無料プラン)でしたが、シェア下位2社はそれを上回る契約者数を持っており、古株3社にくいついています。ただし料金引き下げは大手3社から始まることも多く、資金力の弱い2社は今後の5G展開後も厳しい戦いを強いられそう。

■5G端末はルーターやCPEを多数発見

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