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「中国5G祭り」盛り上がるMWC19上海を取材

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◆◆◆山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.90◆◆◆
【1】MWC19上海取材、右も左も5Gだらけ
【2】OPPOとVivoがMWC19上海で新しい技術を発表
【3】上海の小米之家でRedMiスーツケース購入

【1】MWC19上海取材、右も左も5Gだらけ

先々週も上海取材でしたが(CES ASIA 2019)、6月最終週も上海。MWCの取材です。今年から名称が他のイベントに合わせ「MWC19上海」となりましたが、内容も今までの中国ローカルなイメージから、グローバルの来場者が見ても充実感を味わえるような立派なものになっていました。

その理由は中国の5G開始に向けてのスケジュールが秒読み段階にはいったからでしょう。中国の5G免許は6月に正式に発効になり、既存3社と中国広電の4社が事業を開始します。中国移動、中国聯通、中国電信の3社はこれまでもMWC上海に出展していましたが、どちらかといえば国内向けの内容で、しかもあまりぱっとしないものでした。

ところが今年は5Gを前面に出した展示で、5Gの端末ゾーンはむしろ小さく、5Gのソリューションが大きく目立つほど。自動運転は3社がリアルタイムのデモを行っていましたし、遠隔医療やEラーニングなどのデモも。さらにはネットワーク管理系なども5Gに絡んだものを出しており、説明こそ中国語ですが(英語できるスタッフもちらほら)、5G関連の展示は2月のMWC19バルセロナよりかなり充実していたのです。

なお移動はn41、聯通と電信はn78でサービスを開始予定。移動ブースは各社のn41アンテナ・基地局を並べており、2.5(展示では2.6)GHzの5Gで今の4Gと変わらぬサービスを提供できることをアピールしていました。自分の韓国での体験から、3.5GHzは建物内やビルのある都会では厳しく、中国移動の5Gはサービスが始まれば他社よりかなり優位に加入者を集めそうです。とはいえ700MHzで新規サービスを開始する広電もダークホースになりそう。そして最終的に聯通と電信を合併させるのか、気になるとことです。

さて5G端末は市場で出回っているものがほとんど展示されていました。見かけなかったのはLGのV50 ThinQだけで、サムスン、ファーウェイ、OPPO、OnePlus、Vivo、ZTE、Nubia、さらに今回初登場のレノボと盛りだくさん。中国移動は自社ブランドの「先行者X1」を展示していましたし、ODMメーカーも中国移動向けの開発中の7インチ機を展示(Snapdragon 865らしい)、5G開始時はスマートフォンは選び放題という状況になりそう。

他にもモバイル/屋内用固定タイプのルーターや、屋外/屋内向けCPEなども多数見かけました。4G開始時とは異なり、5Gは「ネットワークの準備はいまひとつだけど、端末はいくらでもある」状況です。ひとまず1-2年はNSA(4Gをコアネットワークにつかうノンスタンドアロン)でスマートフォンサービスを拡充しつつ、徐々にSA(5G単独のスタンドアロン)を広げて産業用途展開も進めていく、という動きになるのかなと。

今年のMWC上海がここまで盛り上がっているとなると、来年はさらにすごいことになっていそうな。端末はさらに数が増えているでしょうし、具体的なサービスの展示も増えているでしょう。xR系はエンタメなど個人向けだけではなく、インダストリー用途のものもすでに多数のソリューション提案がありますから、それらの実展開が行われているはず。ということでいまから来年のMWC上海が楽しみになってきました。

【2】OPPOとVivoがMWC19上海で新しい技術を発表

MWC19上海ではOPPOとVivoが発表会を開催。スケジュールの都合でどちらも参加できませんでしたが、なかなか面白い技術を発表しています。

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