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山根博士の「スマホ取材の裏側」2018/03/24(vol.48)

年間230日を海外取材に費やす”携帯電話研究家"の1週間の行動記録。
毎週の海外出張で更新が遅れています。
今回は3月第二週、上海と杭州のネタが中心です。

《目次》
[1]上海開催のAWE2018を取材
---中国家電メーカーの勢いに圧倒される
[2]杭州はのんびり訪問したい街
---こちらも視察で駆け足滞在
[3]久しぶりの香港航空&上海国際線
---国内線よりも安かったけど面倒
[4]メインのノートPCがおなくなりに
---本気でノートPCの買い替えが必要
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[1]上海開催のAWE2018を取材
---中国家電メーカーの勢いに圧倒される

MWC2018から帰ってきた翌日、3月8日から上海で開催された中国家電の展示会「AWE2018」を取材しました。昨年はパスしたので2年ぶり。規模は2年前よりも拡大しなかなか興味深い展示が増えていました。取材目的はスマートホーム関連ですが、スマートフォンやスマートウォッチ、ウェアラブルデバイスなどがあるとついつい立ち寄って取材してしまいますね。

ホールは全部で14にも拡大していて、そのうち1ホールはハイアールがまるまると独占。もとサンヨーのAQUAやGEブランドもハイアールが扱っているためホール規模はいくらあっても足りないくらいなのかも。スマートスピーカーも自社のものを出展していましたし、中国での存在感は絶大です。

日本メーカーの家電もまだ中国では残っていて、東芝の白物家電は美的のブースに展示されていました。まだまだブランド力は健在というところでしょう。そしてその美的も1ホールのほぼ全体を使うほど広いスペースを使っていました。今や日本の展示会ではここまでの規模は見られませんね。家電だとIFAでのパナソニックブースがかなり巨大ですが、ハイアールも美的もそれと並ぶ規模。それだけ製品の種類も数も多いわけです。

ところで韓国勢はLGが一番目立っていました。さりげなくDAEWOO(大宇)も出展。大宇は小規模ながら中国の家電展示会には必ず出展しています。そしてサムスンはというと今年は出展なし。実はLGの斜向かいにソニーが出ていたのですが、TVをただ並べるだけという展示。もしかするとサムスンの出展がなくなって、急遽ソニーに出てもらった、なんて背景があったのかもしれません。

全体を眺めると、スマートホームはあるものの、まだまだ普及には至っていないという状況のようです。プロトコルもまだ各社ばらばらで、グローバルで数百社が加入するOpen Connectivity Foundationの名称も見られず(ハイアールなど中国企業も加入)。ECからスマートホームに参入したJD.comもこの分野の展示はあまり勢いを感じられませんでした。しかし大手メーカーのブースには必ずスマートホームコーナーがあるという状況。冷蔵庫も大型モニタ搭載のものが各社に見られました。消費者の反応をよそに、やらねばならないという状況のようです。

スマートスピーカーはハイアールと美的が独自のものを展示していました。これは海外もそうですが音声を使った家電コントロールのほうからスマートホームは普及がはじまるかもしれません。AWE2018ではエアコンの音声コントロールが数社で見られましたが、リモコンやスピーカーすら不要で直接語り替えて指示します(リモコンにマイク内蔵のものも)。たしかに毎日調節が必要なのはエアコンの温度設定ですね。TVの音声操作も複数社が展示。音声認識まわりはこれから中国での研究が加速化していくでしょう。

会期は4日間で、今回は実質1日半しか回れず。来年は予定をしっかり組んでフル参加したいところ。今回は小さい企業を回る時間がなくて、面白いものを発見しきれなかったのが残念。主催側によるとCES、IFAに次ぐ規模だそうですが、実際はそこまでは及ばず、国際化(英語の通じ具合など)もまだまだ。それでも来年はさらに規模が拡大しているでしょうから楽しみなところです。

[2]杭州はのんびり訪問したい街
---こちらも視察で駆け足滞在

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