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Humans of HLAB Vol.26 Hikaru Mizuta

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あなたの「今」はどんなストーリーでできている?
Humans of HLABは、HLABの最大の魅力である「人」に焦点を当て、彼らが今大事にしている価値観やそれにまつわるストーリーを写真と共に発信していくプラットフォームです。Humans of New YorkというBrandon Stanton氏のプロジェクトをベースとし、インタビュアーの話を彼ら自身の語り方そのままにまとめ紹介していきます。

What makes you ‘who you are’ right now?
Humans of HLAB is a platform where it focuses on ‘people’ within the HLAB community to share their unique stories and perspectives - especially on what makes them who they are right now. The stories posted are based on the project, ‘Humans of New York’, which Brandon Stanton shares quotes and short stories from his interviewees in their tone of speaking, along with their portraits.

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“言葉を大切にするっていうことは、適切な言葉がなかった時には、あえて言葉を与えないということでもあるって思ってる。”
“If it seems difficult to find a word that could sufficiently describe the situation, then I guess I don’t have to.”

僕は中高が寮生活だったんだけど、できるだけ外の人と交流するようにはしてたんだよね。自分の中にある物差しが他の人と著しくズレてるっていう状況になるのが怖かったから、常に他の人に考えをぶつけて、アップデートしていきたいっていう想いがあったんだと思う。っていうのも、世論とか考えると、意見が二分してて分かり合えてない人たちがいるけど、それって自分の規範に拘泥しちゃってるからだなって考えてて。こういう問題意識を抱えているからこそ、自分は同じようになってはいけないって思ってたから。

高校の頃から僕は、SNSの普及と政治に興味があって。ちなみに、そういう話をするときにはあえて色々なサイドの話をするようにしてる。例えば人によって「良い」社会、制度、政治って定義が違うし、同じ人の中でもそれこそ時期によって変わっていったりもするしね。いろんな要素が重なり合って「良い」って思うはずだからね。そもそも一単語に集約される概念ではないんじゃないかな。人々の間に「正解らしきもの」が漂っていて、色々な要素を考えながらそのふわっとした要素を掴んでいくのが適切だと思ってる。でもそこに僕が無理やり言葉を与えちゃうと、ソリッドなものになっちゃうからね。その言葉が「ふさわしいか」「ふさわしくないか」でしか議論ができなくなってしまう気がして。

僕は特に言葉を大事にしてて、それは適切な言葉を探しにいくっていうのもあるんだけど、適切な言葉がなかった時には、あえて言葉を与えない、っていうことでもあるんだよね。こう考えるようになったきっかけは前期に入っていたゼミかな。そのゼミは、美術館行ったり、調べたりして与えられたテーマを解釈して、最後にテーマに対する芸術作品を作るっていうものだった。それまで芸術なんて興味なかったんだけど、自分の問題意識とか考えに対して絵を描いたり、音で表現したり、パフォーマンスしたり、ポエム書いたりとか、興味持ってやるようになったよ。そこで、言葉以外にも概念を表現する手段はあるんだなって学んだ。相手の感覚にあえて委ねる、みたいな。

芸術作品には、言語だけの思考ではなかなか得にくい視点というか、感覚を与える力がある気がする。でも勿論、幅広い人に上手に内容を伝えることができる大衆広告的視点も大事だと思うから、とにかく僕はその両方の行き来を大事にしてるね。そういう意味でやっぱり思考「プロセス」は偏らないように意識してるかな。

ーHikaru Mizuta (HLAB MIYAGI-ONAGAWA 2016 Participant, HLAB ONAGAWA 2020 JPS)
*JPS = Japan Side Mentor

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