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『優雅なのかどうか、わからない』(松家 仁之)

主人公は離婚歴のある雑誌編集者の中年男性です。
離婚後に第二の人生を歩んでいるのですが、主人公は趣味がよくてお人好しです。
お金も教養もそこそこあり、仲の良い女友達も自然にできてしまいます。
周りからみれば優雅な独身貴族に見えますよね。
でも自分中心主義と決断力のない性格が「優雅なのかどうか、わからない」状態を作り出しています。

結婚したり年齢を重ねたりすれば出てくる様々な問題の中で、本当に望むことや、本当に心地よい生活はなにかを考えることができます。とはいえ、その生き様が主人公にはあってる気がします。

幸せについて考える小説だと思うのですが、もう1つ踏み込んだ見方もできます。

主人公はお金と教養のある独身男性で、人当たりもいい。
離婚歴こそあるものの、婚活中の方からすれば優良物件ではないでしょうか。

ここで気になるのは、そんな優良物件の男性がどんなことを考えているかです。
実際に恋愛関係に発展しそうな女性も登場しますが、その人への態度の裏で何を思うのか。

余裕のある男性の恋愛心理を分析するには、うってつけの本という見方もできます。

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