お財布事情

突然ですがみなさん
財布の中身ってどんな感じでしょうか。

僕のお財布事情は

免許証
保険証
キャッシュカード
PASMO
映画館の会員証
FlashDiscLunchのポイントカード
死んだじいちゃんのメガネのレンズ(おまもり)

といったラインナップなのですが
これは世間一般的にはどうなんだろう
少ないの方なのか、はたまた別に普通なのか。

まあ、そこはどっちでもよいのだけど
数年前まで、僕の財布の中には

訪れて、そのあと一度も行っていないお店のポイントカードや期限切れの会員証
レシートや領収書の束
たまーにみんなでふざけて撮るプリクラ
コウキの学生証

など
とにかくいらないもので溢れかえり、パンパンだった。
みなさんの中にもそういう人、多いのではないかと思う。

その頃と比べると、上にも書いたように、いまの自分の財布の中はとても整頓されていて身軽だ。

そのキッカケを作ったのは
スタイリストのTEPPEI氏。

シングル「JOYJOYJOY」から
OKAMOTO'Sのスタリングを担当し、
いまは僕の個人仕事も全て彼にお願いしている。
OKAMOTO'Sと仕事をする前からリップスライムのスタイリストも担い、現在では星野源氏のスタイリングも、結構な頻度でやっている。

気がつけば
連日のように仕事で会うのに、仕事がない日も時間を共にする仲になったテペさん。
ハマ・オカモトのInstagram登場回数が
ベースの写真の次に多い男。

数年前、財布を買い替えたいと突発的に思い立ち、失礼を承知でいきなり連絡。
快く承諾してくださり

"財布買い替えツアー"

のアテンドをしてもらうことになった。

大事な買い物に、信頼するスタイリストに同行してもらえるだなんて。
こんな嬉しい話はない。

無事に購入し

"中身入れ替えの儀"

を行うため
選び抜いた財布を赤子にように抱え、2人でよく行く喫茶店に移動した。

和やかな雰囲気で事をはじめると
さきほどまでエビスさんの様に笑顔だったスタイリストTEPPEIの顔が歪み、声を荒げてこう言った

"ハマくん、、、!このカードの山、全部日常的に使ってますか?"

"えぇ、、まあ言われてみればコレもコレも使ってないな〜。これなんだっけな、あー!これとか懐かしいなあ"

"、、、せっかく買い替えたんですから、こういうのは思いきって全部捨てましょう!ムダです!ホラ!一枚ずつ、確認して行きますよ"

といった具合で、テペさんによる

"これ本当にいるのかオーディション"

がはじまった。

オーディションがはじまってすぐにわかったのだが、とにかくいらないものだらけで
今までなんでこんなものを財布に入れていたのか、自分でもわからず、むしろ怖くなった。

「完全に捨てる」

「財布からは抜き、自宅に保管」

「財布に留める」

の三択で剪定して行き、最終的には現状のラインナップに落ち着いた。
覚えているだけで、20枚以上のカードをこの世から葬り去ったと記憶している。

作業を終えてすぐ後は、とにかく気持ちが落ち着かず、得体の知れない不安に襲われたが
気がつけば、そんなソワソワにも徐々に慣れ、いらないものだらけでパンパン、最悪に不恰好な財布とお別れさせてくれたテペさんに心の底から感謝していた。

中身がないんじゃないか?と思うほど薄い、新しい財布にウットリしながら僕は言った

"おかげさまでスッキリしました。いや〜気持ちいいですね!必要最低限しか入ってない財布って!"

"でしょ!?よかった!財布は絶対にその方が良いよ〜!ポイントカードはむやみたらに作らない!これ鉄則だから覚えておいてね。"

中身がシュッとしてる、というだけで
なんだか大人っぽいなあ、なんて思うほどのぼせていた僕は、抑えきれない半笑いでこう続けた

"テペさんの財布の中身も見せてくださいよ〜"

もちろん!と言いながら手渡された財布を
断りを入れて開け、一枚ずつカードを抜いていった。

見るからに少ないカード達はすぐに机に並び、免許証の顔写真を見てあーだこーだ笑っていたのだが、ふと片手に持ったスタイリストTEPPEIの財布に違和感を感じたのだ。



小銭入れの裏
小さなスペースに、なにかがいる。



恐る恐るそれを取り出すと

スタンプでビッッッッシリと埋め尽くされた
「蒙古タンメン中本」のポイントカード
それもフルにたまったカードが何枚も収められていた。



血の気が引いた顔でテペさんの方を見ると
彼は泣き笑いの顔で僕に




「、、、コレハね、トクベツなんだョ」




と力なく言った。







その日を境に、2人の距離がグッと縮まった事はいうまでもない。

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