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解いて着る

トキキルに行ってきた時の話をする。

トキキルは"解かなければ着られない"アパレルブランドだ。謎を解くことで服を買える、そういうコンセプトになっている。以前から興味があったがどうしても日程が合わず、今回初めてお邪魔することができた。

謎解きに興味を持ったのは去年の夏頃だった。

東京ドームシティで開催されていたQuizKnockのイベントに周遊型の謎解きが含まれていて、そこで初めて謎解きに触れた。

それまではなんとなく、“謎解きは頭のいい人たちがやる難しい遊び"とか、“ハイレベルなマインドスポーツの一種"というイメージを勝手に抱いていた。
なんかこう…私みたいなモンが遊ぼうとしても楽しめないんじゃないスかねえ…へへ…みたいな遠慮があり、謎解きとは一定の距離を取っていた。

しかし、真夏の東京ドームシティでその考えは変わることになる。遊びに行った日は気温が35℃を超える猛暑日だった。屋内で大人しくしているべき気温だったのだが、周遊型の謎解きがあまりに面白く、朝から夕方までひたすら炎天下を歩き回って丸一日謎解きを楽しんでしまった。普段はちょっと汗をかくのも嫌がるくせに、初めて触れるタイプの面白さに完全に頭のネジが飛んでしまっていた。

それからというものの、謎解きの本を買ったりSCRAPの謎解きサブスクを購入したりして、定期的に謎解きをするようになった。謎解きに関して、私は決して才能がある方ではないこともなんとなく分かった。経験を積み重ねることで多少解読スピードはアップしたものの、いまだにカンが冴え渡る手応えはない。でもいいんだ、謎解きは楽しいから…。

というわけで、トキキルにお伺いするのはちょっと緊張した。なんせ、謎が解けないと服が買えない店だ。設けられた制限時間1時間を服の前で立ち尽くして使い切ってしまったらどうしよう…。不安を抱きながら夜の新宿に出向き、戦々恐々としながら開館時間を待ったのだった。

結論としては、完全に杞憂だった。

入場直後にチュートリアル的な説明があり、初めてトキキルに来た初心者でも謎解きの雰囲気がなんとなく分かるようになっていた。また、謎の前でウンウン悩んでいると、さりげなくスタッフの方が近寄ってきてくれてヒントでレスキューしてもらうことも出来る。人見知りが服を着て歩いているようなコミュニケーション苦手人間こと私でも助けてもらえたので、大抵の人はビビらなくても大丈夫だと思う。

この服の謎はヒントをもらって解くことができた。最初のとっかかりの部分は分かったのだが、そこからもう一段乗り越えなければならない閃きがあり、ヒントをもらってやっと答えに辿り着けた。欲しいデザインだったのでありがたかった〜!

会場内では謎の難易度が服のサイズ展開として表示されており、私のような初心者にはSかMサイズがちょうど良い感じだった。Lサイズの問題はチラッと眺めただけで今回は諦めてしまった。いつかは挑戦したい。

一般的な謎解きと違って、トキキルの謎はそれそのものが服に描かれるデザインとして完成されている必要がある。着たとき明らかに浮くデザインはトキキルにおいては謎として成立しないわけで、その狭き門を潜り抜けた謎だけが展示された現場は迫力があった。

服に描かれたそれぞれの謎は独立している(と思う)ので、制限時間内であれば自分で好みの謎を探して解き続けられる、その仕組みも贅沢だなと思った。たくさんの謎の中から好きなものを選んで解く。見事解き明かした証明として、服を買って帰る。今回は悩んで2着を選んだが、もう1着くらい買っても良かったな〜。次行った時の楽しみにしたい。


そういえば、昨年末から始まっているSCRAPの地下謎、そろそろ行っておきたいな。

こちらは3月17日までです。謎解き熱が燃え上がっているうちにプレイするぞ〜。

Big Love…