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ポータブルなラップトップスタンド Roost

Roost はラップトップコンピュータを机の上で良い具合にエレベーションさせる折り畳み可能で丈夫なスタンド。初期モデルは2013年に Kickstarter でファンディングを成功させた。現在販売されているのは対応出来るラップトップの範囲を広げ、マウントが容易になるなどの改良を経た二世代目のものだが、これも同様に Kickstarter で初期モデルの4倍を越えるファンディングを成功させている。

現在も販売中の公式ウェブサイト

初回のファンディング

二世代目のファンディング

Roost は Maker ムーブメントのお手本のようなストーリーを描いている。ハードウェアに強いバックグラウンドのないファウンダーが、着想したアイデアを今は亡き TechShop でプロトタイプを個人で繰り返し、その製作を叶えるために行ったクラウドファンディングが期待の倍を越えて成功、ひとつの製品として世に売られるようになるに至っている。

個人的には2014年に一般販売となってから初期モデルを彼らのウェブサイトから手に入れ、2015年の二世代目のファンディングには公開当初からコントリビュートし、名入れしてもらったものを今も愛用している。

Maker Faire にも2世代目のファンディング前にそのプロトタイプを出展しており、現地で直接で見かけた際には、とても興奮したのをよく覚えている。

コンパクトなためキーボード、マウス(トラックパッド)と合わせて持ち歩けるため、時折カフェなどで利用している人も見かけることがある。身近に気に入って使っている人もいるため、何か良さそうなクラウドファンディング絡みのプロダクトはないかと尋ねられると紹介するもののひとつになっている。

ミニマムだがお金を集めるファンディング

二代目のファンディングはファンディングの総額、バッカー数共に初代の4倍を越える規模となったが、あまり強くマーケティングの性質を含まず、改良版の生産(特に以後の生産を容易にする金型の製作)や特許出願のために更にお金が必要になったとしていたのは前記事の Hyper Drive よりはもっと純粋なプロダクト型のクラウドファンディングの使い方である。強くお金を集めよう、多くの人にリーチして利益を出そうという意思はあまり表に現れていない。

それでもうまくいったのは、この規模のファンディングを集めるのには製品が素敵であることに加えて、初代のクラウドファンディングの公開時から最低限重要な要素を抑えていたことにあるだろう。

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