18.ポエニ戦争の爪あと
①属州の重税
消費税は10%になるなんてあまいこといってる場合じゃない。属州の税金は資産の50%をもっていかれるやばい税率だった。
なんでこうなったのか。
ポエニ戦争で属州を獲得することになったローマ。各地に徴税官を派遣し、そこから税を徴収する方式にした。
徴税官は総督と呼ばれ、任務についた。しかし、広すぎる土地で数人で徴税などできないのでお金に強い商人らを集めて徴税請負人を募集した。
給与は出ないが、税金に上乗せして手数料を取っていい。この税率は商人の自由だ。加えて、総督も給与が出ないので手数料を総督にも流すこと。
こうして税金の中に、莫大な手数料が発生したのだ。
手数料ビジネスに大成功した商人達は自分達を着飾り、武具も見栄えのする素晴らしいものを揃えた。人々は彼らを馬鹿にするように騎士とよんだ。ローマでは騎士というのは徴税請負人のことだ。
②土地の荒廃
本来は、土地を耕して稼いだ金で武具を買って戦争に行く。しかし、戦争はいつまでも終わらない。土地はやがて荒れ果て、女子供は食料の蓄えがなくなっていく。泣く泣く、土地を手放して仕事を都市に求めていく。
しかし、仕事はなく、無産市民となっていくのだ。
手放した土地を金が有り余っている総督なんかが買い占めていく。この大土地所有をラティフンディアという。
ラティ = 大きな
フンディア = 土地
土地には男達は戦争で死んでいないのでカルタゴの奴隷なんかと使用する。
ローマに奴隷市場ができた。
当時の奴隷は大人一人50000円。金持ちは奴隷を数千単位で買っていく。
こうして土地は一部の人間に集中し、重装歩兵のなり手がいなくなっていった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?