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場面シラバスの授業について

場面シラバスって、ご存知ですか。その名の通り、場面を考えてそこでどんな日本語が使われるか、例えばコンビニでの会話であれば
レシート必要ですか、お弁当あたためますか、お箸おつけしますか、トイレを使ってもいいですかなどなど…旅行者向けですが、初心者でもけっこう難しい文型がでてくるので丸暗記型になってしまうことが多く…

そして何を隠そう、わたしは場面シラバスで教えたことがない。
今の学校も生徒の日本語学習のほとんどは旅行に行きたいから、という人が多いのに、なぜか文型シラバスを使ってる。絶対場面シラバスでやったほうがいいのに!
(詳しいことは書けませんがあまりレベルが高い学校ではなく、それに従わねばならない現状を悲しむ私。)まあ、学校の方針は1人の意見では動かせないものもありますからね…

で、来週2回だけ授業を任されている生徒さんがいまして、その生徒さんの学習目的は「東京オリンピックに行きたい!」というもの。この人に文型シラバスで教える意味…?と思い、前任者(ちなみにこの方は退職済)と相談し文型シラバスで教える形に…。

まあ来週2回教えたらそのあと続けるかもわかんないし、そしてわたし退職するし、と自己中ですが場面で授業することになりました。

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1回目は切符の買い方。この生徒さん、耳が弱いのでどうしようかな~と前任の方がおっしゃっており考えられた授業がこんな流れ
Can-doは新幹線の切符を自分で買える。
①日本の新幹線の路線図を見せ、どこへ行きたいか、何を見たいか、など話す。
②みどりの窓口での会話を4種類聞かせる。
③それぞれの会話の中での時間や行き先、のる列車の種類など聞き取る。
④それぞれの会話は合計4回ぐらい聞く(1回目はゆっくりめだが、徐々にナチュラルスピードで)
⑤おまけの会話を聞いて新しい語彙の意味を推測する(ex無料=free)など

いま勤めている学校が国際交流基金のまるごとを使って教えている(クラスもある)んですが、前任の先生は今までまるごとをよく使われていたようで、
場面で教えるのに慣れているそうです。

教えるときに大切なのって、いまの学校にきてつくづく思いますが、生徒のニーズにこたえることですよね。(まあN5レベルの学生にN1の授業しろ、と言われても限界はありますが)なんで旅行で日本行きたいって言ってる人に「これはペンですか?」とか「犬よりねこがすきです」とか教えるのか疑問。

というわけで、勝手にいろいろ方針無視してやってましたがそろそろ限界なので今の職場もやめようと決意。まだ言ってないけど言うの憂鬱だな~…

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