特別日誌

『九千日生きた僕』


 やぁ。いかがお過ごしでしょうか。まぁ、そんなの訊いたところで直接の返事をもらえるとは思っていません。(お、なんだ喧嘩か?)

 読みに来てくれて、ありがとう。
 どうやら君は僕の文章に興味があるようだな。安心しろ、誰の悪口も書くつもりはない。寧ろ、ここに書くのは僕の話だけだ。しかし、これが誰かへの棘になる可能性はあるかもしれない。僕という人間が紡ぐ言葉はそういう部分があるらしいから、ご留意ください。
 そして、この文章に関する一切を他言無用とさせていただく。
 僕の事は嫌いかい、それとも興味ないかい。そのどちらとも言えない人にこれを読んでもらえたら、僕は嬉しいのかもしれない。
 人によっては重たい話になっているかもしれないため、冷やかしながらでも目を通していただけるといい。僕の弱点を知りたい君にもお勧めの文章だ。

 さて、本題に移る。
 タイトルにもある通り、僕は今日で生まれてから9000日が経過する。計算機で算出された日付が今日だった。誕生日よりも嬉しい、人生に一度しかない日だ。多分これがキリ番ってやつ。せめて死なないように気を付けて過ごしたい。
 つまり、これを書いている今の僕は、生まれてからまだ8999日目の何十何時間何分何秒みたいな時の中に生きている。おそらくだが、この文章が君の目に触れる頃、僕は満9000日を生きた人間と成っているはず。
 あまり詳しくは書かないが、逆算したい場合はしてみてくれ。僕の年齢を出すのも良し、僕の誕生日を出すのも良し。君が熱心なコレクターなら、きっと色々とウキウキしてしまうのだろう。悪用は厳禁だが、独自の妄想に用いる事は禁じない事にしておく。年齢操作も可。ただし、その脳内だけに留めておいてほしい。どうしても我慢ができない場合は、創作に昇華させるなり、僕に直で伝えるなりしてくれ。そもそも、この文章自体が偽りの可能性を含むものなのに、すんなり信じちゃってさ……まぁ、素直なのは悪くない。こんなところまで漏れなく目を通してくれる君は、相当な可愛子ちゃんだって事。(この段落の全てがキショすぎて草)

 せっかくだから僕の身の上話を書こう。
 僕は生まれた時から欠陥人間だった。生まれて間もなく、死ぬかもしれなかった。動物でいうところの心臓に機能の不全がある状態で生まれ、死に至らずに済み続けている。物心がつくより前から「こうなれば死ぬからこうならないでね」と忠告を受けながら生かされてきた。最早この命は僕のものではない。誰かに生かされていた命だ。
 現在、僕の心臓は『ほぼ完治』状態にある。生まれてから長らく通い続けていた病院で、最後の日に先生から「地球がひっくり返らない限り大丈夫、悪化する事は滅多にないよ」と言われたっきりだ。健康診断などで提出する書類には特記しないのだが、実際に僕へ聴診器を当てたお医者が怪訝な顔をする度に、耳のいい先生だな、と思う事にしている。(それが医者なのだろうけど)
 少し面白いのは、僕の今の状態を肉親の誰もが知らない事だ。みんなは僕が健常者だと思っている。まぁ、それで違う事はないからいい。僕が死ぬ時、僕はこの事を誰かに叱られるのかもしれない。生涯バレなかったら最高だ、死んだ後までの僕のお楽しみでもある。
 僕は9000日も生きてきた。

 いつまで生きているか分からないが、現世にいる間は愉快に過ごすつもりだ。
 ありがたい人生だとか周りに感謝をしながら生きようだとか、そういう事はまだ考えられていない。僕は未熟者だ。それでも、生きてしまいたいと思う今日がある。

 覚えていたら、死なずにいられれば、10000日の際にも特別日誌を書きたい。
 生き続ける事を目標にすると途端に生きづらくなる気がするため、10000日に到達しなくても僕は自分を許す。
 地球がひっくり返らない間は、僕自身に生かされたり他に生かされたりしながら、自分の納得できる生き方をして過ごしていたいと思う。

 余談だが、近頃の僕は色々あって情緒が不安定だ。
 思い出していた翌日にその人が亡くなった事を知ったり、自己嫌悪していた部分を他人から褒め殺しにされたり、伝えたい事と伝えるべき事と伝えないほうがいい事の区別ができなくなったり、などが理由だ。
 かなり気が触れていたのだろう某日、僕は四六時中アダルトサイトを眺めていた。そして、素人が撮影した動画に行き着いたのだが、それが超好みの✘✘✘✘✘✘だった。見つけた後3日間ほど、僕は快楽に震えながら脳味噌をパチパチ言わす事となった。きもちよすぎる映像だった。いつでも見られる動画ではあるが、頻繁に見てはいけない気がしている。
 今、鼻の下を伸ばしているお前にも勧めたいところだが、詳しく書いてしまうと僕のヘキまろび出し状態になるため、今回は控えさせていただく。

 多分、この記事がど下ネタで締め括られるとは誰も思わないだろう。僕もこんな締め方をするとは思っていなかった。しかしながら、この事は僕という人体に強い影響を及ぼした最近の大事件だった。その記録も兼ねて僕の9000日に飾っておく。
 今日は気分が落ち着いている。ここ数日、いい事が立て続けにあったからだろう。好きなものや好きな相手、それを好みだと思う感情を、できるだけ大切にしていたいと思う。


※上記は、過去に投稿していた文章です。
 以前、この文章を投稿して間もない頃、ある作家さんが心臓病で亡くなられたと知りました。それを受け、その記事を削除しました。
 しかし、この文章は僕の前向きな心持ちで綴った文章だったため、投稿し直す事にしました。隠密に公開しておきます。
 記事の大見出しのタイトルは、有名な絵本のタイトルをオマージュしています。

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