衣装に宿る命 ~鴉~
このチームと私が出会ったのは、23区内でも最も暑いと言われる練馬区光が丘で7月の暑さ真っ盛りのなか行われた、よさこい祭りin光が丘 でのことだった。
この暑い祭り会場でふと目に入ったそのチームは、毛皮を羽織っていた。
このくそ暑いなか、毛皮!?!?
第一印象はもちろんこれだった。
見渡してみると、同じ衣装を着ているのはほんの数人。
どうやら少人数のチームらしい。
そしてこのチームは「鴉」というらしい。
初めて見た、初めて聞いたチーム。
ただ衣装が目についただけ。
だけど、このチームが無性に気になって、見なければいけないような気がした。
(なんでチーム名分かったのかはイマイチ覚えてない…衣装にチーム名入ってなかったと思うけど…?)
演舞スケジュールを確認して、目当てだったチームの合間にその演舞を見てみた。
衝撃だった。
カッコいい。
流し演舞を2回行う会場だったから、すぐに追いかけて2回目の演舞も見た。
え、まじでなんなんだこのチーム。
すごい。
この衝撃の出会いから、私の鴉おっかけライフは始まった。
そして毎年毎年お披露目される新しい衣装は、毎回斬新なものだったり、カッコいいものだっり、やはり衣装が目を惹く。
でも衣装そのものの独創的なデザイン以上に驚くのは、その衣装を作っているのが、メンバーのおばあちゃん1人だということ。
チーム発足の当初から、30人、40人、50人…と増えた今年も、ずっとおばあちゃんが作っている。
(さすがに、No.07 ななやNo.08 荒波ちぇすと!!の羽織はプリントものなので外注だそうですが。でもNo.04 ひまわりの背中の鴉の文字は、メンバーそれぞれが手書きしたものらしいです。)
No.05 V.S.のひとりひとり色の違うスカート。
No.07 ななの7種類のたすき。
No.08 荒波ちぇすと!!のリバーシブルな衣装。
こんな面白いことができるのは、手作りの衣装ならでは。
衣装のデザインをするのはチーム代表の匠さんだけど、そのデザインを立体化させ、作り上げているのはおばあちゃん。
毎年全くテイストの異なる衣装でも、見た瞬間に「あぁ、鴉だ。これ鴉っぽい。」と思えるのは、きっとおばあちゃんが施す細かなディテールに、その「らしさ」が散りばめられているんだろうと思う。
私は、そんな衣装を作るおばあちゃんと、その衣装も、欠かせない鴉の要だと思ってます。
毎年毎年、今年はどんな衣装なんだろう!?とワクワクし、お披露目された衣装を見て「そうきたかー!」と歓喜し、1年かけて衣装に隠された意味やカラクリを見つけていく。
演舞を楽しむのと同時に、こうやって衣装をじっくり見ていくのもとても楽しい時間です。
さて、No.09はどんな衣装になるのかな。
あと3ヶ月。
3か月後に新しい作品や衣装を見て、自分がどう感じているのかが楽しみです。
願わくば、これから先鴉が80人、100人…と人数を増やしていっても、すべて外注しないと回らないような状況になっても、その「らしさ」が失われませんように。
でも、もしそんな時が来たとしても、あの日光が丘公園の給水所の前で見た、あの毛皮のインパクトは、ずっと忘れられない。
・・・
鴉が面白い企画をはじめました!
今までの8作品の投票だそうです。
投票ページでは8作品の画像も載っているので、このエントリで書いた衣装も見れます。
鴉を知ってる方も知らない方もぜひ見てみてください!
鴉-KARAS- http://karaskrs.nobody.jp/
「よさこいで泣く」
鴉は千葉を拠点に活動するYOSAKOIソーランチームです。
結果を掴み取ることを最大の目標とし、そこから得られる感動を求めて活動しています。 練習など活動拠点は千葉県千葉市に置いており、メンバーは約50名(2017年12月現在)。 一人一人が持つ"味"や、キラリと光るものを活かして、 チーム・作品をつくり上げています。 見たことない、聞いたことない、面白さにこだわった鴉の演舞から、何か感じていただけたら幸いです。
人生の4分半、頂戴します。
twitter https://twitter.com/Karasu_krs
いただいたサポートは撮影のための機材等に、大切に使用させていただきます。