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【雑記】サフはラッカーが良い

水性塗料の隆盛

昨今、優秀なものが入手しやすくなったのを機に溶剤の代わりに水を使える塗料が注目されていますが、それぞれ微妙に特性が異なるのにひとまとめに水性塗料と扱われることが多いのが気に入らない私です。

多々ある水性塗料の中で私がガンプラ製作にメインで使用しているのはクレオスの水性ホビーカラーAQUEOUS(アクオス)です。理由は最もラッカー(ここでのラッカーはプラモ用塗料カテゴリーのものです。)に似た使用感でエアブラシ塗装が出来るという点につきます。
使用感というのにはエアブラシの掃除やメンテナンスなども含みます。

なぜ水性か?

そもそも私がプラモから長らく遠ざかった理由が、結婚から育児という自分の環境変化の中でラッカー塗料および薄め液およびツールクリーナーの強い刺激臭と毒性により使用がはばかられたことでした。
ちょうど子供も大きくなりコロナ禍での生活環境の変化とリニューアルした水性ホビーカラーの登場で戻りましたが、その後の水性サーフェイサーの登場にも歓喜したものです。
それでもラッカーがあらゆる面で水性ホビーカラーの上位互換というのは認識しています。

しかしラッカー塗料は外国では一般販売が許可されない基準の毒性と判断されるシロモノ。臭いのキツさもその辺が関係してるのでしょうか?

ちなみに、私は筆塗りで使用する塗料ならば、ラッカーでも水性ホビーカラーではなく、他の水性塗料を使ったほうが良いと思っていますョ。

前提条件と比較対象が重要

ここまでで何度か書いていますが、ラッカーが最強なのは、「ガンプラをエアブラシで塗装する」という前提のもとです。
たしかにラッカーの強力な速乾性と吹き付け面への食付き&塗膜強度、他塗料への耐性と、長所のバランスの良さは他の主なプラモ専用塗料の追随を許さないポイントですが、筆塗りをしなくてはならない、または筆塗りならではの筆感(タッチ)がポイントとなる仕上げをしたい、さらに付け加えると塗装後はあまり塗装面を触ったり擦ったりしないといった場合は、完全に他の塗料に劣ります。

サフが必要かどうかは各自の判断で

さて、ようやく本題。
これまで水性サーフェイサー(サフ)を使ってきた私が、ラッカーのサフにした理由ですが、サーフェイサーを吹く理由と水性ホビーカラーの弱点が関係しています。

サフといえば、SNS等で「よくサフは必要ですか?」という質問を見かけます。個人的にはこういうのは「やってみて、やる理由が分からなければ、やらなくて良い」の一択です。
最近、サフ不要派の友人と話をしたのですが、なるほど、サフが必要ない作り方をしているんだなぁということ思い知りました。

サフを吹く理由

話を戻します。
私のサフを吹く理由は下の3点となります。

  1. 改修による形状や傷などのパーツ状態の確認

  2. 微細な傷を埋める

  3. 異素材を使用した箇所の面状態を均一化するコーティング的役割

2と3について共通する点を補足すると、ガンプラの改修で瞬間接着剤やパテやプラ材など異素材を使用した場合、その個所は溶けてプラと馴染むわけではないので、どうしても僅かに跡(隙間・段差)が残ります。
また素材の硬さが違うのでヤスリをかけた時の傷の付き方も異なります。この辺は作業を進めると肉眼では目視できないレベルにすることも可能ですが、サーフェイサーはさらに細かいレベルでそれらを均一にするのに適した性質になっています。そもそも塗料とは、用途つまり使う目的が違うのです。
極端に言うとパテとしての役割として、塗料よりも優位ということです。
そしてそれにより、異素材が複合したパーツに対し、化粧でいうところのファンデーションのように、単に発色の面だけでなく、塗料の『乗り』を良くる効果も得られます。特に水性はエアブラシでの塗り始めにプラに弾かれるような感じが顕著で、垂れてムラになる危険がありますから、この辺は感覚的にも重要です。

確認だけならサフでなくともいいのだけどな。

よく言われるサフのメリット

私がサフを使う理由の他では下の2つの使用メリットが言われるのを見かけます。

  • 塗料の発色をよくする

  • 塗料の食いつきをよくする。

他の業界のサフはそうかもしれませんが、プラモにおいては上の2つはサフならではのメリットと、私は感じません。
発色促進なら塗料で良いと思うし、食いつきは少なくとも水性ではプラに干渉しませんし塗料以上には良くなりませんね。
まあ、こんなの正確には測定できませんから、ある種のおまじないみたいなもので効果があると感じている人はそれでいいと思います。

ラッカー塗料であれば…

食いつきがよく塗膜が強いラッカー塗料の使用が前提で、ハードな改造をせずつや消し仕上げにする程度であれば、ゲート跡や合わせ目消しも1000番位までペーパーがけすることでサフ無しで済ませられるというのも納得できます。
まあこれは、サフ無しというより塗料がサフ代わりなるという感じですけど。

しかし、水性を使っている私がラッカーサフにするというのには下記のメリットがあります。

  • 傷埋めを兼ねる一種のコーティングとして塗装で失敗した時にマジックリン漬けにした際、塗料と一緒に落ちない

  • 水性では未発売のより細かい粒子の製品がある

  • 水性より早く乾燥し強い塗膜が得られる

  • 水性よりプラに食いつく(らしい)

ただ、家族の目と鼻を誤魔化しながら使わねばならないという大きなデメリットも抱えることになるのですけどね。

サフで仕上げる?

最近、メカサフというサフなんだか塗料なんだかわからないけど、良い発色と質感でそのまま仕上げとする方も多くいるくらい便利なものがあって。
まあそれらもラッカーなんで私はオキサイドレッドしかお試し程度に使ったことがないのですが、確かに良い質感と発色です。
ようはサフだろうが塗料だろうが自分の求める仕上がりに必要かどうかはその人の判断ってことですな。

表面処理が辛い、だからこそ

ホント表面処理には泣かされます。
逃げたくなるほど辛いです。
だからこそ、いろいろ考え工夫して禁断の新しい領域に足を踏み入れるのです。それもまたプラモデル趣味の醍醐味ですね。



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