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パーパスを見つけるまで

前回のエントリーでProject MINTに参加した経緯を書きました。
今回はスタートしてからの3週間、mind hack期間のお話です。

Projectがスタートして最初の3週間は主にmind hackの時間に充てられ、内省を深めてゆくことで自身のパーパス(Purpose)を掘り起こします。

パーパス(Purpose)とは何か?
直訳すると「目的・意図」ですが最近はビジネスの場でも耳にすることが増えていると思います。「パーパス経営」や「パーパスドリブン」など経営哲学的な本も多く出ているので、経営者やマネジメント層などの組織開発に関わる人たちが読む本なんだろうな…と捉えている方々もいらっしゃるでしょうーーまさに私もその1人でした。

ここで言う「パーパス」は「存在意義」と訳されることが多いようです。

2度目の海外駐在から帰国して、「さあ社会復帰するぞ!」と決意した時に一番不安だったのが自分自身の価値が分からないことでした。
約10年間専業主婦でいたので、自分を客観的に俯瞰して見ることが難しく感じ、自己分析ができるワークショップや講座、コーチング、はたまた四柱推命などの占いにまで手を出して「私はどんな人?」を探したほど。
それほど「あなたの強みは?」「あなたにとっての自分軸は?」などの質問に答えること=自分の「存在意義」を定義するのが苦しかったのを覚えています。

そんな状態だったので就職活動で自身のPRポイントを準備する時も、それぞれの場で出会った人達から「あなたってこんな人じゃない?」のポイントを教えてもらい、自分が理解・納得できるものをかき集めて自己評価をしていました。

なのでMINTのmind hackの3週間も「私のパーパスは多分こんな感じだろうな〜」とぼんやり考えて臨んだのですが、想像していた以上のものに出会え、その過程も忘れられない体験となりました。

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↑ mind hackの3週間で作成したものの一部
自分が納得するパーパスステートメントが出来上がる一歩手前までのステートメントは「経験を武器に、レベルアップ仲間を増やす人生をクエスト」。ドラクエの世界観をイメージしていました。

パーパスを探る過程で、これまでに経験してきた自己分析と大きく異なると感じたのはNVC(Nonviolent Communication:非暴力コミュニケーション)の手法を使っての対話を経験したこと。

具体的にどのようなことを経てパーパスを掘り起こし定義していったか?というと

1)  1週間、感情にだけフォーカスした日記をつける
2) これまでの人生を写真や画像を使いビジュアルで表現する
3) 人生の良かった時、悪かった時のアップダウンのグラフを作る

これらをNVCの手法を使い集まった同期やコーチと対話を重ねました。

NVCとは「観察(Observation)」「感情(Feeling)」「ニーズ(Need)」「リクエスト(Request)」の4要素に注目するコミュニケーション手法。
頭で論理的に考えて答えを出すのではなく、相手の「感情」や「ニーズ」も寄り添い感じ取ることが通常のコミュニケーションとは異なる点です。

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(参考:感情とニーズリスト 出典:NVCジャパン・ネットワーク

子どもの頃好きだったこと、直面した正念場、ずっと大切にしてきた価値観…これらをセッションの中で開示してゆきます。正直、過去の自分と対峙し当時の感情を呼び起こすことは簡単ではない場面もありました。しかし、自分の言葉で伝えたものが、相手の反応を見聞きすることでより一層解像度が上がり、ずっと思い出すこともなかったような小さなエピソードまで呼び起こす。そして、点と点が線となり、その延長線上で今の自分に繋がっているのだ、と言う感覚を何度も体験することができました。

「対話とは相手を通じて自分自身を知ること」

この言葉が腹落ちできたのも、今までの自己分析との違いを実感できたのも起きた出来事や結果に注目するだけでなく、その時の感情や望んでいた状態(ニーズ)まで深堀していったこと、そして、その自己開示を参加者が同じ条件で安心安全な場所で行うことができたから。

自分の発言を相手が情景や感情まで感じ取りながら聴いてくれ、その相手のフィルターを通した言葉やそのイメージ、インスピレーション、感情のフィードバックをもらう。そのフィードバックを聞くことで点と点だったものが繋がり、また眠っていた感情や当時のニーズまで呼び起こしてくれる。私という人間が生まれてから今まで貯めてきた人生の深い海にダイブして、海底に眠る宝のピースを見つけていくような、少し怖いけれどでも楽しい体験でした。自分だけでなく、同期たちも「ハッ」と宝のピースを見つけた瞬間に立ち会えたのもとても心が動く体験でした。

mind hackを経て出てきたパーパスステートメントは

「P2P(Piece to Peace) ピースをつなぎ 旅のように人生を楽しむ」

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↑mind hackの3週間が終わった直後は「ピースをつなぎ、様々な景色を旅をしながら楽しむ」でしたが、その後インパクトデーに向けて内省を深めるうちに現在のパーパス(P2P・・)に行きつきました。

私が見つけた宝のピースは自分が3,4歳頃の記憶です。
家業を営む祖母の家でお店に来る様々な人に会うのが嬉しかったこと、お客さんの困りごとを解決する祖父や叔父たちがスーパーマンのように見えていたこと、大叔母と食べられる野草(野蒜など)を里山に取りに行くのが宝物探しのように楽しかったこと…自分は両親だけでなく様々な人たちとの関わりを経てここまで生きてこられたのだ、と、その繋がりに感謝し自分はこれからもお世話になった人達からのバトンをつなぐ必要な存在なんだ、と自分の存在意義を再確認することができました。

このことに気がつけたことで

「この人生を通じて成し遂げたいことは何か?」

という問いもポジティブに対峙できるようになりました。




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