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本当の気持ちは、心の奥の奥


幼少期になんらかの理由で愛情が不足していた、あるいは機能不全家族のもとで育った方に向けて書いている記事です。こういう状況で育った方は、人間関係や子育てを通して生きづらさがあるためにしんどくなる場合が多いと思います。
このマガジンでは、そういった方に向けて例を挙げながら書くことで、一緒に考える機会を作っています。読む時は、ご自分の立場に置き換えて考えていただけると読みやすいかと思います☺️

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夫の仕事は、すごく忙しい時期があります。

監査や決算の時期は、一緒に夕食も食べられないし、いつもなら夜には娘のお世話をバトンタッチできるのに

残業続きの時は、それもできません。

夜中に帰ってきて、次の朝も顔を合わせられないまま早い時間に出勤する日もあります。


そういう時、私は疲れきっています。

夫も同じく疲れているから、もちろん不満は言いません。

たまにカタコト使ってしまうけど、、、(その記事はこちら)

この前の晩ごはんは、餃子でした。

うちの子ども達は、青じそたっぷりの手作り餃子が大好きなので

私がタネを作り、皮で包むところまでやって

夫が帰ってきてから餃子を焼いてくれてみんなで食べるのがお決まりパターンです。

でもその日は 夫が遅い日で、晩ごはんの時間に間に合わない。

私は仕方なく、あまり得意ではない

餃子を焼く作業に取りかかりました。


そしたら、餃子の皮が見事にフライパンにくっついてしまって
なかなかはがれ落ちなくて………

やっとの思いで皿に載せた餃子は
焼く前のキレイな形どこいった?って感じの状態になってしまいました。


あ、そういえばこのフライパン、そろそろ寿命だから買い換えようねって話してたとこだったんだ!!

よりによって焦げ付くフライパンのタイミングで 苦手な餃子焼きなんかやるからだよ・・・

なんで帰りが遅い日のメニューに餃子をチョイスしたんだ私。。。
と、自分に突っ込みを入れながら


夫にラインしました。

真っ黒こげでぐちゃぐちゃになった見た目の悪い餃子の写真を添付して。

餃子がひっついてあわれな姿になりました。
もうこのフライパンとはお別れしたいです。


そしたら夫から、わりとすぐに返信がきました。


新しいフライパン買おうね。
今日は8時までには仕事終わらせる!


夫からの8時帰宅の返事を読んで少しだけ肩のちからが抜けた私は


娘の昼寝用の布団にパタンと倒れ込みました。


もう、夫の帰りが遅い日が続きすぎて
1人で育児、家事、掃除に追われて
疲れの山が噴火寸前でした。


私はまるで サスペンスで 殺された遺体がうつぶせになっているような

スパイダーマンが壁を昇る体勢をそのまま横にしたような状態で

ただボーッと、目だけ開けていました。


数メートル先には、テレビの前で娘がちょこんと座っているのが見えます。


ちょっと視線を移して自分が伸ばした右手の先を見ると

そこには、娘のアンパンマンシリーズのぬいぐるみ達が座っていました。


私はふと、そのうちの1つを手に取ってみました。

しょくぱんまんです。


そのしょくぱんまんが

あまりにも口角があがってニコニコしているように見えたので

私はふいにそのしょくぱんまんを両手で掴みながら



自分に向かって動かしてみました。


「やぁ、どうしたんだい?」

すごい小声で、しょくぱんまんの声マネをしながら自分で自分に話しかけてみたんです。


そしたら、、、あれれ


急に涙がこぼれはじめました。


あらま、なんでだよ私。


疲れが溜まりすぎただけでこんなんなる?


そう思うと同時に、心の中で 涙の原因に気づきました。


私、本当は身体が疲れてるんじゃなくて

寂しい自分に疲れてるんだ。


正確に表現すれば

夫の帰りを待つ寂しい自分と
幼い頃、夜仕事に行く母親の帰りを待っていた寂しい自分の姿が重なって


あの頃の、もう2度と会えないんじゃないかっていうものすごい不安な気持ちを再体験してしまって、それが苦しかったんです。


今の私なら、この寂しさは耐えられる寂しさだけど

3〜4歳の自分には、とても耐えられない重苦しい寂しさでした。


そしてその重苦しい寂しさで押しつぶされそうな時

いつも支えてくれたのは、絵本の世界でした。


絵本の世界に入っていけば、必ず誰かが話しかけてくれる。


「やぁ、どうしたんだい?」


しょくぱんまんを使って自分に話しかけた、そのたった一言で


幼い頃の記憶と感情が一気に蘇ったことによって、涙があふれた。


心の奥にしまっていた、本当の気持ちに気づいた時です。


生きづらさがある人なら、誰にでもこんな瞬間あるんじゃないかなって思います。


たまたまフラーッと入った居酒屋で出会った人と
たわいもない話をしてただけなのに、なんか急に泣けたり


信号待ちで たくさんの人が立っている時に 急に胸が苦しくなって
信号が青に変わっても 自分だけ進めなくなりそうになったり


運転していて ラジオからたまたま流れた曲が めちゃくちゃ懐かしくて
それなのになぜか、それ以上聴きたくなくなって止めてしまったり


そういう時って きっとこういう流れだと思うんです。


自分ではもう取り出せない場所に置いてある記憶の箱があって


その箱の中に、昔、どうしようもなくて無理やりしまい込んだ感情があって


もちろん箱にはカギも閉めていて。


その感情の箱のカギが、姿形を変えて目の前に現れるんです。


匂い。雰囲気。シチュエーション。

音。誰かの表情や言葉。

それはいろいろなんだけど


ふとした時にそのカギが開いて、箱から一気に感情があふれ出す。

日常で自分が感じている怒りとかネガティブな感情の半分くらいは


こういう、奥の奥にしまい込んだ気持ちがきっかけで起こるんだろうと思います。


専門用語では、一時感情、二次感情と言われていますが


自分がなんとなくモヤッとする時は


そのモヤに隠された、もうひとつの感情がそうさせているんだって気づくだけでも、少し気持ちが楽になってきます✨


カッとなってしまう時。

涙ばっかり出てしまう時。

無気力になる時。。。

そしてそんな自分が嫌でたまらなくなって


途方に暮れたような気持ちになってしまう時。


そんな時は、それ以上自分を責めなくていい。


自分の気持ちが落ち着くまで

そのままその感情にひたっていてもいいと私は思います。


何かや誰かのせいにしたらいけないことも分かっていて

それでもそれができなくて苦しい時は

その根っこの気持ちが心の奥にしまいこまれすぎていて、解放できない状態になっているから。


そんな複雑な感情なんだから、自分でも分からないし、まして他人になんてもっと分かるわけがないんです。

だから、無理にわかってもらおうとか、必要以上に申し訳ないとか思わずに

自分の気持ちだけを見つめてあげる時間を作ってあげたらどうかな✨


幼少期に埋められなかった愛情は、そんなに簡単には埋められない。。


焦らず、あきらめず、自分の心に少しずつ

あったかいものを詰め込んでいけるように。


そのために、まずはしんどかった気持ちに気づいて、それを解放するところからだと思います。


あなたの心の奥の奥にしまいこんだ感情はないですか。


もし、ふとしたきっかけで抱えきれないぐらいの寂しさや不安、悲しみに気づいたら、その時はそれを優しく見つめてから解放してあげられるといいなと思います。


自分のモヤモヤの正体に気づくきっかけは

高価なモノでもなく

あなたが執着している相手でもなく

特に意識していないモノゴトの中にあるのかもしれません。


私が娘のぬいぐるみに助けられたように✨

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読んでいただきありがとうございました。





私の書く記事は多分、伝わる人が限られています。いじめ、機能不全家族、HSP、病気などの記事多めなので。それでも深くせまく伝えたくて書いています。サポートとても嬉しいです。感謝します。コメントも嬉しいです🍀