不登校タグ

イベントレポ:不登校は不幸じゃない

どうも。

noteのハッシュタグ企画が、イベントレポだったので、今回お手伝いしたイベントのレポをしたいと思います。

SNSから起きた企画が、実際に実現しました。全国100カ所と書いていますが、100カ所以上で開催されたそうです。私は大阪北区会場のサポーターとしてお手伝いさせていただきました。

本当は準備段階から書いても良いのでしょうが、今回はイベントレポということで、本番について書いておこうと思います。

本番
8月19日(日) 13:00~17:00 @ミライエ南森町

当日は12時過ぎに現場に到着しました。主催者と取材の方が打ち合わせしていました。今回は2社からの取材がありました。当初想定していたよりも大きな取材です。

私とお借りした施設のスタッフの方と出来る準備を進めつつ、打ち合わせが終わるのを待っていました。その後、当日のプログラムの具体的な内容を聞きました。参加者を考えて、内容を変更していたので、プリント配布ではなく、ホワイトボードでの掲示に切り替えました。

その後、参加者の方々が集まり、13時より開始しました。

最初は代表挨拶を行い、スタッフの簡単な自己紹介をしました。そして、全国一斉配信の発起人のライブ配信をみんなで見ました。それから、参加者の自己紹介をしていただきました。みなさん、簡潔に紹介してくださったので、非常にスムーズに進みました。

その後、グループトークをしました。進行役を務めました。様々な立場の人を混ぜてグループを分けたので、非常に多岐にわたる意見交換ができました。

最後はトークセッションで、様々な立場からの意見を話してもらい全体共有をしました。

10代から60代まで、様々な立場の方々が「不登校」というキーワードについて意見交換できたので、非常に有益な場になりました。

休憩時間には、様々な人が自主的に交流していました。さまざまな立場の人が居るので、お互いに話がしたいという欲求が非常に高い場所でした。教員向けの研修の場では、基本的に教員なので、新しく話そうという気はあまり起きません。知り合いが久しぶりーと会話するような場面は見かけますが、今回のイベントのような風景はあまり見られません。

終了後もあちらこちらで、どんどんと話をし、連絡先を交換し、今後もよろしくお願いしますといった感じでした。本当に素晴らしいと思います。不登校のお子さんをお持ちのお母さんの参加もありましたので、本当よかったと思います。

そして、その会の中で二つのことが大きく残っています。

一つは、小中学校は、学校に行けなくなってしまうと代わりになる場所が本当に少ないということ。フリースクールがあるとはいえ、公立学校では名前を出すことすらはばかれるという事実。それを伝えると、責任を放棄したと言われ、メンツのために言えない状況があること。非常に苦しい状況だろうなと思いました。
高校では、進級が出来ない、卒業が出来ない、学校に行きたくない、色々な理由で学校を離れる場合、通信制の学校や定時制の学校という選択肢があります。全日制の場合はまだ選択する余地がある分、苦しさは紛れると思いました。義務教育ではない以上、行かずに他のことを極めることでも十分可能です。
その点、小中学校の時に、学校が合わない、学校の意味が分からない、気力が無くなって動けなくなってしまった、様々な理由でいけなくなってしまうと逃げ場がありません。仕事で精神的に追い詰められたとしても辞めることができます。でも、義務教育は辞めることができません。出来ることと言えば、「学校に行かない」しかないのです。
「学校に行かない」が選択肢となる場合と「そうせざるを得ない」場合のどちらであっても、息苦しさは変わらないと思います。そういう子どもの「セーフティーネット」が必要であるということが非常によく分かりました。

二つは、どこかで歯車がかみ合っていないことが、不登校を長引かせる、もしくは確実なものにしてしまうのだと思いました。基本的には、不登校になった時点では、保護者の方は学校と話をすることが多いです。(中には最初から関わるなと言う場合もありますが・・・)そのときの対応のまずさというのが、実体験として聞けました。
担任の力量の無さも問題です。しかし、これは新米教師である場合も有り、一概に全て責任を押しつけるのはいかがなものかと思います。チームで取り組むという言葉が現場ではありますが、学年主任も入ってチームで話し合いをしても、「何も出てこなかった」という現実があるようです。
これではチームである意味がありません。というよりは、チームの編成ミスです。そのことから、どんどんと状況は悪化していきます。
また、先ほどと同じことに関わってきますが、他の期間への連携がうまくいかないということもあります。ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーが入ってもうまく行かないことが多いそうです。教育的視点と福祉的視点では考えが異なるので対立することが多いそうです。
実際に話し合いの場でも、グループの内容をまとめているだけでも、福祉関係者からは「教育者の視点は・・・」という枕詞で批判され続けました。私自身の立場を明確にしていなかったこともありますが、かなり根深い問題なのだなと思いました。私の勤務校にはソーシャルワーカーの方はいないので、関与の仕方を初めて知りました。
横の繋がりがうまくいくともっと変わる部分があるというのは非常に納得がいきました。全てが解決するとは思いませんが、少なくとも今の現状よりはマシになると思われるという程度です。

全体の意見で最も多かったのが、現行のシステムそのものが今の世の中に合っていないという問題です。教育システムが旧来のままなので、今のような世の中の風潮、働き方、生き方に合わなくなっているのです。
主体性をそぎ落とし、指示通りに動く、勤勉な人間性を育てることを主とした教育方法でありながら、「主体的に」なるように求めている現代なので、システムと理想が矛盾をはらむ状態になっています。

これは学校に言っても変わりません。制度そのものを変えようと思うと、もっと上に言わなければなりません。システムそのものを作り替えられるくらいの場所です。そのためにも、声を、行動をしていくしかないということでした。

中には面白い意見もありました。制度を変えるのは時間が掛かるし、なかなか動いてもらえない。だったら、新しい制度を作れば良いという発想でした。確かにそうだと思います。新しい制度が出来れば良いと思いますが、それが制度に組み入れられないのであれば、結局外野のままです。
かりに、小中学生の居場所を作ったとして、フリースクールが少ないながらも出席日数に入れてもらえる場合が有り、通級指導教室も同じような立ち位置にあったとして、そこに新たに第三の居場所を作った場合、同じように扱ってもらえるのかという問題に当たります。
もし外野のままで良いのならば、塾で学習面を補強すると変わりません。だから、その心意気は非常に素晴らしいと思うのですが、私は、それを制度として認めてもらえるにはどういう手を打った方が良いのかを考えてしまいました。

居場所が少ないことは変わりないので、本当に必要だと思います。制度的な物、法律的なものの知識のある人間がもっと必要だと思いました。若くてパワーのある人が多いのですが、それ故に頼りない部分も見えたので、その部分で手助けできたらいいなと思いました。

間違いなく、今回のイベントのおかげで、今までに無い視点や刺激を得られました。そして、参加者考えていくきっかけになったことは変わりないと思います。今回だけで終わらずに、今後も考えていけるようになると良いのですが、そこまでの企画は今はできていません。今後の課題にしたいと思います。

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