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ひらきかた

枚方には編集を学びにやってきました。岡山からバスに揺られて3時間。
他の参加者は、北海道に新潟に長野。そして沖縄に高知と様々な場所から集まりました。目的は編集を学ぶことでした。

街を歩いて取材させてもらう。そして文章を書いてZINEを作る。
その目的の為に枚方市にあつまった。
2時間の講義の後、「みんな頑張って!」と見送られ、はじめましての仲間と一緒にいろんな初めましてを体験する冒険に出かけました。

面白そうなおみせや施設、人を探そうと、目を皿のようにして歩いてみた。
商店街はないか活気はあるか。なにかの老舗はないか。
面白い看板や装飾も見逃すな。
そんな風に考えながら歩きました。

明日の新聞を壁に掲示してある新聞社や、108歩先に人生の交差点があると書いてある街灯看板をみつけた。
地元であれば気にも止めない。むしろ気がつかないものが沢山見つかった。

どうして興味を持ってもらおうと努力をする街と、余裕のない人はすれ違ってしまうのだろう。そう感じながらも、さらにさまよい歩いた。

初日の夕方には、持ち帰った題材をグループごとに発表した。
他のチームもみんな面白い人に出会った話だった。
この頃にはみんな、枚方を好きになっていたのかも知れない。
初めましての枚方が、あの人がいる街、枚方になっていた。

このころには原稿を作りに来たのか、出会ったあの人のことを好きになりに来たのかが分からなくなってきていた気がします。

編集って何だったのだろう。
入稿がやっと見えてきた今、振り返ってみる。
好きなことと過ごす時間の長さ?
いや、これではうまく伝えられていない。
好きなことに出会えたことを喜び、噛みしめること。更にはそれを探すこと。その過程で思いついたことをやること。
それがきっと広義の編集。

だから、この冊子は「ひらかた」を題材に編集を実践したZINEですと胸を張って言える。
題名は枚方の漢字をひらいた「ひらかた」に、僕らの活動を加味して「ひらきかた」とした。
この本を手にとって下さった方が、枚方をより楽しめるように。
そして気になる地域でやってみることができるように。
街を好きになる過程とその結果をまとめたつもりです。

#草稿公開 #編集

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