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  • ヒメヒナ物語『Refrain』

  • アズリム物語『だれかの心臓になれたなら』

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ヒメヒナ物語「Refrain」について

ヒメヒナ物語「Refrain」をご覧になってくださっている皆様へ 「更新をしばらくお休みさせていただきます」というお知らせです。 「しばらく」がどのくらいかと言うと、「次の更新が、二年くらい先になってしまうかもしれません」という感じです。 というのも、知り合いが起業する会社に、来年から参加することが決まったからです。 そういうことをするのであれば、最低でも「はじめの二年間」は、自分の人生のすべてを賭けて、その仕事に全力を注がなければならないと思っています。 そうした

    • ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第七話

      ◆ 目次 第七話 残響 ††† まるで、ぜんぶ死んだみたい。 病室の中で看護師さんが動き回っているのに、なぜかそう思った。 空気を入れ替えるために開け放たれた窓から、冬の朝の冷たい空気が吹き込んで、カーテンがバサバサと揺れている。 「あれ?おかしいですね。親方さんから何も聞いていませんか?」 慣れた手つきでシーツを引きはがしながら、顔なじみの看護師さんは言った。 「ヒメちゃんの転院のこと」 真っ白な部屋。 もう半年以上通い続けた病室。 そこにヒメがいないだけ

      • ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第六話

        第六話 田中?ヒナヒナにしてやんよ! ††† 「このまま容態が安定するようなら、一週間ぐらいを目処に一般病棟へ移れるでしょう」 緊張に張りつめていた親方の背中から、ほっと力が抜けたのが分かる。 「あの…ヒメちゃんの意識は…」 「正直なところ、まだわかりません。大きな事故でしたから…」 「そうですか…」 親方との気詰まりな空気をふっと変えるみたいに、医師はヒナに視線を向けた。 「ところで…昨日よりもずいぶん良い顔をしていますね。別人のようです」 「ヒナ、自分にで

        • ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第五話

          第五話 みとらじSS @病院の屋上 ††† 「ヒナ…寝ちゃって……ねえ美兎ちゃん!ヒメ!ヒメのところ、行かないと!」 「まあまあ。さきほど親方さんにお会いしましたが、峠はこえたと」 「ほんと……?」 「ええ。鈴木の歌が届いたんじゃないですか?」 「ぅ………ぇええええ……良かった……良かったよぉ…………」 「よしよし。鈴木、頑張っていましたもんね」 「ぐすっ……そんなこと……ないよ」 「わたくし、中島さんから連絡をいただいて、わりと夜中から見ていたんですよ?その

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        • ヒメヒナ物語『Refrain』
          9本
        • アズリム物語『だれかの心臓になれたなら』
          1本

        記事

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 目次

          プロローグ「星空の狭間」 第一話 『鈴木フロ』 第二話 『消えない赤色』 第三話 『命』 第四話 『星に願いを』 第五話 『みとらじSS @病院の屋上』 第六話『田中?ヒナヒナにしてやんよ!』 第七話『残響』

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 目次

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第四話

          第四話 星に願いを ††† まぶしい…… まぶたの奥に赤色はもう見えない。 夢に出てきたナースさんの処置が効いたのかもしれない。 バタバタと、何人もの人が慌ただしく廊下を行き交う音がする。 「ヒメ!」 跳ねるみたいに飛び起きると、瞳のなかで、像がかたちを結んだ。 声を飲む。 その姿を見たら、息ができなくなってしまった。 ベッドにのせられ、目の前を運ばれて行く真っ白なヒメの顔。体にかけられた毛布の下からは何本ものチューブが伸びている。酸素マスクを被されたその顔に

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第四話

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第三話

          第三話 命 ††† 「ヒメならなれるよ、太陽に」 夕暮れの河原でそんな風に言ったのは、いつだったろう。 もうずいぶん昔のことみたいに思える。 −−−−寒い まだそんな季節でもないはずなのに、ぶるりと寒気がして目が覚めた。 (いけない!!ヒナ、眠って……) 慌てて廊下の奥、手術室を確認する。 手術灯は−−−− 「あれ?」 手術室がない。 手術室どころか廊下も壁もない。 顔をあげると、抜け落ちた天井から満点の星空が見えた。 「……爆発?」 病院に仕掛け

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第三話

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第二話

          第二話 消えない赤色 ††† 気付けば、壁の前に立っていた。 壁は、顔のすぐ目の前にあった。 ぎょっとして少し後ずさると、 壁だと思っていたものは扉だと分かった。 真っ赤な電光掲示板には「手術中」の文字。 (……パジャマだ) 自分の格好に気付く。 スマホがない。 財布もない。 (……痛っ) ぎゅっと握り込んだ拳の爪が、てのひらに突き刺さって痛い。真っ白になった指を、ほどくようにゆっくり開くと紙切れが落ちた。くしゃくしゃの紙を拾うと、よれよれの文字で病院の住所が書か

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第二話

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第一話

          第一話 鈴木フロ ††† (ヒメになんて言おう……) ブクブクと、顔半分をお風呂につけて思案する。 きっかけは、ささいなことだった。 ほんの少しのすれちがい。ケンカなんて呼べるものではないと思う。だけど、ヒメに悪いことをしてしまったような気がして、ジップロックに入れたスマホに手を伸ばす気にもなれない。 ヒメはきっと、怒っていない。 こんな風に、ヒナが気にしているなんて、思ってもいない。 だから余計に、もやもやする。 ヒメになんて言ったら、この気持ちが伝わるのかな

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | 第一話

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | プロローグ

          プロローグ 星空の狭間 ††† 「いいんですか?本当に」 ここまで導(みちび)いてくれたのは彼なのに、 取り返しのつかない罪を犯したみたいに『親方』は言った。 「うん。だってこれは、ヒナにしかできない−−−−ううん。ヒナが、絶対にやらなきゃいけないことだから」 「……ヒナちゃん」 真っ黒に日焼けした親方の顔。 笑ってできるはずの目尻のシワが、今は辛そうにゆがんでいた。 −−−−本当に優しい人。 悲しそうなその顔を見ていられなくて、ヒナは振り向いた。 「それじ

          ヒメヒナ物語『Refrain』 | プロローグ

          #アズリム物語 『だれかの心臓になれたなら』(前)

          あのアイドルみたいに、僕は嫌だと叫べたらいいのに。 −−−−嫌だ。 嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。 はじめは怖くて、すくみあがってしまった心。 だけど、これが夢へと踏み出す第一歩ならと。 勇気をもって踏み出したその先に、 待っていたのは、暖かい心で受け入れてくれる人たちだった。 −−−−センパイ アズリムのことを、大事に思ってくれるひとたち。 アズリムのことを見て、元気が出たよって言ってくれるひとたち。 何をしたら、喜んでくれるかな? 何をしたら、楽しんでくれるかな?

          #アズリム物語 『だれかの心臓になれたなら』(前)