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キム・ジョンミ(とシン・ジュンヒョン)まとめ

キム・ジョンミ(김정미):70年代に活躍した韓国の女性歌手
シン・ジュンヒョン(신중현):60年代にデビューしたギタリスト、通称「韓国ロックの父」

2022年現在、Apple Musicだと3枚のアルバムを聴くことができます

1971年、映画の曲でデビュー

「待合室の女 (대합실의 여인)」という映画の曲でデビュー。バックバンドはシン・ジュンヒョンとThe Golden Grapes

当時はすでに有名だったキム・チュジャ(김추자)と歌い方が似ていて、「第二のキム・チュジャ」と呼ばれていたらしい


ちなみにThe Golden Grapesはシン・ジュンヒョンにより1971年に結成されたサイケロック?バンドらしい

1972年、レコードデビュー

この年に発売された「신중현 SOUND Vol.2」というタイトルのA面がデビューのレコードとなったようです。上記と同様、バックバンドはシン・ジュンヒョンとThe Golden Grapes

同年、「キム・ジョンミ最新歌謡集(김정미 최신가요집)」というタイトルのレコードを発売。バックバンドはシン・ジュンヒョンとThe Men

このレコードの「行くと言わないで(간다고 하지마오)」がヒットし、「行くと言わないで / 違うわ (간다고 하지마오, 아니야)」というタイトルでレコードが作られた。(このアルバムは多分新曲なさそう?)

1973年、「風(바람)」と「Now」発表

前作から1年の制作期間を経て新曲のアルバム「風(바람)」を発表

そして同年、「Now」を発表。この2枚で音楽性や歌唱法がよりサイケによった感じ。

「Now」は海外人気も根強い名盤。ジャケットはサイケを意識してシン・ジュンヒョンによって撮影されたもの

ちなみに、「A Tribute To 신중현」というトリビュートアルバムで「바람」や「봄」などの曲がカバーされている(この2枚、特にNowがやはり人気のよう)

この2枚は曲が結構被ってる

1974年、「これはあんまりじゃないですか/葦」発表

「これはあんまりじゃないですか / 葦 (이건 너무 하잖아요 / 갈대)」

リフ曲中心のロックなアルバム。以下のリンクの情報を見ていると、Apple Musicでの曲は当時発売されたものとは違うよう

バックバンドはシン・ジュンヒョンとヨプチョンドゥル(신중현과 엽전들)

以下はヨプチョンドゥルによる「雨の中の女 (빗속의 여인)」という曲のセルフカバー(シン・ジュンヒョンはAdd4というバンドで1964年にこの曲の入ったレコードでデビューした。Add4は韓国最初のロックバンドと言われている)

キム・ジョンミのアルバムと同様ベースラインが特徴的なリフの曲となっている

1975年、シン・ジュンヒョンが大麻疑惑で拘束され活動が停止

歌謡以外の音楽を敵対勢力として考えていた当時の政権により、作曲やプロデュースを行っていたシン・ジュンヒョンが大麻所持の疑惑で拘束され、音楽活動停止となってしまう(同じような理由から、イ・ジャンヒハン・デスといったミュージシャンも韓国内での活動ができなくなってしまい、結局はアメリカに渡ることとなる)

この時期、ロック音楽の放送なども禁止されたことにより、今につながる後の韓国の音楽文化に大きな影響を与えたとされている

というわけで残念なことに、キム・ジョンミも新しいレコードを発表できなくなってしまう

1977年、「私は馬鹿みたい(나는 바본가봐)」を発表するも、引退

シン・ジュンヒョンがいないまま、少し時間を空けて新しいアルバムを発表。前作のサイケデリック・ロックとは異なり、デビュー当初のような歌謡曲調となった。バックバンドは地球専属楽団(지구전속악단)という、発売元である地球レコードのバンドだったよう

このアルバムのB面の1曲目は、ジャニス・ジョプリン「Move Over」のカバー(「私は本当に知らない(난 정말 몰라요 )」というタイトル)


しかし、前作までに築いたサイケデリック・ロックからの元の歌謡路線への転換は歓迎されなかったらしい。

シン・ジュンヒョンが当時活動できなくなってしまっていたこともあるのか、このアルバムを最後に音楽界を引退してしまう

それ以降、アメリカに渡ったという情報が知られているものの公に姿を現すことなく、アルバム(特に「Now」)だけが有名になっている現在の状況となっている

1978年、「独集 初めて会う / 夕方の牧場(처음만나/저녁목장)」発売

時系列的には引退後に発売されたもののようですが、詳細は調べきれていません... 引退前の未発表の曲を集めているんでしょうかね

おわりに

キム・ジョンミはパール・シスターズのファンで、Jefferson Airplaneも好きだったらしいですが、このカバーがきっかけだったりするのだろうか...


参考
http://www.maniadb.com/artist/102197

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