高校生ユーザーが見る教育アプリ(Classi)の欠点 (4分)


こんにちは!hoikoです。

今回は、eスポーツ関係ではなく学校全校生徒に使用をすすめている、アプリケーション「Classi」について書いていこうと思います。一部、愚痴っぽいところがあるけど許してね:)


【予備知識】そもそもClassi(クラッシー)とは?

ベネッセコーポレーションよりリリースされている、学校を取り巻く様々なことに、ICTを利用してサポートするアプリケーションです。

学習面だけでなく、連絡や面談など、様々な用途に合わせたコンテンツが用意されています。


主なサポートの視点としては

・コミュニケーション
連絡はペーパーレス化することで、時間も業務もコストカット

・アクティブラーニング
反転授業や、生徒の解答状況や理解度の即時把握が可能に

・アダプティブラーニング
ベネッセのテスト結果や『Webテスト』の理解度と連動した最適な動画・問題をリコメンド

そして、以前自分の記事にも出てきた
・ポートフォリオ
生徒単位で、テストの結果や活動記録を集約、データを見ながらの面談指導を実現

があります。どれも今までにない、新しい形の教育コンテンツです。


自分の学校では、主に
行事の連絡・報告、落とし物連絡、学期末の振り返り、テストの連絡
等に使用されています。



【はじめに】Classiをもっと

ひとつ思うことがあります。
自分の学校には、生徒が主体となって形成される大きなコミュニティがありません。生徒会や文化祭委員会、体育祭委員会なんかはあっても、委員と一般生徒の間には何とも言えない冷たい壁があります。

今年度から共学化をし、あらたに教育目標を設定してすがすがしいスタートを切った自分の学校でしたが、生徒が主体となって行ういわば「代表委員会」というようなコミュニティは存在しておらず、もし存在していたなら、自分を含めた同期生がそれすらも認知されていないという事がわかります。

そこで、全校の生徒が1度は目にしたことがあるClassiをはじめとする教育アプリの可能性というものを、自分の体験談・学校のことを交えながら書いてみました。




【課題1】コンテンツに魅力がない



この画像は、2018年4月28日にClassiにて学年主任からの投稿です。
画像を見る限り、「217人」が見ましたボタンを押し、この投稿を確認しています。

ですが、続いての画像は、先日2019年3月7日に同じ先生から投稿されたものです。
こちらは、「49人」が見ましたボタンを押してこの投稿を確認しています。

この約一年間で、明らかに利用率が減っており、同期生は1200人以上いるにも関わらず、その中での217人というのは全体の20パーセントにも及びません。49人というのはたったの4パーセントにまで下がってしまっています。すごい右肩下がりです。

これは、生徒がClassiに興味がなくなった。と言い換えることができます。


学校でWifi環境を用意し、ホームルームなどの授業時間を使ってClassiの入力時間としてスマホに向き合わせる。すると、生徒たちがスマホに顔を向け始める。

ここまではシナリオ通りでしょう。しかし、先ほどの画像を見てもらえばわかる通り、確認の数がとても少ないです。


なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。


それは、単純に「コンテンツに魅力がない」からです。


つまり、

UIが退屈。
UXが退屈。

ということ。具体的には、


Q.デザインが白と青と黒ですっきりしている。(先ほどの画像参照)
A.それは学校への営業向けのデザインです。

Q.一度にたくさんの人へ配信ができる。
A.それはあまり自分に関係ない興味がない内容が多いという事です。

ということです。簡単ですね。


生徒たちにとってゲームアプリやインスタグラムなどのSNSは基本アンインストールされません。それは、やっていて楽しい。有意義だと思い、魅力的だと感じるからです。それゆえにそれらは彼らから離れることはなく、利用率が減少することはあまりない。至って簡単なことです。

それと違い、教育系アプリは発信者である大人たちが思っているほど受け入れられるものではありません。生徒たちは、アプリに対して魅力的か魅力的じゃないかを求めるのです。いくら効率的で学習管理によいとされていても、彼らが感じるのは「退屈だ」ということです。ましてや、自分たちのスマホでそれらの作業を行う。そのため、教育アプリを使う時間よりSNSを使う時間のほうが多くなるのは必然的なことです。

デザインが優れていないのなら、内容でその穴埋めをすべきです。それすらも気づいていない先生が多いでしょう。



【課題2】本当に紙資源節約のためのClassi?


記事の冒頭でお伝えした通り、配信される内容は
行事の連絡・報告、落とし物連絡、学期末の振り返り、テストの連絡
などです。

ここで気になるのが「学期末の振り返り」と「テストの連絡」です。


まずは「学期末の振り返り」から。

学生の方は記憶に新しいと思いますが、一年を通して行事の時に書いたり学期末に書いたりする30ページくらいの冊子があると思います(あゆみみたいな名前の)。今までは、冊子に行事の振り返りや教科ごとの振り返りをしていた。それを卒業時の調査書とかに書いていた。中学生の時は自分もそうでこれが普通だと思います。

それって、自分の学校でもあるんですよね。

え?

ってなります。Classiを導入している学校でなぜまたそれなのか...

Classiのほうでも、学期末のに近づくと教科ごととかで振り返りのアンケートが配信されます。データとして残せるなら保管場所は取らないし印刷費もかからない。パソコンで作ってそのまま配信できるClassiのほうが何倍も資源や手間を省けるのではないか。


もう一つは、「テストの連絡」について。

自分の学校は、習熟度レッスンというものがあり、6つのクラスが3つの授業レベルが用意されています。定期考査や校内・校外模試でレベルが分かれる仕組みです。そのため、ホームルームで隣の席のあの子とは朝のHRとランチタイムと帰りのHR以外に顔を合わせない日だってあります。

そのためか、全体連絡として先生が自分のレッスン向けに宿題やテスト範囲を配信することが多々あります。

なのに、シラバスという学年の単位の流れを示す厚さ10cm程の冊子は配布するのだ。意味が分からない。テスト範囲はほんの20秒くらいで全部が書けるほどのものだ。なのに、シラバスは毎学期ごとに配布をしている。それこそ紙の無駄遣いだ。生徒にとって混乱を招くし、統一してほしいですね。(本題と違う)



【解決策】2時間でできる生徒のやる気UPの方法


Classiの本来の有効的な使い方は、紙資源の節約にもありますが、最もは

学校と生徒がお互いに情報をシェアし、コミュニケーションをする。

だと思います。また公式HPの記載では、

体育祭や文化祭の事前準備の相談や意見交換が簡単にできる。

まさにこれが最終的な形であり、1番の使用する目的であると感じます。


紙資源を節約するために生徒一人一枚に紙を配布する制度は廃止されたのではありません。それだけが目的ならば、わざわざアプリの導入をせず、一枚の紙を全校の掲示板にでも貼っておけば一瞬で済む話です。

学校と家庭間のやり取りを一方的な紙ではなく、お互いに発信をして有効な活用をができる。そういうことです。

バザーなど保護者参加型のイベントでは、学校から家庭へ一方的に紙を配り、紙で家庭から学校へ返信をするのではなく、これこそ保護者向けにClassiのグループを作り、学校と家庭のどちらからでもできる報告・連絡・相談の場所を用意すべきです。そうすれば、スマホで手軽にイベントの詳細を見ることができ、保護者のなかでコミュニティができやすくなります。その結果、もっと行事への参加率が高くなり、活性化ということにつながるでしょう。

保護者間だけでなく、生徒間にも同様のことが言えます。


つまり、学校から生徒への一方的な形ではなく、生徒も保護者も自由に同じ学校の人とつながれるようにすべきです。


先ほどにも言いましたが、自分の学校には生徒主体のコミュニティがありません。Classiには、生徒が発信する機能があるものの、制限がかけられていて自由に使うことができません。とてももったいないです。生徒の学習に対する意欲を掻き立てるとともに、1200人以上いる学校で、クラス・学年を超えた豊かな交流がすぐそこに存在するというのに。

個人が特定出来る媒体で、生徒が不適切な投稿をすることはまず考えられないでしょう。

そういった設定をする、もしくはグループを立てるのには、すこし時間がかかるでしょう。しかし、授業後に2時間もあれば済んでしまうような作業内容です。自分の2時間と生徒の活発化。どちらを優先するべきかは、読者(運が良ければ先生型)のご想像にお任せします。

コンテンツを最大限に活用し、作業時間・コミュニケーションを有意義なものにしましょう。



【まとめ】新時代の教育コンテンツを


おじさん世代の先生は、ネットやスマホというものを極端に嫌い、生徒が授業中にスマホをいじる(調べ物でさえ)ことを嫌うでしょう。

しかし、もうそういう時代は終わったのです。

授業で使うプリントはどうやって作成していますか?
校長先生があいさつで使うスライドはどうやって作成していますか?
テストの集計はどうやってしていますか?
黒板に向かってひたすら喋る授業はもう時代遅れなのです。

これからは、新たな文化と向き合ってその時代に合致した教育のコンテンツを使っていく必要があります。

先生が新しい技術を教育に取り入れてみなさい。ほら。生徒がまだ慣れていない先生の熱心にがんばる姿を見てヤル気を出すでしょう。


ありがとうございました。


hoiko

Twitter:
@lore_cpt

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?