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300円アダプタから考える安物と良品の違い

100円ショップで売っている300円の充電アダプタが好評なようで、わざわざ高いアダプタを買わなくても十分だと言う人がいます。

しかし私は緊急時を除いて絶対に100円ショップの300円アダプタは使いません。

なぜならアダプタ代をケチっても事故が起きた時のリスクを考慮すると全く割に合わないからです。


安物と良品にほぼ性能差はない

100円ショップの300円アダプタと大手メーカー製のアダプタ、実使用ではほぼ性能差はなく300円でも大手メーカー製と同じ時間でスマホを充電することができます。

大手メーカー製のほうがコンパクトで軽く作られていたり、発熱が少ないという付加価値があったりしますが、持ち運びをしないのであればこの付加価値はさほど重要ではないので一見すると300円で十分のように思えます。

違いが出るのは過負荷、過電流、落雷の時

アダプタにはいろいろな機器を接続しますし、場合によっては電流がオーバーしたり、定格内であっても長時間高負荷状態が続くことで著しく熱くなることがあります。

また、近くで雷が落ちたりすると数千Vの電圧が加わる場合もあります。

果たして100円ショップのアダプタはこのような状況でも安全に作動し、万が一壊れる時も燃えたり接続している機器を巻き添えにすることなく安全に死ぬでしょうか?

これに関してはかなり怪しいと言わざるを得ません。

アダプタの心臓部であるトランスだけで100円近くしますし、高性能なMOSFETやコンデンサ、放熱器、そして制御ICが必要です。

これらの部品を300円で揃えるだけでも至難の業ですから、安全装置に回せるコストはあまり残っていないでしょう。

もし雷が落ちたらトランスの絶縁が破壊されて数千Vが2次側に流れてスマホが破壊されたり炎を上げて燃える可能性が高いと言えます。

一方で1000円を超える高価な充電器ならバリスタ、ヒューズ、温度センサなど多重の安全装置が搭載されており、過負荷や過熱を検知すれば電流を制限したりシャットダウンして故障を防ぎます。

また、落雷で高電圧が流れた場合はバリスタやスパークギャップで接地側に逃し、もし逃しきれなかった場合は素子が破壊されることでエネルギーを吸収します。

トランスにも十分な絶縁抵抗が確保されており、最悪の場合でも二次側に高電圧が流れ込むことがないように設計されています。

つまり高いアダプタは壊れる時も接続している機器を守りながら安全に壊れるのです。

アダプタ以外にも当てはまる

安物と良品の違いが非常時に現れるという考え方はアダプタに限ったことではなく、ありとあらゆる電気製品、車、不動産、食品、企業、学校、金融商品、そして人間にも当てはまります。

安いからと言ってボロアパートに住むと不便な思いや不快な思いをすることは普通のことですが、異様に安いのに妙に小綺麗だったり便利な立地にある場合はそれ以上の危険があると考えるべきです。

地震が来たら?川が氾濫したら?その時に大きな被害が出る可能性のある物件はそのリスクが価格に織り込まれて、一見するとコスパの良い物件に見えてしまうのです。

よほど短期間の居住でない限りそのような物件に飛びつくことは避けるべきです。

最悪なのは安物の人間だ

一見するとコスパが良いように見える商品はどれもこれもヤバイものばかりなのですが、その中でも極めつけに避けるべきは安物の人間です。

善良な市民を装いつつ裏で良からぬことを考えてる悪人はさほど珍しいものではなく、普段は猫を被っていても金に困ったりすると本性を出します。

最近闇バイト強盗などが増えて治安が悪化してるのは、安物の人間がコロナ禍のストレスに耐えきれず本性がめくれているからです。

もはや危険側故障を起こす安物の人間は治安や公衆衛生にとって脅威であり、政府が対策に乗り出すべきです。

よくある間違いは安物がめくれないように社会全体で保護しろという主張ですが、これは全く不可能なことです。可能だと言うなら災害や不況が未来永劫来ないようにしてみろ。

もちろん市場に出しておくべきではない不良品として駆除したり隔離するのが一番良い解決策なのですが、今のところそれは政策的に難しそうなので個人的になるべく関わらないように避けるしかありません。

では安物の人間を見抜くにはどうすればいいのでしょうか?

相手を試そう

余談ですが、USBメモリやSSDは恒常的なデフレが続いているので激安な良品は珍しくありません。

しかしクソメモリを掴まされると突然壊れて痛い目を見るので、買ったらまず最初にあることをします。

それはメモリの読み書きテストで、全体を塗りつぶしてデータ化けがないかチェックします。

これはメモリ自体がめちゃくちゃに発熱するので、安全装置やエラー訂正機能の甘いクソメモリであればこの時点でダウンします。

ダウンしたりデータ化けがあればハイ返品。

人間も同じように揺さぶりをかけて試してみれば安物かどうか確認することができます。

私の場合、具体的に何をやるのかは手の内を明かすことになるので言えませんが、パスできるのは7人に1人ぐらいです。

それは7人いたら6人が安物だという意味ではなく、どれも100%安物ではないと言い切れない中で安物の可能性が限りなく低い良品が1人しかいないということです。

安全マージンを多く取ってるので厳し目にならざるを得ませんが、私のやり方が下手なのもあるとは思います。

安物が7人に1人だとしてもあまりに多すぎます。

それと非常時は人間関係を整理する良いチャンスだと考えていて、コロナ禍の初期にはアドレス帳を半分ぐらい整理しました。さよなら。

安物が良品を装ってることもある

時は2008年、貧乏学生のくせに自作PCにハマってた頃、リマーク品というやつにだいぶ悩まされました。

リマーク品とは安物の型番を削って上位品の型番を印刷しなおした偽造品のことで、このようなCPUやメモリが中古市場で猛威を振るってました。

装着した直後に気づくならまだいい方で、たちの悪いやつだと安物のくせに上位品のクロック数を申告するので常にオーバークロック状態となり、それとは知らず安く高スペックなPCが作れてしめしめと思ってたらいきなり謎のブルースクリーンに遭遇したことがありました。

今ではCPUのリマーク品はほぼ絶滅したと思いますが、USBメモリやSDカードは相変わらず容量偽装品が出回っているので塗りつぶしテストはみなさんもぜひやるべきです。

さて、リマーク品は人間社会にもありふれています。

わかりやすい例は経歴詐称です。

あからさまな経歴詐称でなくても、架空のサークル活動でリーダーシップを発揮した話を履歴書に書くぐらいはみんなやってると思います。

しかしその程度は大した問題ではなく、本当の地獄は頼もしいはずの彼氏がDVだったとか、家庭的で優しいはずの彼女が子供が生まれた途端ツイッターでフォローした覚えもないのに勝手にTLに流れてくるクソオニババに豹変したという事例です。

これはやはり安物の分際でいっちょ前に結婚してみたら家族関係のストレスや育児のストレスに耐えられずめくれたということではないでしょうか。

そうであれば結婚前に同棲するだけでなく、親戚の子供を預かって頼もしさや家庭的優しさが見せかけじゃないかどうか試すことで地獄を回避することができます。

石橋は叩いて壊せ

ちょっとぐらい問題があっても結婚してから考えればいいだろう。このチャンスを逃したら一生結婚できないかもしれないし。まあ子供生まれたら性格変わるでしょ。

ちょっと待って!その考えが命取り!

結婚後に地獄に落ちてる人の多くはその前兆たる違和感に実は結婚前に気づいてました。

しかしプロスペクト理論や保有効果でそれを見て見ぬふりし、あとになってからあの時やめておけば…と後悔することになるのです。

相手がやばいと思って結婚をあきらめることの逸失利益は失敗した時の大損害と比較すれば全く取るに足りないと声を大にして言いたい。

仮に相手がやばそうに見えるけどマトモかもしれない、と思うのであればキープにして様子見するべきであり、様子見してる段階で離れて行ってしまえばその程度の関係だったとあきらめましょう。

結婚相手にせよ、友人にせよ、就活にせよ、採用にせよ、石橋は叩いて壊せの精神で行けば安物を掴まされずに済みます。

しかしながら良品はそれなりに値段がして当たり前。

もし安物しか選択肢がないのであればそれは自分自身が安物の可能性が高いので、良品になれるように努力してください。

それではまず家に転がってる100円ショップで買ったアダプタを捨てるところから始めましょうか。

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