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インサイトに心を澄ませて

HOKAGO.comのATSUMIです。
今回はブランディングに関連して、私が考えている課題意識と取り組んでいることをお話いたします。

1.はじめに

私の取り組みのひとつにブランディングがあり、組織や事業、個人のブランディングを行なっています。ブランディングは、昨今の社会的情勢や環境変化において必要不可欠であり、考え方そのものが本質的です。その本質的な要素に強く惹かれ、思考の中心に添えています。
一方で、ブランディングは本質的であるからこそ危うい。。そんな繊細な要素もあります。例えば、企業でブランディングを推進しようと考えた場合、本質的な要素が「現場」と乖離しすぎていると、「言いたいことはわかるけど...」、「うちの会社ではね…」と耳を傾けてもらえない、そんなことが起きるでしょう。企業でブランディングを推進している方からも、一朝一夕ではいかず数年の歳月を要していると聴きます。
しかし、そういった危うさから生まれ、次第にストーリーを持ち、語り継がれていく、そんなこともブランディングの魅力なのかもしれません。

2.会社人(カイシャジン)にありがち?

※注)社会人(シャカイジン)ではありません。会社の属している人を「会社人(カイシャジン)」と呼びます。

会社人をやっていると「自分はこのままでいいのか」「自分では社外で通用しない、自信がない」といったことも聞こえてきます。会社の中の閉じたコミュニティーにいると、当然客観的に自分を評価するということからも遠のいてしまいます。そうなると「自分の業務」という枠の中で物事を考え、語り始めるようになります。それでは「自分はこのままでいいのか」「自分では社外で通用しない、自信がない」を判断しようがありません。
会社の中での「自分の業務」は、内的動機に基づいて、「自分らしく」、強い信念や理念を真っ当しているとは限りません。会社人で100%真っ当できている人は果たしてどれくらいいるのでしょうか。

3.会社人にとっての自分らしさ?

続いて、少し前に印象に残ったことをお話します。
ある企業のトップクラスが、「自分が何者かわからない」ということを呟いていました。それは会社の業務を遂行するという観点ではなく、ふと振り返って個人に焦点を当ててみると「自分が何者なのかわからない」ということに気づいたそうです。
その時は、内定者の学生向けに「自己分析」というワードで、人生で一番と言っていいくらい自分のことを考える経験を忘れないで、これからも大切にしてほしい、考え続けてほしいというメッセージでした。見方のひとつとしては正解だと思いますし共感できます。
(この視点は本質からズレていますがあえて。。)

4.その自己分析は正しい?

それでは、その就職活動の企業選定において、その自己分析は果たして本質的でしょうか。主要な某就活サイトでは、多すぎる企業情報を掲載し、キーワードで絞り込みを行えます。絞り込む際には、業種・職種・初任給・勤務地など、あまりにチープな抽出条件です。

そんな中、ネームバリューのある企業を複数選考を進めてみて、選考が進んだ企業に合わせてエントリーシートや面接の対策をして取り繕う、自分らしさを考えるのではなく企業を選定していくうちに自分を企業に寄せていく、という実態があるのではないでしょうか。

少なくとも就職活動をしていた当時の自分は自己分析したつもりになっていましたが、何の軸もなく上記のような表面的な自己分析に留まっていました。だからめちゃくちゃ気持ちがわかります。

それ自体が悪いことではないと思います。企業は今までずっとそういった採用を続けてきて、多くの学生はその枠組みにハマって活動し、企業側も学生側も横に逸れることはそう簡単ではないです。
しかし、これからは大量の情報の中から限られた企業だけをみて、内定を獲得していく就活ゲームの時代では無くなります。
企業側も学生側も想いで繋がること、お互いのブランディングが必要になります。

5.インサイトに心を澄ませて

インサイトとは、「人を動かす隠れた心理、気づいていない無意識の心理」とここでは定義します。
あなたは自分自身に「なぜ」という言葉を投げかけたことはありますか?
会話で言葉を発するとき、嬉しいとき、楽しいとき、イラっとするとき、ひとつひとつの言動や心の動きには理由があり、その内在的な心理にらしさの根底があると考えます。
体験や心情の変化などからその関連性やストーリーを探っていき、らしさの根底となる体験、すなわち原体験までダイブしていきます。

図1:深掘りのイメージ

それらを繰り返すと原体験のエネルギーマップができます。
自己分析に当たって人生のエネルギーカーブやモチベーションカーブを描くことはよくありますが、根本的な考え方は同じです。

図2:原体験のエネルギーマップ

自分にはどういった原体験があり、原体験同士がどのように繋がり、今の自分らしさに影響しているのか、原体験から生まれた課題意識や自己欲求はどのようなものか、
これらを言語化すると「自分らしさ=あなたが無意識、潜在的にに大切にしているもの、価値観や信念、理念」となります。
まずはその自分らしさを可視化し、語れるようになること目指します。

※原体験の整理は東京ブランディング大学校で学んだ原体験ワークの一部を参考にしています。

6.最後に

今回は、私が考える課題意識とその課題を解決するためのアプローチを紹介いたしました。原体験に基づいて「自分らしさ=あなたが無意識、潜在的にに大切にしているもの、価値観や信念、理念」を可視化し語れるようになること、このプロセス自体があなたにとってのブランディングであり、「自分らしさそのもの」があなたのブランド価値になります。
しかし、「自分らしさ」を語れるようになることは、(特に会社人にとって)職種選択やキャリアなどの方向性は示せるものの、直接的に結びつくものではない、決してやりたい職種や進むべきキャリアが見つかるものではないと考えます。そのあたりの「なぜ?」は別の記事でまとめたいと思います。

ご覧いただきありがとうございました。
HOKAGO.com 共同設立者/CBO ATSUMI


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