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野球大好き珍獣が初めてレバンガを観に行った日、「絶対また来よう」と思った理由を話したい。@2016年の出来事


レバンガ北海道。
Bリーグ所属。
北海道が誇る地元プロバスケットボールチームである。


「Bリーグ」とは ────
公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグが運営している日本のプロバスケットボールのトップリーグ。
リーグ初年度の2016-17シーズンは2016年9月22日に開幕。
デジタルマーケティング等を駆使した攻めの改革で後に多くの成功を生み出し日本の新しいバスケットボール文化を現在進行形で構築中。
人々が「バスケを観に行くこと」は当たり前になりつつある。
これはそのBリーグが開幕する直前、2016年1月の出来事を綴ったnoteです。


その頃わたしは、どんな人間…否、珍獣だったのか。


子どもの頃からいろんなスポーツを観に行く家庭に育ちました。
野球、プロレス、フィギュアスケート、アイスホッケー、etc…。
とにかく近場に何か催しが来たら両親はすぐに家族4人分のチケットを用意し連れて行ってくれました。(ただし幼過ぎたせいかどれも自分の記憶には何も残っていません笑)

そんな風に育ったせいか、スポーツはすっかり観る専になりまして。
気付いたら野球(観るだけ)ひとすじ。
夏休みは朝から夕方まで甲子園(観るだけ)。
夜はプロ野球(当時の中継と言えば巨人戦のみだった)。
高校進学は、当時野球が強かった関西にある某有名校へ行きたい(甲子園に行きたいから)と言い出して担任と両親を慌てさせ、結果的には地元北海道の野球が強かった高校へ進学し、晴れて3年生の春に夢の甲子園へ応援に行きました。
札幌の短大へ進学後は円山球場へ入り浸り、将来は野球選手と結婚するんだと思ってた。(妄想に終わった)

野球ガチ勢として長らく生きてきたある日。たしか2015年秋頃だった。
北海道の朝のローカル番組にレバンガ北海道の選手が出演されていました。
レラカムイの時代からチームの名前と、そのチームを窮地から救ったというようなニュースをちらほら見かけて折茂さんのお名前だけは知っている。当時まだその程度の認識だった。まして他の選手の方の顔とお名前が一致するはずもなく。
でもその番組を見て、「なんか知らんけどバスケ選手ってずいぶんかっこいい人がいるんだなあ」と。
それさえわかればまぁなんとなく、行ってみようかなあ、なんて気に不思議となるもので。
さっそくいつ行こうかと試合日程を調べると少し記憶に残る名前を持つ選手が所属するチームとの対戦が目に留まる。


なぜ、その日行こうと思ったのか。

「聞いたことがある選手がいる」チームとは。
リンク栃木ブレックスでした。
日本初のNBAプレーヤー・田伏勇太選手が所属。
知っている選手がまったくいないよりはいる方が楽しいでしょう、という安易な発想で1月24日のチケットを入手し、当日を待ちました。

余談①
『何事も本物を見せて育てる』という両親の教育方針だったのか、子どもの頃から初めて観に行くスポーツはめっちゃ良い席で観せてもらった。
なので自分自身、大人になっても初めて観るスポーツはまず良い席で観ます。
明確な理由があるわけではないのですが、「なんか良い」から。
自分にとっては、初めて足を踏み入れさせていただく競技や競技場に対する礼儀というか儀式のようなものかな、と思っています。
余談②
昨年(2018年)12月に札幌で開催されたスポーツビジネスサミットで、Bリーグ所属チーム「川崎ブレイブサンダース」を経営する㈱ディー・エヌ・エー、そのスポーツ事業本部戦略部部長・西谷 義久さんが数ある1部リーグチームの中から選択したのが何故川崎だったのか?という理由のひとつに、「川崎に複数の日本代表選手が所属していたこと」と仰っていたのが印象に残っています。
認知度のある選手が所属しているという効果は、集客のための入口のひとつになる可能性が高いのだと思います。

初めてのバスケ観戦、不安だったことは。

大まかに2つありました。

①服装がわからない。
今でこそ思わないけど当時、「試合場所が体育館だけど上履きは持っていかなくていいのだろうか…?」と本気で悩んだ。しかも学生の頃の体育館のイメージは「なまら寒い@北海道あるある」なので現地は絶対に息を吐くと白いくらい寒いと思っていた。他にも、「ジャージ上下着ていかないといけないのでは」とか、「スカート履いていったら浮くのかな」とか(笑)。ガチの体育館イベントなイメージ。それくらい当時は何も情報がなかったのです。周りにバスケ好きがいなかったのも情報不足の一因ですね。

②そもそも「行って良い」のかがわからない。
野球ガチ勢がバスケを観に来たともしもバレたら、現地でどんな反応をされるのだろうか。
まぁ完全に考え過ぎですね。でも当時は本当に真剣に悩んだ。
入り口に踏絵があるわけでもないので野球好きとバレることはないし、バレたとしたってべつに狩られるわけでもないのにとにかく漠然と不安だったのを鮮明に覚えている。

そんなこんなで不安と期待を抱えながら試合当日を迎えます。


いざ、きたえーる。そこで珍獣は、あるキーパーソンに出会った。

地下鉄の駅に直結され交通の便も良い「スマートアリーナ」として第5回アリーナオブザイヤー(2018)も受賞した北海道立総合体育センター「愛称:北海きたえーる」。

きたえーる自体にはコンサートで行ったことがあり入場まではスムーズだった。しかしアリーナへ足を踏み入れると自分の席がわからない。
ど素人はまず会場に入ってバスケットコートを目の前にすると左右どちらがホームベンチなのかさえもわからなかった。
ホーム(レバンガ)側のゴール下付近の席は取ったはずだけど、それが左右どっちなのかわからないのだ。

人間こんな時、傍から見て「あ、あいつ席わかんねーんだな」って何故か思われたくない意識が働きません?
わたし働くんだわ。
おもむろに席知ってる風を装い場内1周しました。
1週したところで何がわかるはずもなく元の場所へ戻ってきてしまった(笑)。
誤ってアウェー(栃木)側のゴール下に座ってしまったら大変気まずいのは頭の悪い自分でもわかる。
うん、これはダメだわからない、誰かに聞こうと思った。(さっさとそうするべき)

すぐ近くに、黄緑色のビブス(だったかな)を着たやさしそうな60代後半?くらいの男性がいたので尋ねてみました。

おかぴ「あの…すみません、この席ってどこにありますか?」
男性「あ、ご案内しますよ、どうぞ!」

そう言って素晴らしい笑顔を浮かべ先に歩き出したその方にワンテンポ遅れて珍獣も歩き出しました。
何で遅れたかって、まさか席までエスコートしていただけると思っていなかったからです。
その場で左右どちらのゴール下か教えてくださるだけでも構造的には十分わかる配置なので。
(わぁ…なんかちょっと嬉しい)と思いました。

席までの数十秒、会話した内容を今でも不思議なほど覚えてます。

おかぴ「わざわざすみません、初めて来たので右も左もわからなくて」
男性「え、初めてですか!ありがとうございます!スポーツ観戦自体が初めてですか?」
おかぴ「いえ、いつもは野球専門で球場ばかり行ってます」
男性「おお、私いつもは日ハムのボランティアにも行ってるんですよ。もしかするとどこかでお会いしているかもしれませんね」

その会話で初めて、目の前のこの方がボランティアスタッフさんなこと、そしてバスケの試合がボランティアの皆さんに支えられていることを理解しました。
と同時に、この場所で「日ハム」という単語を聞けたことにより己の中のアウェーにお邪魔してる感が吹き飛ぶのも感じました。

「バスケも面白いですよ、もっと皆さん来てくださると良いんですが…」
そうニコニコと語るボランティアさんの笑顔につられ笑っている間に席へと辿り着き。
最後にボランティアさんは両手を広げわたしにこう言いました。


「今日はよく来てくださいました!
 どうぞ楽しんで!」


その時本当に、来てよかったなぁ、と。
まだ試合が始まってもいないのに。
「また来よう」。
そう思ったのでした。


結果3年後の今、試合内容の記憶は無い。
でも、交わした会話は覚えてる。

3年も前の会話をずっと忘れない理由はたぶん、「よく来てくださいました!」っていう言われ慣れていない言葉の響きのせいなのかな、と思います。
少なくともそれまで通った球場でこう言われたことはなかった。
シンプルに嬉しかったです。
そして「楽しんで」という言霊通り、3年経った今もわたしはずっとバスケを楽しんでいる。

それからおよそ2か月後の2016年3月。
2回目の観戦は夕張市で行われた熊本ヴォルターズ戦だったのですが、その直後にもずっと記憶に残る出来事がありました。

そのお話は、またの機会に。


おかげさまで初noteでした。
あの時のボランティアさんと、
これを読んでくださったあなたへ感謝をこめて。
ありがとうございました。

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