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ウクライナ平和の鐘 096 忍辱

https://youtu.be/eljd__OaQMI

■2022(令和4)年7月1日 096 忍辱
(動画の3:03~8:19)

本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。菩薩の修行のひとつ、忍辱。自分の罪や愚かさを見つめるのは嫌なことです。だからロシアは自分の非を認めません。でも、それを堪え忍び心の底から仏様に懺悔して自らの生き方を変えることが、菩薩の道、平和な世界への第一歩です。

合掌

 大乗仏教の菩薩の修行方法である六度(六波羅蜜)。そのひとつに忍辱があります。耐え忍ぶことです。

「耐え忍ぶ」というと外から来る苦難に耐えるイメージがありますね。確かにそういう場面での忍辱も大切なのですが、より根本的な意味合いとして、自分の中の目を反らしたい悪い部分、反省しなければならない部分をちゃんと見つめることが大切です。

 誰でも自分が否定されるのは嫌なものです。特に他の人から頭ごなしに批判されたら、ムッとして反発したくなってしまう。そうでなくとも、他の人に知られたくないことを、そっと隠しておきたい。そこを耐え忍ぶことができるかどうか。

 もちろん、なんでも「外」にさらけ出せばいいということではありません。自分を守る自然な心理反応は、仏様と私たちを繋ぐ妨げになり得る、だから堪え忍ぶ必要があるのです。自分が間違っていたことに気付き、認め、行いを改め心を改めること。それが大事なんです。

 先日、ウクライナのショッピングセンターにロシアのミサイルが撃ち込まれました。昼間の買い物客のいる時間です。しかしその直後からロシア軍は「ショッピングセンターは休業中だ」とか「付近の武器庫に着弾してそこから延焼したんだ」というような発表をしていました。しかし、ロシアが何を言おうと、事実はその場にいた大勢の人たちのスマホ動画が示しています。監視カメラがミサイル直撃の前後を捉えていて、ミサイルの角度や直撃位置が全て分かります。ショッピングセンターも以前から買い物の様子をyoutubeに上げている人がいて、休業ではありませんでした。

 人の大勢いたショッピングセンターにミサイルが直撃をした、これは間違いのないことです。しかしロシア軍は「それは違う、フェイクだ」といっている。客観的証拠が違う事実を示している以上、多くの人はロシアのいうことを信用しません。しかしごく一部の人は「そうだロシアが正しい、西側のフェイクだ」と根拠無くロシアを信じてしまう。いわゆる陰謀論で発想が凝り固まってしまうごく少数の人がいる。ロシアはその少数の人のために嘘をつき続け、「自分は間違っていない」と自分の非を認めずにいるわけです。

 これは今回のミサイル攻撃の話だけではありません。今の戦争の様々な場面で、同じことが起きています。

 自分の非を認めること、それは確かに苦しい。でもだからといって嘘を重ね続けたら、それは悪業となって私たち自身の苦しみになって帰ってくるんです。

 仏様の前で自分の非を認め改め、「これからは正しく生きていきます」と至心懺悔、心の底から反省して悔い改めること。それが菩薩の道の入り口の一歩なのです。

再拝

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