[MLB2023]日本人投手の投球内容の比較 "Sweeper"

こんにちは。今回の記事では、MLB で活躍する日本人投手のピッチングと「sweeper」に焦点を当ててみたいと思います。「Sweeper」と呼ばれる変化球にはその独自性が際立っています。この記事では、MLBで活躍する日本人投手たちのSweeperを比較し、各選手の個々の特徴に焦点を当てます。

対象となる投手は千賀滉大、藤浪晋太郎、大谷翔平、ダルビッシュ有の各投手です。前田健太、菊池雄星とブレイク・スネル(サンディエゴ・パドレス)、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)は投げていません。


1.sweeperのTrackingデータ

  • 大谷翔平はSweeperを多用しています。RV_100が1.3と高いが、whiff率、k率は非常に高い。PutAway率も高いので打者に対しては非常に有効な球種である。WBC決勝戦の最終打者のトラウトの空振りを見てもわかる。

  • ダルビッシュ有もSweeperをかなり多用している。RV_100は0.5であり、失点リスクは大谷よりも抑えられている。whiff率やPutAway率や他の項目の数値も相対的に良い。安定した、バランスの取れた投球が見られる。

  • 千賀滉大はRV_100が-2.6であり、失点リスクは低いが、BAやSLGは高く、長打を浴びても対応できる力強さを持っている可能性がある。藤浪と同様にHardHit率が55%と高い。Sweeperの改善が必要かも。

  • 藤浪晋太郎は球数自体が少ないがRV_100が-2.5であり、失点リスクは低い。BAやSLGなども低く、Sweeperが効果的であるように見えるが、ハードヒット率が高め。投球内容を工夫し、打者をハードヒットから遠ざける工夫が必要かも。

HardHit:95マイル 以上の打球確率。
PutAway:2ストライクからの三振奪取率。三振数/2ストライクからの投球数。
RV_100:100球あたりの得点価値。失点リスク。

2.sweeperの変化量・回転軸角度

  • 千賀滉大は投球軌道が縱に大きく変化している。縱変化に比べると、横変化はやや少なめ。回転軸が低いので、投球が打者に対してより下から来る可能性がある。

  • 藤浪晋太郎も縱変化があるが千賀よりは小さい。千賀と比べると横への変化が大きく、回転軸が高い。投球が打者に対して上から来る可能性が高い。

  • 大谷翔平は縦横両方の変化があり、投球軌道にはかなりの変化がある。縱横変化との組み合わせが特徴的。中程度の回転軸角度でバラエティ豊かな投球となっている可能性がある。

  • ダルビッシュ有は大きな縱変化もあるが、横により大きく変化している。縱変化・横変化ともに大きく、回転軸は低めで投球が打者に対してやや下から来る可能性がある。

3.sweeperの変化量

4.sweeperの変化量(MLB Film Room)

今回の投手のsweeperの横変化量が最大の投球の内容

  • 千賀滉大 横変化量 49.99cm

  • 藤浪晋太郎 横変化量 47.76cm

  • 大谷翔平 横変化量 64.31cm

  • ダルビッシュ有 横変化量 65.53cm

5.sweeperの投球軌道

6.sweeperの投球軌道(投手別)



7.データ・パッケージ参照元

https://github.com/pontsuyu/statcastr

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