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『STAY GOLD それから。2』

『STAYGOLD それから。2』秀良子先生

掟破りの長文ネタバレです。1巻のあと待ち切れずにonBLUE毎号読んでましたが、
ある箇所で「ぐぬぬぬ」となって止めました。
吉田(さん)のせいではないですよ。

コウが上司福永さんとタクシーで帰る時に手を出さなかった事がショックだったのです。

コウの付き合う女はたいていゆるふわバカ女です。コウが女の子に求めているのは柔らかい体と無難に楽しい時間だけ。適当に優しくして後腐れなく別れてくれそうな女を跨いできた。
そのコウが手を出さなかった。
「この人には失望されたくない」

私はSTAYGOLDを読む時は完璧に日高になってますから、
「これはヤバい。本気になるのー⁈やーめーてー」
日高があのページを読んだら多分私と並んで「死のう」となっていたはずです。

でもね、秀良子先生はね、そこからとんでもない球を打ってくるんですよ。

『STAYGOLD』は中山家の成長の物語です。『それから。』では中山コウの成長が描かれています。
コウが「大切な何か」に気付くために福永さんを持ってきて、ビリヤードの手玉のように一旦当てておいて跳ね返らせた先に的球の日高に当てる・・みたいな事をやってしまうのですよ!秀良子先生は!

日高との関係が途切れて「名前のつかない感情」にとらわれていたコウ。
女性上司に対して持った初めての感情でそれが何なのかに気付くのです。
「誰かを大切に思う事」は「カタチに囚われる必要がない」ということに。

そして、島に向かいます。

日高はというと、こちらも悩み成長しています。
自分が一番欲しかった誰かから愛される幸せ。でもそれは相手にとっての幸せになるのか?

先生は吉田さんも福永さんも当て馬にはしなかった。
ちゃんとその2人も日高とコウの大切な人として描いています。

BL作家、BL作品どれが自分のNo.1かを決めるのはかなり難しい。
でも、『それから。2』を読んで、わたしの一番は秀良子先生だとはっきりしました。

先生の作品には「幸せのカタチは誰かが決めるものではない」というメッセージをいつも感じます。

先生がこの2人の関係をどんな着地点に持っていくのかが楽しみでしょうがない。

まだまだ、語り尽くせない秀良子先生。しばらく尾を引きそうです。

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