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「一度も働いたことのなかった彼」が入社して1年がたちました

 パプアニューギニア海産・工場長の武藤北斗です。

 好きな日に働ける、嫌いな作業をしてはいけないなどの働き方に関してはこちらを。これまで一度も働いたことがなかった30代の彼が入社した経緯はこちらをご覧ください。

30何年の意味

 怠けているわけでも、楽をしたいわけでもなく、彼なりの考えや葛藤がありながらの30何年だったと思います。きっと世界には彼と同じように色々と考えたり葛藤したり、もしくは苦悩している人がたくさんいるのではないかと思っています。

 彼が入社する時から話しているのは「あなたがうちの会社で働き続けることは、いろんな意味で多くの人に希望をあたえるのではないか」、そしてうちのような考えの働き方が増えていくきっかけになり、社会が変わっていく可能性すらあるのではないかということ。

 彼がこの言葉をプレッシャーに感じる恐れはあるけれども僕は言わずにはいられないのです。彼が30何年働いてなかった事にも大きな意味があるのだと、そう思っているからです。

入社して1年

 彼が入社して一年が経過しました。今でも週に4日程勤務しています。たぶん会社の中でトップ5に入るほど出勤していると思います。そして面談ではこれからも無理なく続けていくと話してくれました。

 彼がこうやって継続している理由はなんなのか。社会として考えていく必要があると僕は思っています。

 彼に了解をえたうえで書いていますが、彼がうちで働きやすいと考える一番の理由は出勤日が自由であることだそうです。そこから先はやはりネットで書くことではないと思うので、会った時や講演会などでぜひ聞いてください。

ちょっと考え方を変えた

 彼が働きつづけること、会社は彼が働きたいと思えるような職場にすること、それをひたすらに求めていくと、その先には職場の調和と効率が待っていると僕は実感しています。ズバリ言ってしまえば会社の利益です。

 でも利益や効率を追い求めているのではなく、あくまでも後からついてきているだけではありますが。追い求めているのは生き方であり、考え方なのですが、そこに会社の利益が勝手についてくるので僕としてはとても得した気がします。

 最近ちょっと考え方を変えたことがあります。それは彼だけをずーーっと特別扱いするのはやめること。

 特別扱いしないというのはどういうことでしょうか。

 通常であれば彼を皆に合わせることになるかと思います。しかし、うちの場合は彼のルールになるべく寄せていくことにしました。

 例えばですが、「100パック作ったら交替する」というルールがあったとします。しかし彼は50パックで辛くなるということで、これまでは彼だけは50パックでいいよという特別ルールを作りました。

 しかし、その彼への特別扱いをやめるのです。どうすれば特別扱いにならないでしょうか。

 きっと一般的には、彼も頑張って100パック作ってから交代にすると思ういます。しかし私たちは50~100パックで交代と幅を拡げ、更にそれは彼だけではなく全員がということにします。

 彼のルールを現行のルールに融和させ、なおかつ全員に適用する。とても平等で誰もが納得すると思います。なおかつ自分で考え決める選択肢が増えます。より自主性を尊重した働き方になるわけです。

平等と特別扱い

 平等であると同時に、誰もを特別扱いしようとも思います。それぞれにあった形を模索し、そして慣れてきた時に今のルールと照らし合わせてみんなの意思が生きる方法を探せばいいのだと思います。

 何もかも一律の杓子定規な職場は管理が楽かもしれませんが、人間的ではありません。感情や思いやりや居心地の良さや温かい空気感がありません。僕は短い人生の大半をそんな場所で過ごしたくないし、従業員のみんなにもそんなところで過ごしてほしくないと思っています。

 人間の人生たかだか何十年。この短い期間をあーだこーだとせめぎ合うよりも、なんかここ居心地がいいねって思えるような空間を作っていければと思います。

 先週から久しぶりに全員との面談を実施しています。このメンバーならそんな空間を作っていけると僕は思っています。なんせバラバラですから。

パプアニューギニア海産 武藤北斗

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今お勧めはデッカイ天然タイガーエビ。年末にむけて超お勧めです。

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体調が悪くなると人の気持ちを軽視する気がします。なので、サポートは私の体調管理に使わせて頂きます。刺絡、整体、水泳などです。私を優しい人間に近づけて頂きありがとうございます。

これでさらにやる気アップ!ありがとうございます!
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1975年福岡県生まれ。パプアニューギニア海産工場長。3児の父。著書「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」。東日本大震災での被災をきっかけに生き方や働き方を模索。好きな日、時間に働くフリースケジュール制などを考案実践中。

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