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三重の最南端でみかんを栽培している個人農家です。畑が小さいのでとにかく美味しいものを作…

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三重の最南端でみかんを栽培している個人農家です。畑が小さいのでとにかく美味しいものを作っていくのです。#noteではおもに農業や食への考え方などを綴っていきます。みかん買って下さい。 https://hokuto-nouen.com

最近の記事

グリホ裁判和解の行方

「ドイツ製薬大手バイエル(Bayer)は2020年6月24日、除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」の発がん性をめぐって米国で起こされた訴訟の大半について、計100億ドル(約1兆円)超の和解金を支払って決着させることで合意したと発表した。」 先月25日に報道された記事は、これまで除草剤の危険性について議論されてきたことへの一つの結論を出すといった意味で、一部のあいだで大きなトピックとなっています。 ちなみに「ラウンドアップ」を製造販売していた米モンサント社は、2018年

    • 自然は本当に美味しいのか。

      「自然は美味しい。」 まるで「人生は楽しい。」くらい大雑把なキャッチコピーではあるけれど、これがなかなか強力に人の心に印象付けられていて農産物生産者を呪縛している。 「人生は楽しい。」と言われると「そんなことあるかっ!!」となるけれど、「自然は美味しい。」と言われて「なんで?」と返す人はあまりいない。 「自然は優しい。自然は美味しい。」→「人工物を使わず自然の力を借りて野菜を作る方が美味しい。」というイメージがシンプルに湧く。というか湧かせるために言っているんだけど、実

      • 栽培方法の違いで行き着く先は。

        「慣行栽培」 「有機栽培」 「無農薬栽培」 「自然栽培」 これらは野菜をはじめとする農産物を作るときにキーワードとして使われる言葉ですが、おそらく農業関係者以外の方でハッキリと意味を把握している人は少ないのではないのでしょうか。 「慣行栽培」:農薬や化学合成肥料を使った通常の栽培方法。 「有機栽培」:国の定めた有機JAS法に則って作る。 「無農薬栽培」:農薬と呼ばれるものを使用せずに作る。 「自然栽培」:農薬も肥料も使わずに作る。 ・・・大雑把にいうとこんな感じ? な

        • 日本人のコメ消費量の減少と肥満の関係。

          日本人のコメ離れが言われて久しい。調理の猥雑さに加え、パンや麺その他の副食が多様に選べるようになったからだと思うのだけれど、最近は コメ=糖質=肥満の原因 なんてことを言われて、「あえて食べる必要ある?」的な扱いになっていたりするんだけど。 日本人一人あたりの消費量がここ50年で約半分、1日に一度はコメを食べるという人が1990年台の70%から2010年台には53%に減っている。 ざっとネットで調べただけなので正確性に欠けるかもしれないけれどそんな感じらしい。 酒飲ま

        グリホ裁判和解の行方

          「安心安全」ってなんぞや?(序の口)

          食に関する仕事をしていると「安心安全」ということに無関心ではいられない。私はその「食」を畑で作り出す農産物生産者なのだけれど、「安心」とか「安全」という言葉があまり好きではない。 思い返せば実家のみかん農家を手伝い始めたのが十数年前で、駆け出しの頃は「有機質肥料を使っているので安心して食べていただけます。」とか「農薬を減らしていますから安全ですよー!」といったアピールをせっせとやっていたのだけれど、いろんな経験を積みながら勉強をしていくうちに、自分が口に出していた「安心安全

          「安心安全」ってなんぞや?(序の口)

          北東農園の紹介。

          三重県南部の熊野地方で、温州みかんをはじめさまざまな柑橘を栽培している北東農園です。 海と山に囲まれています。 東京から車で7時間、 電車と汽車を乗り継いで7時間、 歩いて115時間。 まったくもって、のどかな田舎です。 熊野といえば、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」。 本州有数の温暖な地域ですが、日本有数の雨が多い地域です。温暖な気候はみかんを育てるのには適していますが、多過ぎる雨はみかんの味を損ないます。 そんな環境の中で1ha足らずという、小さな農園を経営

          北東農園の紹介。