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営業読み表をアップデートする

最大5人の制作会社には営業職もおらず、自分が営業的な役割を兼任していました。(問い合わせや紹介いただいてから会いにいくだけ)

その頃、売上の見込みを計算するため簡単な「読み表」を作っていました。営業に行って得た感触をもとに受注確度の高低、受注金額などを一覧にし、売上を見積もるコレです。

前回の記事でユーザーインタビューについて触れましたが、じつはそのユーザーインタビュー、特定の仮説を確かめるためにも利用できます。

営業アポは見込み顧客に会って話を聞けるチャンスなのに、得られる情報が主観に基づく「〇〇会社、読みAです」では勿体無い。営業アポを仮説検証のユーザーインタビューと捉え、もっとビジネスに活かせないか改めて考えてみます。

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商材を変え、例えば自分が「1秒で穴を開けられるドリル」を売る営業だったとします。

この商品のユーザーは「工場などで大量の穴を開けている人」で、商品の導入を決めるステークスホルダーは設備責任者とします。

さてここでこの商品の後ろにある仮説を考えます。

「工場では大量に穴を開ける作業が発生している…はず」
「現在のドリルでは穴を開けるのに時間がかかっている…はず」
「工員の作業時間を減らすために責任者は投資する…はず」

営業アポでは商品開発の根拠になっているこう言った仮説を確かめるチャンスです。

仮説1「工場では大量に穴を開ける作業が発生している…はず」
質問1「穴を開ける作業は1日でどの程度発生していますか?」
   → 把握していなければ計算に必要な情報を聞く

仮説2「現在のドリルでは穴を開けるのに時間がかかっている…はず」
質問2「現在はどちらの製品をお使いですか?」
   →製品名を聞いてかかる時間を伝える

仮説3「工員の作業時間を減らすために責任者は投資する…はず」
質問3「(1、2を踏まえて)これくらいの作業時間が減らせる見込みです、初期コストは半年もせずに取り戻せます、いかが思いますか?」

それぞれの仮説を確かめながら話を進めた結果、こういった読み表ができるはずです

この表からまず
・受注結果と各仮説との相関
・受注金額と各仮説との相関
あたりは検証していけそうです。

またこれを繰り返していくと、営業の読みと仮説の精度が増していき
・マーケティングの対象を絞れる
・製品の伸ばすべき強みを把握できる

と言ったメリットがあります。

そして何より、この情報は営業チームはもちろん、マーケティング、製品開発など事業に関わるすべての人が求めている情報です。

「ターゲットはどんな状況にあるのか」
「彼らはどんな課題を抱えているのか/いないのか」
「現状ではどのようにその課題を解決しているのか」

「ペルソナ検証」「ニーズ分析」「競合分析」それら全ての役割を果たすこの資料は、あらゆる企画戦略の根拠になります。高いお金を払って得る市場分析レポートよりよほど信頼のおける生のデータです。

自分が営業をしていた際にはここまで意識をしていませんでしたし、短い時間の中で確かめるのは相当なテクニックが必要です。ただコミュニケーション能力に長けた営業職の方こそ、こう言ったインタビューには適任です。

顧客の声と現状を事業全体に浸透させるため、アポの内容をきちんと共有する。有効な資料の作り方についてはまた今度。

それでは


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