ワークショップのはじめ方

心の奥では「ワークショップなんて必要ない」と思っていませんか。頭の良い人なら正解は1人で出せて、頭の良い人が考えを尽くした方が効率的と思っていませんか。

ただ1人の憶測のみで生まれたアイディアは大抵失敗します。その原因はおそらく十分なインプットが足りていないからです。

本当に良いアイディアを得るには「想像ではなく、現実の正確な把握」「利用者、関係者の感情理解」など現場にしかない生の声(1次情報)が必要です。メディアに載っているような2次情報、誰もが知っている情報からは凡庸なアイディアしか出てきません。

どんなに頭の良い人でも、情報収集を怠っては良いアイディアにはたどり着けないはずです。(例外はあります)

ワークショップをうまく行えると、そういった情報収集とアイディアの発想を効率よく行えます。(しかもワークショップの参加者はそのその後も協力してくれる可能性が高いです。)


先日行われたUX DAYS TOKYOというイベントで「UXチームのための実践ワークショップ設計ワークショップ」という、ワークショップ設計を学ぶ機会があったので参加してきました。講師はアメリカのデザインファームやアマゾン、Microsoftでも研修を行う、David Sherwin & Mary SHERWIN夫妻です。

素晴らしい内容だったので詳細なレポートを書きたいくらいですが、「ワークショップの内容をブログ等で公表するのは控えてください」とのことなので、前置きが長くなりましたが基本的な部分をまとめてみます。

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ワークショップとは
全くもって当たり前の話ですが、何を得るためにワークショップを行うのか、その定義が出発点です。なんでもかんでもワークショップでは解決できません。「課題に対する解決策をA4の紙にまとめ3案に絞る」というようにアウトプットを具体的に決めるところが出発地点です。

ワークショップの構成要素
ワークショップでのアクションも大きく分けると「拡散」「探求」「収束」の3つに集約できます。求めるアウトプットに応じて、これらをどのように組み合わせるかを考えましょう。

1. 拡散プロセス
拡散といえばブレインストーミングを想起します。例えば10分間1人でアイディアを書き出す時間を設け、その後メンバー間で共有。他のアイディアからの刺激を受けてさらに発想を広げる作業を各人10分間。というように個人作業と共有を繰り返すと、だらだらと発話するよりも効率的です。これはGoogle Sprintなどでも見られますね。

2. 探求プロセス
ここではメンバー間での考えや意見を伝え合い、アイディアを育てていきます。拡散プロセスの後なら、参加者も話したくて仕方がないので勝手に始まります。アイディアを組み合わせたり自分の経験談を話したり、一番化学反応が起こる時です。

3. 収束プロセス
広げたアイディアを結論としてまとめます。その際よく使われるのはアイディアを評価する2つの軸を定めてプロットしていく方法です。

その際に立場が上の人が混ざっていると、その意見に引っ張られることがあります。えらい人は最後に投票する、えらい人が先に投票したアイディアにはもう投票しなくて良い、など工夫してアイディアの評価をフラットに行いましょう。夫妻のワークショップでは"Confidence Vote"という絞り込みの仕方も紹介されていましたが、これは書かない方が良さそうなので自分に会ったら聞いてください。

発散、探求、収束を組み合わせると以下のような例が出来上がります。

上記は単なる一例なので、数日間にわたる場合はもっと増やしても構いません。ただアイディア拡散型でも半日(4時間程度)は見ておきたく、かける時間とアイディアの質・量はある程度比例します。

休憩の重要性
ワークショップは本当にMP(メンタルポイント)が減っていきます。甘いものや食事を間に挟む、カリキュラムを詰め込みすぎないなど工夫が必要です。特に収束プロセスの前に休憩時間は必須です。

自由闊達な意見を言ってもらうには場の空気も重要です。関係性ができていない間柄であれば、冒頭にアイスブレイクも必要となります。

参加者の検討
意思決定者を入れておきたいところですが、例えばそこに偉い人がいて自由闊達な意見ができるかは疑問です。もちろんできるなら構いませんが、その人の参加が必要な理由と、参加することの懸念点を含めて検討します。参加をお願いする際にも、ワークショップの目的となぜあなたを呼びどんな視点で意見して欲しいのか説明しておくと良いでしょう。

またこれは個人的な意見ですが、ワークショップの参加者には以下の役割を揃えておくと効果的と感じています。

 当事者:案件に関わる人、アイディアを実行する人
 有識者:その分野に明るい人
 アイディアマン:解決策をよく思いつく人
 進行役:全体の進行、参加者を兼ねても良い
 意思決定者:GOサインを出す人

ワークショップで「アイディアを1案に絞り込む」のは、十分な議論や多角的な検討の時間が足りない可能性もあります、内容によっては避けるべきです。絞り込んだ案を最終的にブラッシュアップして決定を下すのは後日でも構いません。

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ワークショップを企画して参加者を募り実行するのは簡単ではありません。

・多くの視点や知見を活かせる
・参加者をプロジェクトに巻き込める

これらに価値を感じて且つ実施するチャンスがあれば、まずは小さく始めてみてはいかがでしょうか。

それでは

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大堀祐一

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