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『阿・吽』

漫画を好んで早幾年。
そんなわけで面白かった作品のことは
ちょくちょく書いていこうかと。

同じのを懐かしく読み返すことの方が多いけれど
たまには新しいのを手に取ることもある。

そんで最近、良いのがこちら。
おかざき真里『阿・吽』


最澄と空海、の物語。

いずれも天才過ぎて他人には理解されず
孤独に修行を重ねる中で出会い
共に真理の道を進めることに喜び合いながら
遣唐使の船に乗る。


努力が出来て、才能もあって、
でも心には大きな欠けがあって、
生きることを苦だと感じており
常に絶望の中で逆の選択を強いられる
最澄。

頭が良すぎて学問では満たされず、
仏門へ入り厳しい修行に打ち込み、
人に頼るのを躊躇いながらも
そこに救われ己の望みを引き寄せていく
空海。


2人は現実世界や集合意識の中で出会っては
互いのことを支えにする。

そのシーンは何度も現れ
時に美しく、少し可愛らしく、やがて切なく
そうして恐らくこれから2人の道は離れていく。


2月に9巻が出たところ。

まだ後どのくらい続くのかはわからないけれど
この先の最澄を泣かずに見ていられるだろうかと
ちょっとドキドキする。

それにしても密教がこんなに昔から
人はここまでいける、
ということを掴んでいたなんて
知らなかった。


おかざき真里という人は
『サプリ』や『&』という作品で
働く女子の恋愛を描いて描き過ぎてて
恋愛下手で感受性の強い者には痛過ぎる位
と感じていたけれど、
今回のこの才ある2人のお坊さん話が
美しい絵柄とその素晴らしい洞察に
見事にハマっていて本当にびっくりした。


2/25までKindleで1巻が無料とのことで
尚のことオススメである。宜しければ是非。


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