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「広告目線な日本ステキ発見!」#2 福島県

#2 : 福島県

あっという間に3月。まだ肌寒い日が続くものの、日差しがなんとなく春めいてきた今日この頃。季節の変わり目を前に、今回は雪を求めてふらっと福島県を旅しています。

とにかく、福島県は広い。北の福島市には花見山公園。南のいわき市にはスパリゾート・ハワイアンズ。中部には猪苗代湖、五色沼といった大自然。数ある行き先候補の中から、たまたま去年末にテレビ番組で見かけた宿場町・大内宿に立ち寄った。

じつは福島県を旅する中で、こんな言葉のポスターや手ぬぐいを見ることが多かった。

「ならぬことは ならぬものです」

なぜか「(どうしようも)ならぬことは、(どうしようも)ならぬことなのです。」という意味だと思い込んでいたのだが、どうやら違うらしい。

これは、昔の会津藩にあった独自の習慣からくる言葉だそうだ。当時、同じ町に住む6~9歳の武家の子供達が「什(じゅう)」という10人前後の集まりを作っていた。什では、毎日メンバーの誰かの家で、以下の教えを一緒に読み、その日メンバーの中でこの教えに背いた人がいなかったか反省会をしたのだそうだ。この「ならぬことはならぬものです」には、「ダメなことはダメ」という強い意味があるそうだ。

背いた人がいた場合、一番軽度だとお辞儀をして謝る、重度だと仲間はずれになるなど、子供同士ながらにハードなお仕置きもあったようだ。

海外で育ってきて、日本人は気配りができるかどうかで人となりが測られることが多いように思う。きっとそれは昔からこの会津藩の習慣のように、周りの厳しい目があり、「こうあるべき」という姿が小さい頃からちゃんと決まって教えられてきたからなのかもしれない。

一方で気になったのは、「戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ」という一文。男性が男性としか会話できない、今とは全然違う社会の様子が見えた気がした。

こういった言葉ひとつで過去の時代の様子が垣間見えるのが面白い、と思った旅でした。

企画メシ4期の有志で寄稿するコラム集、「コラム街」。
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#企画メシ #コラム街

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