見出し画像

やっと打ち込みでカバーできた

前回のベースの打ち込みでつまずいた記事からしばらく間が開いてしまいましたが、ベースの打ち込みは勉強しながら何とか終わりました。

しかしその後のギターの打ち込みでまたつまずいてしまい、1週間近くギターの打ち込みから離れていました。

ギターもベースと同じ弦楽器ではあるのですが弦の本数が4本から6本に増えますし、運指の事等を考慮するとやはりキースイッチをしっかり使って弦指定をしながら打ち込んでいきたいので、TAB譜通りに打ち込んでいくとかなり繊細せんさいな作業になります。

中でも私が1番頭を悩ませたのは「カッティング」です、コレを表現するのに様々なサイトや動画を参考に色々試してはみるのですがどうにも上手く表現出来ず、打ち込み感丸出しの音にしかならないのです。

いや、正確に言うとよりリアルなサウンドに近づけようとすればするほど時間も手間もお金もかかるという事に気がつき、心がえていたというのが正直な所です。

カッティング」は1音発するのにMIDIノートを4本分ぐらい入力します。
それは実際にギターを弾いた時の右手のストロークをシミュレートしてカッティングの音を表現するので、例えばオルタネイトストロークをシミュレートするとして、ダウンストロークの時とアップストロークの時のMIDIノートの発音位置は微妙にずらさくてはいけません。

クオンタイズ通りに同時発音してしまうと機械的な不自然な音になってしまいます。
例えばダウンストロークの場合は上の太い弦から、つまり6弦から細い弦になるにつれて6弦5弦4弦…と1本1本微妙にタイミングを遅らせて入力します。
アップストロークはその逆で下の細い弦から発音し、同じくタイミングを少しずつずらしていきます。

カッティングは大体スカのリズムの時によく使う手法ですが、そうでない場合も含めて1〜4弦でやる場合が多いのかなと思います。
でもDTMでその音を表現する場合は細かくゴーストノート的に6弦の音を入れてあげたりしなければいけなかったりします。

そしてこれもまた細かい話なのですが、ベロシティも弾いた弦の順番通りに下げていかなければリアルな音に近づかないという事です。
つまりダウンストロークであれば6弦から1弦に向かうにつれてベロシティを少しずつ下げていくのです。

この一連の作業がとにかく七面倒臭い!
私は脳の負担が大きすぎてフリーズしてしまいました。
自分で弾いた方が絶対早い!

そこで打ち込み作業は一旦やめて、もっと楽に打ち込める方法は他に何か無いものか考えてみる事にしました。


それは例えばベースの時みたいにプラグインの音源を使用する事で、キースイッチで弦指定をして視覚的に運指を確認しながら入力出来る様にする事であったり、カッティングのMIDIノートのサンプルがネットに落ちていないかとか、そもそもカッティングという入力方法が搭載されているプラグイン音源は無いものかとか、色々考え悩みました。

そして重くなってしまった腰を上げるためにもとりあえず無料で手に入るプラグインのギター音源をネットで探してみると、あるにはあるのですがプラグイン単体で動作する物は少なく、ほとんどのフリープラグインは「Kontakt」と呼ばれるネイティブ・インストゥルメンツ社が開発したソフトウェアサンプラーや、「sforzando」というソフトウェアサンプラーの中で動作するタイプの音源ばかりでした。

「Kontakt」
「sforzando」

最初はこの手の音源が動作するシステムをいまいち理解していませんでしたがなんとか自分なりに理解出来たというか、実際に使用してみて初めて意味がわかったので解説すると、例えばDAW上で何か一つプラグインを使用するとしますよね、そのプラグインは通常単体で動作するじゃないですか、でもこのサンプラーを通しての音源達というのはサンプラー自体がDAWソフトウェアのプラグインソフトウェアですので、まずトラックにサンプラーを挿すわけです、そしてそのサンプラーを起動させその中にある音源を選択して使用するという感じです。

Kontakt」に至っては一つのサンプラーから何個も音源を使用する事が出来るのと、市場に出回っている音源の数が圧倒的に多いというのが特徴的です。
もう一つの方の「sforzando」は一つの音源しか発音出来ないので、その点では利便性に欠けますが音質はとてもレベルの高い音質のプラグイン音源が沢山ありますのでとても良いサンプラーだと思います。

Kontakt」にせよ「sforzando」にせよそれぞれ扱う音源ファイルのフォーマットが違うので一応書いておきますが、Kontaktの場合は拡張子が「.nki」で、sforzandoの場合は「.sfz」です。

私はギターを弾けるので弦楽器の演奏で1番大切なのは運指であり、それはDAW上で言う所の「弦指定」がとても重要なキーワードだと思い、そこにすごくこだわりを強めました。
ですので、キースイッチで弦指定が出来て尚且なおかつ視覚的にギターのネック部分のフレットがちゃんと表現されているUIのプラグイン音源を探していました。

色々調べていくうちによく出てくる一つのフリープラグインがありました。
それは「Shreddage 3 Stratus Free」というIMPACT SOUNDWORKS社が開発したエレキギターのフリープラグイン音源です。

「Shreddage 3 Stratus Free」のUI

これはこのプラグイン単体では動作せず「Kontakt」上で動作する音源ですので、使用するにはまずは「Kontakt」をDLしてインストールし、DAW上に読み込ませる必要があります。

私はネットでの評価やUIを見て良さそうだなと思ったので早速DLしてみました。
結論から言いますと非常に残念なプラグインでした。
理由としては完全に無料で使える訳ではなく、全ての機能を使用する場合にはやはり課金して購入しなければならず、「チッ、結局金かよ」と思ってしまいました。

制限は2つあり、まず1つ目は「Kontakt」の製品版(フリー版ではなく)を導入していないと30分ぐらいしか(確か)動作せず、その間は「DEMO」と赤く表示されていて完全にお試しなんだなと思い知らされます。
制限時間が過ぎると一切動作しなくなり、「Kontakt」のアップグレードを勧められる画面に切り替わります。

そしてこのDEMO時でもそうですし、仮に「Kontakt」の製品版を購入して「Shreddage 3 Stratus Free」を使用したとしても、フレットが12フレットまでしか使用出来ないという制限があるのです。
つまり普通に使用したい場合は「Kontakt」のフリー版ではなく製品版を購入し、さらに「Shreddage 3 Stratus Free」ではなく製品版を購入しないとダメだという事です。

一応名誉の為に記しておきますがこの音源のサウンド自体はとても素晴らしいと思いますし、運指が見えるUIはとてもいいと思います。
機能的にはどうなんですかね、正直30分程度しか触っていないのでレビュー出来る程の経験がありません。
ネットで読んだ分では使い勝手も高評価でしたので、経済的に余裕のある方は購入されてみるのもよろしいかと思います。

という事でこちらのプラグインではまともに打ち込み作業どころではありませんでしたので、次に私が辿り着いたのがこれまたフリープラグインサンプラー「sforzando」で動作する「Standard Guitar」というエレキギターのプラグイン音源です。
※DLはこちら
※DLからインストールまでの流れや使い方はこちら

パラメーターの調整画面
アルペジオの場合はフレットが出る

この「sforzando」というサンプラーは使い勝手としては私は「Kontakt」よりも使いやすいイメージを持ちました。
ダウンロードをしてインストールすれば後はDAWに読み込ませてすぐに使えるので、アカウントの作成やアクティベートの作業は要りません。

そしてこちらの場合はフレットの制限や使用時間の制限もありませんので完全にフリーで使用出来ます。

音色は基本的にエレキギターのクリーンで鳴ってくれればトラックにDAW付属のエフェクトを噛ませてひずませたりリバーブで響かせたりと、まぁ所謂いわゆる普通にエレキギターを使用する様に動作出来ます。

さて、これで後はじっくりTAB譜とにらめっこしながらMIDIデータを入力していくだけなのですが「可愛くてごめん」はギターが2本入っているので、とりあえずリードギターの方のイントロから打ち込んでいきました。

最初の方はパワーコードで2弦分の入力を2分音符や4分音符、8分音符で打ち込んでいきました。
そしてイントロの入力が終わり、Aメロになった途端スカになり一気に混乱しました。

カッティングの入力が全くわかなかったので、まずその入力方法を調べる所から始めました。
一応やり方はわかったので、最初の方に書いた通りに4本分ぐらいの弦をオルタネイトストロークでアップダウンした時みたいにシミュレートして入力していきました。

ちなみにこちらのスカの方は音色がクリーンな音にリバーブがかかった様な感じの音なのでトラックを分けて別に用意しました。
めちゃくちゃ時間がかかりましたがとりあえずAメロ、Bメロと進んでいき、Bメロの最後、つまりサビ前に来た時にまた困難がやってきました。

16分音符でのカッティングのリフです。
しかもこちらはディストーションでひずませている方の音なので、カッティングが綺麗に聞こえないのです。

私の打ち込み方が悪いのか、音の作り方がおかしいのか原因はわかりませんが、とにかく先程のAメロのクリーンギターでのスカと違ってMIDIノートの入力は同じなのに音が混ざってしまって全然カッティングに聞こえないのです。

この問題はついに解決方が見つからず私はさじを投げてしまいました。

Fuck!

そこからしばらくPCを開かない日々が続きましたが、スマホで色々調べているとスコアをMIDI化するパターンや、原曲からギターの音源だけを抽出してそのままオーディオデータとしてトラックに差し込むパターンもあるという事に気がつきました。

ぶっちゃけこれはもうどちらもチートというか、全く自分で打ち込まないのでDAWの操作的には勉強にならないのですが、とりあえず最初の1曲目ですし、そもそもカバーなので完成させずに中途半端になるよりかは良いだろうという結論に至りました。

まずスコアをスキャンして、そのデータをMIDIデータ化するという方法に目をつけたのですが、こちらは誤認識してしまう場合が結構あるらしく、その部分は手入力で修正しなければならないので、なんだか面倒くさそうだなと思い、一旦スルーして原曲からギターの音だけを抽出する方に切り替えてやってみる事にしました。

そのためにはPCの場合は音声抽出のソフトウェアをダウンロードしてやりますが、私はスマホで手軽にやってみたかったので「ボーカルリムーブアプリ」という物を使って抽出しました。
私が使用したアプリは「Moises」というアプリです。
※App Storeの方はこちら

Moises

やり方はすごく簡単です。
まず原曲をアプリに読み込ませます。

次にどの様な感じでパート分けをするのか選択する画面になりますので、その曲の楽器構成やコーラスの編成などを考慮し、その曲から抽出したい音源にコミット出来る様なパート分けを選択します。

パート分けの選択画面

パート分けを選択すると曲が楽器ごとにちゃんと分かれますので、抽出したい楽器の右側にある「⋯」をタップし、オーディオデータのファイルを指定の場所にエクスポートすればOKです。

ちなみに各楽器にパラメーターがあり、単純にどれかをオフにしてみたりして再生も出来るので、例えばボーカルをオフにしてオケの状態にすれば歌の練習とかにも使えますし、ギターの音やピアノの音だけを流して耳コピとかにも使えたりします。

各楽器のパラメーターがあるので調節可能

抽出したオーディオデータはMP3とM4Aの2つから選んでエクスポート出来ます。

エクスポート画面

今回はこのアプリを使用しましたが、他にも探せばまだあると思いますし、アプリではなくWebサイト上にアップロードして抽出出来るサイトも無料であったりしますので色々と探してみるのもおすすめします。

この「Moises」というアプリは基本的に無料で使う事が出来ます。
ただ、無料だとパート分けの時に選択出来るパターンがすごく少ないです。
私はツインギターを分けて抽出したかったのでプレミアムじゃない方(無料とプレミアムの間)を少し課金して使ってみましたが、ただ単にボーカルを消したいだけとかなら全然無料でいいと思います。

さてさて、これでギターのオーディオデータは手に入りましたので、後はこのデータファイルをDAWのトラックに読み込ませ、クオンタイズをかけてタイミングを合わせるだけです。

よっしゃこれで上手くいったわ!
と思ったのも束の間、オーディオデータを読み込んでみたらなんとツインギターがステレオで左右に別れていました⋯

何事もスムーズには進まないものですね。
私は気を取り直してオーディオファイルの編集ソフト「ocenaudio」を使って左右それぞれの音を別トラックに振り分けて、2つのファイルに分離させました。

そしてその左右ギターのファイルをDAWに読み込ませてみたら今度はバッチリでした。
後はトラックのパンのパラメーターで左右に分けてセッティングしました。

この曲には他にもベルっぽい音とか何かよくわからない音が色々入っていますが、とりあえず打ち込みの練習という事なのでそこまで忠実に再現しなくてもいいだろ、という事でいよいよミックスダウンの作業に入りました。

自分で打ち込んだパートはボーカル(初音ミク)、ドラム、ベース、ピアノです。
ギターだけ原曲の音源をそのまま使用しました。

ボーカルとピアノがベタ打ちなのもありますが正直酷い出来だなと我ながら思いました。
メイントラックにEQとコンプレッサーを挿して色々パラメーターをイジりながら音を調節してみたのですが、素人なので結果酷い音に仕上がったなという感じです。

1つ勉強になったのは、ドラムの音は各パーツで分けてトラックを用意した方がいいという事ですね。
シンバル系が鳴ると一気に音量が高くなって赤いランプがついてしまうのですが、ドラムキットとして1つのトラックに入れてしまっていると他のパーツも音量が下がるので、これは失敗したなぁと思いました。

そんなこんなで、一応ミックスダウンした物がこちらになります⬇️

いやー実際SoundCloudにアップロードした物を聴いてみると改めて酷いですねw
音も割れまくってますし、各トラックの音量バランスが悪すぎてなんか凄い事になっちゃいましたw

まぁでも一応は打ち込みで1曲カバー出来たので達成感はありますね。

これからもDTMを勉強しながらコツコツ続けていきたいと思います。
という事で今回はここまでで終わりです。

ここまでお読みくださって誠にありがとうございます。
この記事が気に入っていただけましたらスキを押していただけますと大変励みになります。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

※追記
4/6にドラムのパーツをトラック分けして、さらにEQで再調整した後、SoundCloudの曲を入れ替えました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?