見出し画像

「なぜなぜ分析」の前にやること、やってますか?

今日は久々に仕事の話でもしようかなと思います。

以前、別の記事でも書いたことがあるのですが、私はとあるメーカーで品質保証業務を担当しています。一言に品質保証といっても、いろんなことをやっているのですが、中でも一番重要というか、腕が問われるのが「問題解決能力」です。

品質保証担当スタッフは担当する製品で不具合の報告があった場合、迅速かつ確実に原因究明と是正措置を実施する必要があるので、必然的に問題解決能力が問われるのです。

といっても、私の勤務先では品質保証担当スタッフが全部自分で原因究明から是正措置までやってしまうのではなく、問題を発生させた部署に対して原因究明と是正措置の実施を指示し、それが正しい方向にいくように指示・フォローするのがメインです。

今までいろんな不具合の対応をしてきましたが、必ずと言っていいほど原因分析のツールに用いられるのが「なぜなぜ分析」という手法です。みなさんもどこかで聞いたことあるのではないでしょうか。

問題が起きた事象に対して「なぜ」を5回ほど繰り返して問題を掘り下げることで、問題の根本原因を突き止めることを目的とした手法です。

でも、この「なぜなぜ分析」って使い方を間違えるとうまく機能しないんですよね。特にやちがちなのが、何でもいきなりなぜなぜ分析を始めてしまうことです。

どういうことか。例えば、食品会社の「ケチャップ」を生産している工程において、ケチャップの納品後に顧客から「未開封の容器の中に虫が入っているぞ」というクレームを受けたとします。こういうとき、いきなり「なぜケチャップの容器に虫が入っていたのか」ということからなぜなぜ分析を始めてしまうのがやりがちなミスです。こんなところから分析を始めてしまうと、もう可能性が無限にありすぎて、絶対にまともな原因に行き着きません。ちょっと考えれば当たり前のことなのですが、なぜなぜ分析を何でも解決できる魔法のツールだと思っているところでは本当にやってしまうミスなんですよ。

じゃあどうやって原因分析を進めればよいのか。それは、まずそのケチャップが出来上がるまでのすべての工程やそれに関わる人間、材料、あらゆる事実の整理をおこない、「どこに問題があったか」を探すことから始めることです。事件が発生したとき、鑑識があらゆる証拠を調査するのと同じような感じです。あらゆる可能性を否定せず、とにかく事実確認に徹するのです。そうすることで、かならず「あ、ここで虫が入ったんだ」という問題箇所が見えてきます。

そして、ここまで来てはじめてなぜなぜ分析を使うのです。

ケチャップの例でいえば、事実確認の結果「ケチャップの容器にケチャップを詰め込む工程で虫が混入した」ということがわかったとして、この事実に対して「なぜ」を複数回繰り返すのです。「なぜ容器にケチャップを詰め込む工程で虫が混入したのか」という具合です。ここから「なぜ」をスタートさせることで、結果的に正確かつ迅速に根本原因を突き止めることができ、効果的な対策を設定することができます。

原因分析の手法やツールって他にも色々あるんですけど、どんな事象も基本は同じで、「どこ」に問題があってそれは「なぜ」発生したかという流れで分析すれば解決できます。本当ですよ。


今日はちょっと字数が多くなってしまいましたが、この辺で。今日の記事がどこかで誰かのお役にたてれば幸いです。

ではでは。

#仕事について話そう

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?