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『土曜日の絵本』

The 4th of 7 Days Book Cover Challenge.

『土曜日の絵本』
川崎苑子 著

あるところに、若い夫婦がおりました。ある日、2人のもとにコウノトリが元気な赤ちゃんを連れてきました。
若い2人は嬉しくて、三日三晩考えて、素敵な未来がくるように、と、名前を「未来」とつけました…

やさしい絵柄で、おとぎばなしのように始まるが、ミクちゃんが6歳になり、新しいお家に引っ越してまもなく、パパとママはケンカをして、ママは2人を置いて家を出て行ってしまう。
カスミちゃん、ヘイちゃん、ミチルくん3人に出会ったミクちゃんは3人に助けられ、笑顔を取り戻し、小学校に通い出して新しい生活を始める。
4人の子どもたちの出逢いから始まるこの1巻では、ミクちゃんのママが家に戻るところで終わり、6巻まで続いた。

このマンガを買ってもらったとき、私はまさにミクちゃんと同じ年で、ミクちゃんと同じ太い眉を持ち、
「男の子が欲しかった」
「あなたには可愛い服は似合わない」という理由で、ミクちゃんと同じような、サロペットやズボンを着ていたため、まるで自分のような容姿の子だ、と、親近感がわいた。
ミクちゃんとの違いは、我が家には両親がいたが、父親の暴力は日常的であり、それを母が、
「あなたのために我慢しているのだから、あなたも我慢しなさい」
と言い続けていたことである。

このマンガは何度も父親に捨てられかけたが、その度に、ドキドキしながら、夜中にこっそり起きて救出してきた。大人になって愛読者版を買い揃えられるようになるまで全く続きを知らなかったが、いつも私にミクちゃんという素晴らしい分身を与えてくれ、私もミクちゃんのように我慢して明るくふるまえば、やさしい家族が帰ってくるのだ、と、私が生き残るための支えになってくれた。

子どもは生まれる環境を選べない。大人は決して賢くも強くもないし、必ず守ってくれるわけではない。
だから子どもは心を削って生きていくしかない。
そんな世界が早くなくなりますように。

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